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新河岸小研究会参観記…その3(了)

2006年02月09日 | 雑記帳
前向きな教師集団の実現は、学校づくりそのものである


大きな収穫は、授業公開や全校発表だけではなかった。
研究協議会の、シンプルさと明朗さは特筆してもよい。
準備不足であったのか、滑らかな運営とは言えなかったが、
それ自体も肩に力が入らないことの証しでもあっように思う。

昨年度好評?だったという「冬のヒナタ」と名づけられたパロディ風の実践骨子紹介に続き
今年はあのドラマがネタである。曰く「女王たちの教室」。
視聴率からすれば少し落ちるだろうし、会場の反応は今一歩だったような気もするが
「自分なら、あの印象的な台詞(「いい加減、目覚めなさい」)をもっと生かしたいなあ」
と、そんな下世話なことを思わせるほどの楽しさだった。

模擬授業、テーマ別説明も、テンポ良く明快であり、
そこに主張がはっきりと感じられるものだった。
何より担当した職員の表情が輝いて見えた。
そこでの内容がどういうレベルのものであろうと、
「教師とは学ぶ者」という意識があれば、
それはまさしく「学校」にふさわしいと思う。
その意味で、新河岸小の職員集団の素晴らしさに憧憬を感じた。

生越教授による講演は30分と限られたものであり、
内容に新鮮さは感じられなかったが、
新河岸小の実践を支える理論が
コンパクトにまとめられていたと言っていいだろう。

杉渕氏の研究会後のMMで、
テーマ別のあるコーナーに顔を出さなかったことについての説明があったが、
まさしく正解であったと思う。
目指すべきは、教師も子どもも「自立」である。


おまけ…1
研究集録に染谷校長先生が書かれていたこと。
「校長は、『教科書を教えなさい。』『(略)』という指導を続けました。」
研究説明で、杉渕先生が話したこと。
「全員が1回は公開授業をするようになりました。」
似たようなことがToss関係の情報でも時折言われていたが、
私の勤める田舎の学校では常識とも言えるそのようなことが、
簡単には実行されない都会の学校の難儀さを改めて感じた。


おまけ…2
杉渕先生が、研究説明の折に入れたTV番組の話。
NHK『プロフェッショナル』の確か3回目だったかと思うが、
私も視ていてあのパティシエの話には納得させられた。
同じ材料、同じレシピで作って味が違うわけ、
それは「当たり前のことを、当たり前にやっている」かどうかで決まる。
当たり前のことを当たり前にやっていれば、特別になる。
「多忙化」という言葉自体に振り回されているような教育現場が
今もっとも大切にしなければいけないことのように感じた。

今回も、厳寒の秋田から足を運んだ価値が十分にあった一日だった。