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付録の人生も油断禁物

2023年05月13日 | 雑記帳
 4月から5月上旬まで「雑誌の付録・抽選会」という企画を行った。5冊以上借りた来館者に券を配布し、希望の品物(館で購読している雑誌等の付録)に応募してもらうのだ。結果239枚の応募券が抽選箱に入れられ、貸出数(読書活動推進です!!)に貢献してくれた。興味を持った方は結構多い。自分もその一人だが…。


 大型書店に並ぶ雑誌をみると、依然として付録つきが少なくない。それは大昔の少年少女雑誌にもあったし、幼少向けや「学習・科学」などの学習雑誌でもそうだったから、そうした習性を持つのが一般庶民なのかもしれない。付録を目当てに購読推進している雑誌もある。付録に魅力があるかは大切なポイントだ。


 「付録・おまけ」という概念は、主たるモノ・コトがあって生じるのは言うまでもない。それを人間の生活や行動に当てはめることもある。コンサートのアンコールなど同じだろう。妄想的に拡げて考えると、人の一生もそうなのか。「俺にとっちゃあ残りの人生はオマケのようなもんだ」などいう台詞もありそうだ。





 我が身の仕事に照らし合わせれば22歳から還暦まで勤めた学校の場が主で、今の図書館は付録のようなものか。大きな意味で「教育」に括られる分野だし、意外性はないが妥当な線ではあろう。自分にとっては本当に魅力的な付録生活である。それで十分なのだけれど、客観的な評価も心をよぎると正直に言おう。


 中古本として買った『つながる技術』(小山薫堂)に正方形の付箋が紛れ込んでいた。読者のメモだろう。サイドラインや書き込みをしたり、またはレシートが挟んであったりするのは時々あるがこんな形は初めてである。私の前にこの一冊を手にした方は、それに文章を引用していた。まさに言い得て妙な一節だった。

 「自分が期待するほどに、人は自分のことを見ていない。でも、自分が油断する以上に人は自分を見ている」


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