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「将棋の子」大崎善生

2016年02月08日 21時20分14秒 | 読書(ノンフィクション)


「将棋の子」大崎善生

以前から気になっていた作品を読んだ。
「3月のライオン」の元ネタのひとつ、と思われる。
奨励会を舞台にしたドラマ。
日本各地で天才と言われた少年達。
しかし、勝ち残れるのはごく一部のみ。
敗れ去ったものたちは、いかに挫折を克服するのか?
あるいは、出来ないのか?

P340
 では、なぜ彼らの闘いがこんなにもせつなく胸に迫ってくるのだろうか。
 それは、棋士を目指すというあまりに単純で逃げ場のない目標のせいなのかもしれない。あるいは、少年の日に抱いた夢に人生をかけて突き進んでいく姿が健気だからなのだろうか。それとも、その挑戦があまりにオールオアナッシングだからなのか、年齢制限という厳然とした逃れられないシステムのせいなのだろうか。

棋士の世界という特殊な世界を扱いながら、万人に訴える内容。
思った以上に、胸に応える。
講談社ノンフィクション賞受賞作・・・読んでみて。

【ネット上の紹介】
奨励会…。そこは将棋の天才少年たちがプロ棋士を目指して、しのぎを削る“トラの穴”だ。しかし大多数はわずか一手の差で、青春のすべてをかけた夢が叶わず退会していく。途方もない挫折の先に待ちかまえている厳しく非情な生活を、優しく温かく見守る感動の一冊。第23回講談社ノンフィクション賞受賞作。
[目次]
第1章 北へ
第2章 沈黙の海
第3章 夢への遡上
第4章 吹きあれる風
第5章 月光
第6章 再会の日
第7章 放浪
第8章 恋
第9章 勇気の駒