Natureの訃報欄で、花房秀三郎さんが3月15日に79歳で亡くなったことを知りました。私の研究とは、殆ど何の接点も無いのですが、花房さんの名前はさすがに知っています。大学院に入ったころ、シグナル伝達の研究分野では、蛋白のチロシンをリン酸化する、チロシンキナーゼが大ブレークしていました。その代表的なチロシンキナーゼの一つがSrc(サーク)で、マウスではSrcの変異によって、骨吸収を荷う破骨細胞の機能が欠失するので、がん遺伝子は興味の外だった私でもSrcぐらいは知っていました。花房さんは60年代からがんをおこすレトロウイルスについての研究をロッカフェラ大学でされていて、70年代に、がん化能を失った変異がんウイルスRSVが、ヒト細胞に感染後、ホスト細胞のSrc遺伝子を獲得して、再びがん化能を示すようになることを示し、がんウイルスでの画期的なパラダイムをうち立てました。それから20年近くたって、私が大学院に入ったころ、花房さんのグループは多くのがん遺伝子がSrcと似た構造ドメインをもち、それがチロシンリン酸化異存性に蛋白に結合することを発見し、これらのSrcホモロジー(SH)ドメインが、チロシンリン酸化による蛋白相互作用に重要であることを示しました。というわけで、当時、Srcホモロジードメインという言葉は、駆け出しの分子生物学学生の間での流行語となりました。多分、そのころに、花房さんは文化勲章受賞を受賞されて、その受賞のニュースを医局の新聞で読んだ覚えがあります。その後、奥さんが亡くなり、ロッカフェラを辞めて阪大の研究所の所長となり、昨年まで勤めていたとありました。私にとっては、花房さんは、大学院をはじめたころに名前を聞いただけの人なのですが、若い大学院生の私にとっては、先端の分子生物研究の、いわば一つのアイコンでした。ちょうど、昔、音楽が好きだったころのジョンコルトレーンみたいな感じですかね。そんな若かった私の青春の一ページにあった花房さんの名前を訃報欄で見るというのは、寂しい経験です。若かった頃のことは昨日の様に感じるのですが、本当は、とっくに遠くに過ぎ去ってしまっているのだということを実感させられます。
この前の日曜日はイースターでした。去年か一昨年にも同じようなことを書いたと思うのですが、イースターには、必ず、チャールストンヘストンとユルブリンナーの映画、「十戒」がテレビで放映されます。映画は1953年製作ですから50年以上前の映画ですが、よくできていると思います。ユルブリンナーは随分前に死んだのは知っていましたが、チャールストンヘストンが亡くなったのは、実は昨年でした。古典的映画に出ていた俳優が、昨年まで存命していたことにむしろ、私はびっくりしました。華やかな映画の世界から引退して何年もの間、どのように毎日暮らしていたのだろうと想像しました。
それで、どこかで知った「十戒」ついてのユダヤジョーク。
十戒は、もともと五戒であった。神は最初、五戒をフランス人に与えようとして、訊いた。
「フランス人よ。汝に五戒を与えよう」
「神よ。それは、何ですか?」
「例えば、汝、姦淫するなかれ、このようなものじゃ」
それで、フランス人は、丁重に断った。
そこで、神は次にルーマニア人に言った。
「ルーマニア人よ。汝に五戒を与えよう」
「神よ。それは、何ですか?」
「例えば、汝、盗むなかれ、このようなものじゃ」
「結構です」
次に、神はアフリカ人に言った。
「アフリカ人よ。汝に五戒を与えよう」
「神よ。それは、何ですか?」
「例えば、汝、殺すなかれ、このようなものじゃ」
「いりません」
最後に、ユダヤ人に言った。
「ユダヤ人よ。汝に五戒を与えよう」
「神よ。それは、いくらですか?」
「もちろん、無料だよ」
ユダヤ人は喜んで言った。
「それなら、二倍にしてください」
この前の日曜日はイースターでした。去年か一昨年にも同じようなことを書いたと思うのですが、イースターには、必ず、チャールストンヘストンとユルブリンナーの映画、「十戒」がテレビで放映されます。映画は1953年製作ですから50年以上前の映画ですが、よくできていると思います。ユルブリンナーは随分前に死んだのは知っていましたが、チャールストンヘストンが亡くなったのは、実は昨年でした。古典的映画に出ていた俳優が、昨年まで存命していたことにむしろ、私はびっくりしました。華やかな映画の世界から引退して何年もの間、どのように毎日暮らしていたのだろうと想像しました。
それで、どこかで知った「十戒」ついてのユダヤジョーク。
十戒は、もともと五戒であった。神は最初、五戒をフランス人に与えようとして、訊いた。
「フランス人よ。汝に五戒を与えよう」
「神よ。それは、何ですか?」
「例えば、汝、姦淫するなかれ、このようなものじゃ」
それで、フランス人は、丁重に断った。
そこで、神は次にルーマニア人に言った。
「ルーマニア人よ。汝に五戒を与えよう」
「神よ。それは、何ですか?」
「例えば、汝、盗むなかれ、このようなものじゃ」
「結構です」
次に、神はアフリカ人に言った。
「アフリカ人よ。汝に五戒を与えよう」
「神よ。それは、何ですか?」
「例えば、汝、殺すなかれ、このようなものじゃ」
「いりません」
最後に、ユダヤ人に言った。
「ユダヤ人よ。汝に五戒を与えよう」
「神よ。それは、いくらですか?」
「もちろん、無料だよ」
ユダヤ人は喜んで言った。
「それなら、二倍にしてください」