NHKのEテレで「信長に仕えたアフリカン侍・弥助」の再放送を観た。ロックリー・トーマス氏の上記著作がベースとなって話が勧められていく。
この本は2017年2月7日第1版が出版されたが、私はしばらくしてから大いなる興味を以て購入した。
NHKの放送内容によると、この著作は黒人社会で大いなる反響を呼び称賛され、キム・バースというアメリカ人監督が弥助を主人公とした映画を100億円の大金をかけて映画化するという話があった。
奴隷としてイエスズ会の宣教師・アレッサンド・バリヤーノにつれられ、インドのゴアの聖パウロ学院で教育を受け、その後日本へやってきた2mを超える大男で屈強な体力を持った男は、バリヤーノの九州布教の後、信長に布教の許しを得るために京へ上る。
この黒人の存在は人の口を経て信長の知る所となり、バリヤーノは信長に謁見することになった。
好奇心旺盛な信長はバリヤーノに乞い、この黒人を家来とする。黒人侍「弥助」の誕生である。
どうやら小姓らしき待遇を受け信長はあちこちと連れまわしている。しかし、本能寺の変が起り信長は死去し弥助の運命も急変する。明智の軍勢に捕らえられた弥助は、光秀の命により南蛮寺に届けられたという。
いろんな古文書が駆使され其の後の足取りがうっすらとあぶり出される。それによると弥助は九州の有馬氏の許に在ったらしい。また加藤清正の書簡から、妻子もあったとされる。
奇しき彼の人生は黒人だからという当時の日本の差別感情がなかったとしている。そうすると幸せな異国での生活であったかもしれない。
そんな特異の人物だが、その後の事は陽として知れない。その後の切支丹排除の動きが増すと日本を離れたのかもしれない。
映画製作の進捗はどうなっているのか、著者・ロックリー・トーマス氏のその後の研究の成果も知りたいところである。