津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■正月飾り

2022-12-05 07:24:08 | 徒然

                 花畑邸裏御門の門松

 この時期になると、お正月に関する各地の準備の模様などが報じられてくる。
農家では正月飾りを作ったりだとか、吊るし柿作りだとか、漁業の方では養殖海老や檜扇貝出荷のニュース、又川沿いの地方では焼き鮎作り等々である。
もう12月に入って5日も過ぎてしまった。まだ各家庭での準備は未だだろうが、カレンダーを見ながら思案する。
処で藩政期時代の師走の模様などを知る史料はなかなか見えてこない。
ただ、侍の家の門松については、知行地に頼み込んで調達する様子が書かれている。
上の図は花畑邸裏御門の門松、五段構えの松がただ植えられているだけである。
侍の家も五段もしくは三段の松が許されたが、神社やお寺、商人や豪農の家などはどうであったろう。
現在は切竹を三本立てて小さな松が添え物になっているが、この形は明治になってからの事らしい。
しめ縄飾りも当然つけられたのだろうが、これもいつごろから始まったのかよく判らない。
山東弥源太(山東彦右衛門清秀といわれる)が米田邸の飾りを盗み家来衆に追いかけられ、「えいもさいさい」と、百閒石垣を飛び降りたという話が残るから、この時代にはあったという証明にはなる。

それ以降、ならって「わるこつ」をする輩が出たのであろう、奉行所はお達しを出している。

   年頭門/\ニ有之候飾縄、若年之者共忍々ニ煎取候儀有之、小児之致方とハ乍申、右躰之儀堅不仕様、
   尤以来右躰之儀有之候ハゝ捕候て其名を承届相達候様、廻役之者へ申付置候段追々及達置候處、近年
   又々相弛候様子ニ相聞不都合之至候、彌以先年及達置候通相心得候様、且又近来御府中於近邊子供之
   遊事ニ藁芥を集、左義長躰之儀をいたし候様子ニ候、所柄又は風立候節は火用心無心元候間、有来候
   左義長之外右躰之儀不仕候様、右之趣家来末々迄不洩様可申付旨候様、左様御心得、已下例文
             正月十一日                   御奉行中
                           (度支彙函・寛政元より文化七迄法令條論682) 

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