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桜と絵本と豆乳と

これも「わっぱが」の一つ

2021年08月22日 | 読書
 ひと月前に『秋田学入門』という冊子を読んだ。続編が出ていたので借りてきて、朝から甲子園二回戦秋田明桜VS明徳義塾を観ながらページを開く。この一冊には秋田に関する記述がある出版物情報が多く載せられていて、参考になった。半村良『寒河江伝説』や乙川優三郎『脊梁山脈』等の小説にも興味が湧いた。


『続 秋田学入門』(あんばいこう 無明舎出版)


 「『若勢』は人身売買か」の項で一つの語が気になった。「若勢」とは地主などの家に住み込んで一定期間働く若者を指す言葉で、子どもの頃から聞いている呼び名だ。ここに「わっぱが」という秋田弁が紹介され「若勢が一人で一日にこなす仕事量のことを意味し」と記されている。今も使うが少しニュアンスが違う。


 自分の中では「わっぱが」は二通りあり、一つは「大変だ(が)どうしようもない」、もう一つは「早く片付けたい」…そんな感覚だ。語源が上記通りだと後者に近い。『秋田のことば』を久しぶりにひく。見出しは「わっぱか」であり「仕事の量の割り当て、またその割り当てで働くこと」と載っていて、由来は確かのようだ。


 辞書はこう続く。「決まった量の仕事であるから、さっさとやれば片が付いてしまうので、あまり丁寧にやらないニュアンスを帯びて用いられることもある」ナルホド、「わっぱが仕事」という言い方もある。しかし事態が酷い場合に使う方が多いだろう。「わっぱがしょあぶらっこ」(アブラッコは魚)は馴染んだ使い方だ。



 辞典を開きつつぼやっとそんなことを考え…いつの間にか野球は終了。もっとも初めから「負け予想」していたし…。応援する気持ちはあるが、県内出身レギュラーがたった一人のチームでは、3年前の金足農のように熱は入らない。地方出場校の多くは似た状況だし、これを続けている大会も「わっぱが」の一つだ。


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