絵本にはシリーズものがよくある。同じように見えても、同じように扱っていいというわけではない。この二つの絵本で考えた。
『うごきません。』
(大塚健太 柴田ケイ子 パイ・インターナショナル)
ハシビロコウという鳥が主人公。池のほとりでじっと動かないまま、様々な(変な意匠をこらした)動物たちが傍にきてもいっこうに動ぜず、黙っているのだが、池の中に小魚が浮かんだのを見つけると…。「うごきません」というフレーズを一ページごとに繰り返していくパターン。どんな「オチ」になるか興味が高まる。
『なまけていません。』
(大塚健太 柴田ケイ子 パイ・インターナショナル)
同じコンビによる似たパターン。樹木にぶら下がっているナマケモノ。森の仲間たちに、注意されたり、様々な誘いをうけたりしても、「なまけていません」というフレーズを繰り返す。これも一ページごとに展開するので、聞き手はセリフを予想しながらも、どんな「オチ」になるだろうかと、期待を高めるだろう。
「うごきません」の方が先に発刊されているのだが、そちらにナマケモノが速く走る!という登場の仕方をするので、二つ続けて取り上げるとしたら「なまけていません」の方を先に読む方法も考えられる。ただよく考えると、物語のつくり方が異なりそこは慎重にするべきだ。シリーズではあるが大きな違いがある。
それは読み手として考える人称のことだ。「うごきません」はほぼ語り手の視点で構成される。それに比べて「なまけていません」は登場人物の会話が主になっている。説明的か、物語的かといった違いにもなる。従って、似たようなトーンで読んでは魅力が伝わりにくいだろう。2冊続けて楽しむには意識すべきだ。
『うごきません。』
(大塚健太 柴田ケイ子 パイ・インターナショナル)
ハシビロコウという鳥が主人公。池のほとりでじっと動かないまま、様々な(変な意匠をこらした)動物たちが傍にきてもいっこうに動ぜず、黙っているのだが、池の中に小魚が浮かんだのを見つけると…。「うごきません」というフレーズを一ページごとに繰り返していくパターン。どんな「オチ」になるか興味が高まる。
『なまけていません。』
(大塚健太 柴田ケイ子 パイ・インターナショナル)
同じコンビによる似たパターン。樹木にぶら下がっているナマケモノ。森の仲間たちに、注意されたり、様々な誘いをうけたりしても、「なまけていません」というフレーズを繰り返す。これも一ページごとに展開するので、聞き手はセリフを予想しながらも、どんな「オチ」になるだろうかと、期待を高めるだろう。
「うごきません」の方が先に発刊されているのだが、そちらにナマケモノが速く走る!という登場の仕方をするので、二つ続けて取り上げるとしたら「なまけていません」の方を先に読む方法も考えられる。ただよく考えると、物語のつくり方が異なりそこは慎重にするべきだ。シリーズではあるが大きな違いがある。
それは読み手として考える人称のことだ。「うごきません」はほぼ語り手の視点で構成される。それに比べて「なまけていません」は登場人物の会話が主になっている。説明的か、物語的かといった違いにもなる。従って、似たようなトーンで読んでは魅力が伝わりにくいだろう。2冊続けて楽しむには意識すべきだ。
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