津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■忠利嫡男光尚の幼名「第六子ゆえ六丸」ということ

2022-06-09 10:36:50 | 先祖附

 細川家第四代の光尚の幼名は「六丸」である。その名の由来は「第六子」の故と綿考輯録は記す。
そして第六子ながら家譜などに於いては「嫡男」とされている。「嫡男≠長男」とはいうものの、第六子というのはどういうことか。
一般にもそのように受け止められていたらしが、綿考輯録の記する処は以下の如くである。

   系譜家伝録、光尚多兄弟生在第六故以爲幼名、兄皆夭死、忠利立光尚爲家嫡云々

忠利室・千代姫の輿入れは慶長十四年であり、六丸誕生までは十一年の時間差がある。その中で、正室・側室の子が五人誕生していた。

 1,慶長15・6年比千代姫様御腹に御一男御誕生、
 2,元和二年御誕生の御子様御名ニ辰の字を可被用思召之趣、忠利君江戸より豊前に被下御書有(下津久馬所持)
 3・4 双子と思える女子の存在が、忠利-三斎の書簡で伺える。妾腹か?
   亀・福 寛永六年正月忠利君御書「かめふく儀不便なる仕合(死去)可申上様も無御座・・」
   三斎君御書「亀福儀承驚申候・・・右之仕合無是非儀ニ候事」
 5,元和四年五月十一日忠利在府 三斎からの書状に「御姫(千代姫)御懐妊の儀ニ付・・」といった内容のものがある。
   六・七月にお産があったのではないかと記す。

「其比は万事留書様之事ニ心を用たる人稀なる時代」だが、「五人の御子様御誕生の事もしるし伝へたるもの無之」だけれど、「(光尚は)唯六人目の御子様と云はかり」と編者・小野武次郎は当時の記録の杜撰なことに眉をしかめている。

 そして元和五年九月十八日、第六子として誕生され「御六」と命名された。
その後は「藤」「宗玄」「竹」「尚房」「元知」の二男三女が妾腹に誕生した。忠利公は11子の父君であられる。

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■細川忠興 vs 加藤清正

2022-06-09 06:29:53 | 家紋

           
                               徳川秀忠の円居銀の半月

    上の繪にあるのは数々の徳川秀忠がつかった円居(まとい)だが、中央部に「銀の半月」が登場している。

これは元々、細川忠興が指し物につかい特に「銀の中くり」と称していた。これが家臣の牧氏に下賜されたが、後に又忠興の手に戻ったとされる。
その指物が秀忠の目に付き、召し上げられ円居となり「銀の半月」と名を替えたという。
牧家においてはこれを家紋とされたようで、「肥陽諸士鑑」や「侍帳(家紋付き)」ではそのように紹介されている。
現在では「真向き月紋」と呼んでいるようだ。

 処で徳川秀忠は、加藤清正の「馬蘭の指物」か、細川忠興の「銀の中くりの指物」のどちらかを召し上げたいと、父家康に相談したらしい。
家康の軍配は忠興の「銀の中くり」に上ったようで、召し上げられてしまった。
綿考輯録はその経緯を下記の如く紹介している。

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                銀の中くり世ニ銀の半月と申候得共、忠興君ハ中くりと被仰候
   山鳥の尾ばつとしてくりの所を見へ隠れにて見事なりとなし、十五日合戦前より軍散する迄御差被成候、他の御大将衆は差物を大方人ニ御持せ候由也、
  或時秀忠公御差物の儀を家康公ヘ被仰上候ハ、加藤肥後守か馬藺の差物か、羽柴越中守銀の中くりの差物二ツの中御望ニ思召候如何可有御座やと御窺
  被成候ヘハ、家康公上意ニひとつハ差物なとハあやかりものニ候、肥後守(加藤清正)もけなけものにて指物も能候得共、太閤の代計の競也、越中守
  ハ信長以来数度の事に逢候上、先年小牧表の退口殊ニ見事成し越中守差物可然との事ニ而、土肥大炊頭上使ニ而忠興君の御指物を被召上、後ハ御円居
  (まとい)ニ成り銀の半月と号、大坂御陳ニも御持せ被成候、同時大炊殿御申候ハ、武勇をあやかるへきとの事なれは、着用之甲冑も可被差上と也、
  忠興君、具足ハ着古し候、新しく縅献候ハんと被仰、御召料之通縅立られ、其年の十二月被差上候 一説明ル正月
 

                                                                     
                                                               馬蘭(かきつばた)     銀の中くり(真向き月紋)          

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