津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■肥後国中「御家人名附」・(1)

2019-06-10 13:02:45 | 歴史

    熊本近世史叢書一「肥後国中寺社御家人名附」から、御家人を抜粋してご紹介する。
    ここでは一領一疋、地侍、直触(医師を含む)と宮司等が扱われている。
    一領一疋とは「鎧一領、馬一匹」意で、熊本独自の郷士に対する呼称である。
    家格としては惣庄屋直触、郡代直触、地士(地侍)、一領一疋と進席する。その上に諸役人段があり惣庄屋はここに含まれる。
    これ等は寸志を上げることで家格を取得する者もあった。歩小姓列、独礼、歩使番列まで進席し侍の家格に至った家もある。
    これらの家格は集会などについて座る順番を厳重に定めている。
    一領一疋は惣庄屋の次席にあたり、地侍から進席するが、席が空かないと進席できない。これらの人たちは加藤家や大友家・
    小西家・佐々家などの旧家臣等や国衆の子孫など、細川家直臣となりえなかった由緒ある人たちである。


■飽託郡五丁手永
     一領一疋  河内村     牛嶋七郎左衛門 
           岡村      牛嶋角左衛門
           船津村     上妻貞右衛門
           大多尾村    内田喜平太
           東門寺村    内田宇平太
           上野村     近野伝次郎
           上立田村    下田七郎左衛門
           鶴羽田村    竹田津利三右衛門
           河内村     牛嶋嘉平太
     直触    万楽寺村    田尻宗碩
           上立田村    緒方玄林
           同村      奥村平右衛門

■飽田郡池田手永
     一領一疋  嶋崎村     黒部新右衛門
           上松尾村    伊藤次太夫
           同村      境 源左衛門
           同村      志方杢兵衛
           井芹村     建部孫平
     地侍    上代村     小嶋龍次
           京町村     下林甚平
     直触医師  上代村     津崎玄林
           上松尾村    今村順迪 
           上代村     津崎怡益
           孫代村     工藤玄察
           砂原村     井上東啓
           今新開村    浅山玄宅
           小嶋村     高橋玄伝
           上松尾村    志柿李庵

■飽託郡横手手永
     直触医師  権藤村     大淵玄好
           苅草村     高木李伯
           正保村     中原玄翠
           田崎村     岡沢仙伯
           権藤村       藤左衛門
     一領一疋  同所      清嶋両平

■飽託郡銭塘手永
     直触医師  江中嶋村    馬原詮淳
           万丈村     緒方玄好
           銭塘村     土井玄卜
           北走潟村    松岡養斉
           下沖村布田   高木周伯
           手永光雲寺支配
     一領一疋  中無田村    芥川喜兵衛

■飽託郡本庄手永
     一領一疋  今村      田中宇平次
           新部田村    園田団助
           右同村     園田平蔵
           右同村     園田伝兵衛
           下南部村    今村善左衛門
     御山支配加役
           保田窪村    安藤礒右衛門
           同村      千田浅右衛門
           同村      早瀬吉右衛門
           長嶺村     坂田源次
           同村      坂田清左衛門
           同村      大村利三
           小山村     今村伝次郎
           同村      坂田宗平太
           戸嶋村     田中嘉藤次
     地侍    渡鹿村     坂田善大夫
           同村      古谷善右衛門
           長嶺村     坂田十蔵
     御郡触   大江村浪人   村上助験(スケトシ)
     御医師   近見村     戸田玄利
           本庄村     今村玄恵
           今村        藤右衛門

■詫摩郡田迎手永
     一領一疋  重富村     青木新右衛門
           竹宮西外村   石原嘉平太
     地侍    下部村     園田重次郎
           同村      林田林右衛門
     直触            除野次左衛門
           上江津村      新左衛門

■上益城郡鯰手永
     一領一疋  鯰村      布田左蔵
           櫛嶋村     守嶋伊右衛門
           砥川村     岩崎寿助
     地侍    鯰村      布田彌平太

■上益城郡沼山津手永
     一領一疋  沼山津村    光永彌平太
           河原村     戸田用右衛門
     地侍    辛川村     中山団助
     直触    木山村     良峯玄秀
           中無田村    安藤伊平次
           西無田村    嶋崎清蔵
     木山宮社司 木山町     空閑出雲
                   空閑若狭
     津森宮社司 寺中村     甲斐伊与
     白山宮宣命          同

■上益城郡木倉手永
     一領一疋  部田見村    村山加平太
           御船町     長野所右衛門
     地侍     同      早瀬所右衛門

■上益城郡甲佐手永
     一領一疋  中津田村    後藤文右衛門
           津志田村    松本嘉右衛門
           仁田子村    佐藤幾右衛門
           古閑村     岩永左助
     直触    下田口村    松本梅瑞
           岩下村     坂部利三次
■上益城郡矢部手永
     御郡医師  浜村      赤星元周
           浜町      伴 作左衛門
           同       下田善左衛門
           同       富田彌吉
     一領一疋  当分浜町    渡辺常右衛門
           同大川村    甲斐惣兵衛
     地侍    郷野原村    飯干角内
           同       飯干藤平
           浜町四人ふち  富田新次郎
           同町      太田忠助
           同御用達佐弐役触 高浜徳次
                    野尻清九郎
     一領一疋  下名連石村   松本瀬平
           中嶋村     高森茂理平
           同村      山下慎七郎
           稲生原村    古閑折平
           入佐村     古閑勘次

■下益城郡杉嶋手永
     地侍    菏崎村     赤星奥右衛門
     直触    赤見村     坂井半之允
     御郡並医師 著町村     生源寺玄全
           杉嶋村     三角亀角
           硴江村     宮田春貞
           著町村     吉村見益
■下益城郡廻江手永
     直触    藤山村     清崎見順
           志々水村    弓削東削
     御郡医師          小林周軒
     一領一疋  隈庄村     美濃部又之允
           宮地村     岩村権兵衛
           同村      岩村尉平
           廻江村     藤井孫助
           阿高村     内山奥右衛門 
     地侍    隈庄村     浅井式右衛門

■下益城郡河江手永
     御郡医師並 中間村     福田道伯
           小川村     斉藤宗迪
     直触    南小川村    荒木元周
           松橋村     佐方宣斉
     一領一疋  河江村     高橋林左衛門
           大野村     高橋兵九郎
           南海東村    篠原瀬左衛門
     地侍     同      篠原喜兵衛
     阿蘇宮社司         下田佐渡
     八幡宮社司 南部田村    早水河内

■下益城郡中山手永
     一領一疋          井芹武右衛門
     御郡医師          宮崎玄忠
     直触医師  安見村     日野玄卜
                   浦上意庵
           下江村     牧野友作

■下益城郡砥用手永
     穂積宮四社神主(勢井村・竹迫村・名越谷村・長野村)
           長野村居住   緒方大和
     一領一疋  原町村     高木文右衛門
           同村      野尻彌次右衛門
           同村      井芹宇平次
           峙原村     菅 理三右衛門
     地侍    はら町村    日並五郎兵衛
     直触医師  下田むら    谷田玄松
           内園むら    押方玄度
       (右両人之医師売薬なし)      

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■元和九年・覚書(七月朔日~七月六日)

2019-06-10 06:35:15 | 細川小倉藩

 福岡県史・近世史料編‐細川小倉藩 元和九年覚書から

         |     七月朔日 午ノ刻ニ雨フル、半時程大雨也、
         |

小人小頭ヲ差上ス | 一、御小人小頭孫六、便舟次第ニ可差上由、横権左・真下七兵衛方ゟ、六月十二日之状、七月朔日巳
         |       (沢村吉重)
         |   ノ刻ニ、大学殿ノ使持下り候事                   御小人→幕府植生の中での位置
         |
採銅所金山ノ報告 |   午ノ刻ニ御鉄炮衆                 (井上)
ヲ命ズ      | 一、採銅所御金山之様子、言上被仕候へと、宗和へ飛脚遣申候事      採銅所地図
         |
         |   (林)弥五右衛門・(河田)八右衛門ニ、さしかミ遣候事
         | 一、呼野(御)金山へ遣手伝之事、例汰ノ手伝五人            呼野鉱山・地図
         |                 (陶汰)
         |   井門亀右衛門くミ  同与     佐兵太くミ
         |     児玉角助 十左衛門 半助
         |                     
(筑紫重門室、細川幸隆女)
菜園場ノ瓜を上グ | 一、御さいゑん場ノ瓜十一、平次郎持参候ヲ、おかね様へ上ケ申候事
         |
利息弐割     |   わき/\の利足ノひつかけニ不成事ニ候間、弐わりニして、かし可申ニ相定申事也
作事用ノ米ヲ大工 | 一、御作叓之御用ニ残置候米之事、弐わりニして、御大工衆ニかし、作料ニさし次可申との談合、相
等ニ貸ス     |   究候事
         |
         | 一、和田伝兵衛手伝之事
         |
         |
         |     七月二日 晴天 戌ノ刻ヨリ雨フル、
         |
         | 一、上田忠蔵、巳ノ刻ニ出船仕候
         |   さしかミ遣候事
         |   採銅所
金山米奉行ノ手伝 | 一、金山米奉行手伝共へ、四人ニ御荒仕子壱人遣事
         |
         |   村田儀兵衛ニ遣候て、同三日採銅所へ持参事
         | 一、採銅所御金山へ、長持遣事
         |
         |   吉田茂左衛門ニ、直ニ申渡ス也
         | 一、しい村之新左衛門、よびニ遣候事
         |   (志井、規矩郡)                                      
福岡県北九州市小倉南区志井
         |         
北ノ丸路地ノ用品 | 一、北ノ御丸御路地ニ入申、さうきん・水こし布の事            豊前国小倉城絵図
雑巾水漉布    |
路地箒      | 一、しづらはうき・拾本入申事                      しづら→地面(じつら・じめん)か
         |
荒仕子死跡ノ借米 | 一、荒仕子ノ内、相果候者之御借米之事
         |
         |
         |     七月三日 晴天 夜前之雨(ニゟ)水出ル也
         |

         |   松ノ葉無之候て、三拾九俵ひろい候て、帰候由候事、御郡奉行返事、同八日来候事
岩石山ニ松葉採集 | 一、かんしゃく山ニ而、松ノは五十俵取度ノ由、式ア殿ゟ披仰候付、御郡奉行迄切手遣候事
         |   (岩石・田川郡)                   (松井興長)
         |
石灰       | 一、石ばい三石、式ア殿ゟ、御かり有度ノ由被仰候付而、弥五右衛門・八右衛門へ切手遣候事
         |   
志井村庄屋ト新左 |   (志井、規矩郡)                                            (中津郡)   
喧嘩ノ詮議    | 一、しい村庄やと新左衛門と引合、双方口を聞届、新左衛門も親子共ニ御しちへやへ入置候、節丸
質部屋ニ入置   |   彦兵衛事、可尋とて、せつ丸庄や・頭百姓呼ニ被遣候へと、佐方少左衛門・宮部久三郎へ申遣候
惣奉行目付等籠へ |           (小篠)   (横山重嘉)(米田是次)(矢野)
尋問ニ趣ク    |   事、籠へ参、承衆次太夫・太兵衛・助進・左兵衛・助二郎、
         |
         |
         |     七月四日 晴天
宇佐郡ノ加損米郡 |                               (野田幸長)(田中氏久)
奉行ノ扶持ヲ知行 | 一、宇佐郡畠方ノ御加損米ノさしかミ、御郡奉行ふち取置候ニ付、小左衛門・猪兵衛手前惣積りノ目
方奉行惣積リノ目 |   録ノ高ニ入申候所、百弐十石余ノ米之事
録ニ入ル     |
         |
大坂蔵奉行ノ用状 | 一、明石源左衛門下着ノ由候て、大坂御蔵本奉行衆ゟノ状持せ被上候、六月十八日之日付也
         |
呼野ノ銀否    | 一、呼野ノワキこもり二銀杏在之候■間、納候へと可申付事
         |
津川辰珍ノ賄続キ | 一、津川四郎右衛門尉殿留之賄難続由、重畳被申候二付、又、■八月分之御ふちかた、明日相渡候へ
カタシ      |   と申付候也
         |
         |     七月五日 晴天
         |

松井友好桜井某ノ |     (友好)
人ノ出入     | 一、松井宇右衛門・桜井五兵衛人ノ出入二付、松井■采女書物被上候事    出入→俗に、争いごと。もめごと。けんか。
         |
吉田茂左下代ト住 | 一、吉田茂左衛門下代之儀二付、住江甚兵衛と出入有之由候て、茂左衛門尉書物幷下代在々にてかり
江元明ノ出入   |   候米銀之書物、三枚被上候事
         |
加子走ル二ツキ請 | 一、舟瀬六郎左衛門御預りノ御加子九介、五月廿二日走候付而、請人御のほり衆半介、手前ゟ可相
人昇衆ノ状    |   立儀と、鏡善右衛門被申、半介儀状持参候事
         |
         |   (細川忠興乳母・中村新助妻)              (野田幸長)(田中氏久)
大局貸付米    | 一、大御つほね借付米ノ儀、山本小左衛門所ゟ、小左衛門・猪兵衛所へ申来候事
         |
         |     七月六日 晴天
         |                          (矢野)
         | 一、呼野御金山にて、竹内吉兵衛組内田久左衛門尉儀、矢利斎ゟ披申渡、承届候事
         |   (猪兵衛)        (井門重元)                                (源左衛門)
採銅所金山金奉行 | 一、冨嶋組上田六右衛門・井戸組権兵衛、昨日、採銅所御金山御金奉行手伝二遣候事、明石組池田次
手伝       |   兵衛ハ未遣候事
         |
吉田茂左住江元明 | 一、井上加兵衛召寄、茂左衛門訴状之趣申渡、返答候様ニと申うら事判つき候て、書物相渡ス也、茂                  
         |   左衛門へ明石二郎九郎・住江四郎兵衛状茂左衛門返事ノ案見届候
         |
三淵好重貸米   | 一、山路太左衛門・桑原主殿・坂崎半兵衛下着候て、御城へ被上候、伊賀殿米之儀ニ付、 御口上之
         |   趣被申渡候
         |
         |   (志井・規矩郡)                 (中津郡)                                      
志井村ノ新左ノ詮 | 一、しい村之新左衛門手前せんさくの儀ニ付、節丸ノ伊井関伝蔵百姓参候て、書物仕らせ、佐方(少)左衛
儀        |   門かた書ニて、書物取置、百姓共在所へ返し申候
         |
         |                 竹木借り候儀
採銅所金山小屋場 | 一、採銅所御金山之儀ニ付、小屋場地子之儀覚書ニかた書仕、本書ハ此方ニ取置、うつしヲ仕、
ノ竹木ノ借料地子 |   遣也
         |


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