すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

初物には宝がころがっている

2011年04月20日 | 雑記帳
 先週、地区にある研究団体の総会が行われた。教科別の他に教科外の所属を一つ選択することになっているのだが、今年は道徳を選んでみた。

 自慢ではないが、三十年を超した教職生活において初めてのことである。
 まあどちらかと言えば特別活動派?だったし、その他の領域も結構あったので、道徳とは距離を置いていたわけである。
 正直に言えば、若い頃の道徳アレルギーを引きずっているのかもしれない。PTAの授業参観では何度となく取り上げた気がするが、研究会の授業として公開したことはないので、それはやはりどこか突っ張っていた部分があると思う。

 それはさておき、こうした初所属が何をもたらすのだろうか。
 これも正直に言えば、けして積極的に学びを求めようという参加態度でもなかったし、中心になって活動している方々には失礼ながら、どれかに所属しておかねばならない末の選択だったので何かを期待していたわけではない。
 ところが、やはり収穫といえるものは結構ころがっているものだなと感じた。

 一つ目は…その総会で一番後ろに坐っていたら、たまたま知り合いの先生(十分に道徳に詳しい方)と隣り合わせて、どうしてここにいるのかなんていう話を始めたら、読み物資料主義批判になってしまって、そういえば今年の資料集は…ということになり、その方が言うには「N社の資料集はずいぶん違っていたけどねえ」と一言。
 
 ああN社ね、今結構多くの実践家を抱えているようだし、さもありなんとそんなふうに心に留めた。

 数日後、職員室の片隅に並べてあった各社の資料集を見て、ああそう言えば…とめくり始めたら、これがなかなかに面白かったのですよ。

 そう、やはりN社でした。
 他社もそれなりの工夫もあるが、コーナー的な扱いに留まっていて、圧倒的に従来からの読み物資料を抜け出ていなかった。
 しかし、N社の5年、6年のトップに取り上げられているのは、なんとあの上大岡トメ。
 『キッパリ』『スッキリ』のマンガもついていて、実に惹きつけるではありませんか。

 これなら結構楽しくできるかもしれない…と読み進めていくと、「夢を持って生きる」という章では、「1歳から100歳の夢」と題された、写真つきの資料があり、これもまた惹きつけられる。

 数年前「日本ドリームプロジェクト」という団体が編んだ書籍らしいが、この100歳の矢谷千歳さんの書いた文章(詩?)が素晴らしい。
 終連の四行を引用する。この一節を味わうにはそれなりの経験が必要と思うが、小学生がどんな受けとめ方をするものか…それも興味がわく。

 百歳にもなれば、その道が見えて
 人生も時節時候と似たりで過ぎたことから
 春夏秋冬があると思う
 自然と同じかと思う