百醜千拙草

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米大統領選キックオフ

2008-01-08 | Weblog
いよいよアメリカ大統領選が始まりました。アイオワ地方議会では、民主党はオバマ、共和党はハカビーが制しました。マイクハカビーは、つい最近になるまで、私は名前も知りませんでしたが、どうも極右の保守派のようで、保守的な中西部のアイオワという土地の性格もあったのか、これまで本命と考えられていたジュリアーニや多額の組織的なキャンペーンをはったミットロムニーに9%以上の差をつけてのトップでした。ジュリアーニの失速は見ていて気の毒なぐらいです。9-11のとき、ニューヨーク市長としての活躍で確立したカリスマ性というのが見る影もありません。アリゾナのジョンマッケインは共和党の中では、私は唯一まともな人に見えるのですが、一般大衆のウケがわるく、アイオワでは苦戦しました。次のニューハンプシャーでは、東海岸という多少リベラルで知的な土地柄もあり優勢と思われますが、ここでボストンから出ているロムニーが資金力にものをいわせて、マッケーンをターゲットに絞って必死の攻勢をかけてくるでしょうから、どうなるかというところです。ロムニーがしゃべっているところを聞くたびに、私にはどうも信用できない人という印象が湧いてくるのです。金持ちやモルモンに対する偏見があるのかも知れません。マッケーンと比べるとなんとなく「小賢しい」というように感じさせるところがあります。どうもこの「偽善者」くさいところは、他の共和党候補にも嫌われているようで、先週末の討論会ではロムニーは他候補から総攻撃を喰らってタジタジでした。翻って、民主党でのオバマの勝利というのも、私には解せません。オバマがカリスマ性があり感動させる演説をすると世間では言っていますが、私はそんな風に感じたことは私はありません。確かに扇動的な演説をするかも知れませんが、昔の学生運動のアジ演説と対して違うように思えません。本当にしゃべっている理想を実現化していけるのか、中身があいまいです。先週末のニューハンプシャーでの討論会では、民主党に関しては、ヒラリークリントンもぱっとしませんでした。最初の方のオバマに対する攻撃も逆効果でした。しゃべりも説得性に欠けます。ジョンエドワーズは格差社会への対策を以前からの重点事項として打ち出していて、その点は評価しているのですが、彼の問題は、私の意見では、ちょっと童顔であることと南部なまりのしゃべりではないかと思っています。奥さんも小太りでいけません。結局一般人は、見た目を非常に重視しますから、エドワーズがもう少し背が高くてハンサムで奥さんのスタイルが良く、せめてアルゴア程度の軽い南部訛りでしゃべれば、そうとう違ってくるのではと思います。しゃべっている内容ですが、やはり、理想をしゃべるのは良いのですが、具体的にどうしていくか、その勝算やバックアッププラン、そういうものを考え抜いた上でしゃべっているように聞こえません。この民主党候補のトップ3の誰もが、「この人ならやってくれる」という信頼感に欠けるのです。むしろ、私はジョンマッケーンに民主党から出て欲しいと思うぐらいです。この民主党の討論会には、もう一人の候補者、ニューメキシコの州知事、ビルリチャードソンが参加していたのですが、私は彼が一番、民主党ではもっとも思慮深い意見を述べているように思いました。残念ながら支持者層が残り3人とは違って薄いので、彼が最終的に民主党候補となることはないと思いますが。
 研究者からすると、民主党が最終的には勝ってくれないと困るのです。研究は投資ですから、投資して大きくもうけようという前向きに考えてくれる人が政権を担ってくれないと現在のふくれあがった研究現場は維持できません。投資はリスクが大きいから縮小して足下を固めようという方針では、研究者とかは真っ先に必要のない人と見なされてしまいます。現在の状況からすると、民主党は最終的に、オバマ、クリントン、エドワーズのうちの誰か、共和党からはマッケーン、ハカビー、ロムニー、ジュリアーニ、トンプソンのいずれかが出て一騎打ちになると思われます。最終的に民主党の弱点は、オバマの場合は半分アフリカ人ですから、保守派白人に対するアピールが弱いこと、またクリントンの場合も女性ですから同様の問題があることが考えられます。西海岸と東海岸を民主党が押さえ、その間を共和党が押さえるといういつもの展開となったときに、民主党と共和党の力関係が拮抗している州で、45%を占める浮動票が民主党候補の外見が嫌いだからという理由で共和党なりに票が流れてしまうとマズいです。その点共和党は全員白人男性ですから、だれが最終候補に立っても外見で損をすることはないわけです。共和党では、今回のニューハンプシャーでロムニーが勝てなければ(討論会で随分痛めつけられたので勝つのは難しそうです)、おそらく彼はここまででしょう。となると、マッケーン、ハカビーの線が強いと思います。マッケーンはともかく、ハカビーはガチガチの保守派のようですから、この人が大統領にでもなれば、アメリカの研究界はブッシュに続いての痛手を被ることになるような気がします。現時点までを見ていると、民主党はオバマ、共和党はマッケーンを最終的に立ててくるような気がします。そうなると、最終投票は2000年なみのデッドヒートとなるのではないかと思います。オバマがアジ演説であと数ヶ月、国民を乗せ続けることができたら民主党、できなかったら共和党政権ということになりそうです。いずれにせよ、もうしばらくは、大統領選レース楽しめそうです。
コメント (1)
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