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悪態吐く独り視聴者委員会

2022年06月09日 | 雑記帳
 いやあ、それにしても今回は酷いなあと悪態を吐きたくなってきた。もちろん高尚な話題ではない。NHKのいわゆる朝ドラのことだ。前クールの「カムカムエブリバディ」もその前の「おかえりモネ」も指摘したい点はあったにしろ、振り返れば見所が多い内容だった。それらと比較できないほどに、今回の「ちむどんどん」は出来が悪い。


 本土復帰50周年という意味づけもあったろうし、沖縄という舞台は頻度の高い設定だ。主人公が故郷での体験を経て都会へ向かい活躍するという、朝ドラ不動?のパターンは納得できても、どうにも穴の多さが気になってしまう。以下、三つに絞って悪態を述べてみよう。まずは、主要なキャラクターたちのあまりに鮮明な単純さであろう。


 主人公暢子の前向きさや快活さを描こうとしているのはわかるが、あまりにも短絡的な姿に映る。演技がどうのというレベルではない気がする。主人公の学びの浅さが強調されているような感じだ。家族にもそれが当てはまる。特に兄の言動はこれ以上ないほどステレオタイプであり、またこのパターンかと、繰り返される筋書きに辟易する。


 わずかにいいと思うのはタイトルバックのイラスト

 次に、ストーリー自体に無理がある。父親が亡くなってからの苦闘場面は半端で、特に最初に東京行を断念してからどう展開したのか、全く触れられないで流れた。苦労を背負う母親役が仲間由紀恵では「皺」が刻まれないのかもしれない。この後、レストランオーナーとの関係が詳らかになるだろうが、そこにあっと言わせる仕掛けはあるのか。


 さらに、主人公たちが暮らし、仕事をしていく場所の位置関係や存在感が浮かびにくい。とってつけたような場面転換が多いからかもしれない。時代考証はしているだろうが甘さを感じるシーンもあった。脚本、演出ともに今のところCランク。片桐はいりが再登場し場を高め、本田博太郎が存在感を持って関わってきたら、通の見方(笑)は変わるかな。