百醜千拙草

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ハイチの地震、有害な新聞

2010-01-15 | Weblog
ハイチの地震の被害状況は情報が集まるにつれ日増しに拡大している様子で、心が痛みます。被害者の数からみると、阪神大震災に匹敵する規模のようです。
 20年ぐらい前、カリブのフランス語系クレオールの音楽に多少興味を持っていた時、ハイチの歌手(ミッシェル何とかという女性歌手、忘れてしまいました)のCDも手に入れて、聞いたことがあります。他のカリブのフランス語系音楽(マルティニークのマラヴォアとか、グアドループのズークマシ-ンとか)と違って、歌詞を見ているとラブソングよりもプロテストソングが多く、同じフレンチクレオールと言ってもちょっと趣きが違うなあ、と思ったのを覚えています。後に、同じ島で国境を接する隣国のドミニカ共和国出身の人と話をする機会があって、彼から、ハイチは武力政治の国で、そのため常に政情不安であったこと、また一般国民は極めて貧しいのだというようなことを聞きました。当然、都市のインフラなどにも全く投資が行われておらず、都市の構造が地震や天災に極めて脆弱であったことが、今回の災害を一層大きくしたものと考えられます。
 災害は弱者に尤も冷酷です。数年前は地層学者が、この地域の大規模地震の可能性を指摘していたそうですが、仮に地震の危険性が高いと分かっていたとしても、自給自足に近い貧しいハイチの人々に、一体何ができたでしょう。また、多くのハイチの人が外国へ出稼ぎに出て、ハイチの家族を養っています。地震で通信網が分断された状態でハイチの家族を心配する外国のハイチの人の気持ちを思うと、何ともいえません。
 復興は容易ではないことが予想されます。ハイチが世界でももっとも貧しい国の一つであり、自力で蘇る余力が乏しいことが何より大きいと思います。国民一人一人が自分のことで精一杯で、困っている隣人(それも数百万人の規模)を助ける力がないのです。諸外国からとりあえず約200億円ほどの金銭的支援と人的支援がされるようですが、長期的なサポートは難しいでしょう。阪神大震災の時も、弱者は立ち直る力がつく前に、社会はそうした人々のことを忘れてしまいました。復興は、結局は、ハイチの人自身に頼るしかないというのはその通りなのですが。

 最近の日本の新聞の記事はヒドいなあと見るたびに溜め息がでます。また小沢氏献金問題で特捜がガサ入れしたようですけど、この特捜の暴挙に対しての批判がマスコミからはまったく聞こえてきません。逆にあたかも小沢氏の有罪感を煽るような記事ばかりで辟易とします。
 産経は「与党の最高実力者の事務所に捜査のメスが入るというのは尋常ではない」と述べておきながら、だからこそ「特捜はおかしいのではないか」という一般人なら思う常識的な結論を無視して、「小沢氏が悪いことをやったに違いない」という民主党攻撃に都合の良い結論へ誘導しようとしています。まだ何が確定したわけでもないのに、「政治責任を問う声がでないのは不思議なことだ」と述べてありますが、これだけ子供騙しの屁理屈を捏ねれる方が私にはよっぽど不思議です。衆院選前に西松建設献金でガセネタをさんざん煽って、小沢氏が代表辞任したので、参院選に向けてまた同じ手で小沢氏の力を削ごうと考えてでもいるのでしょう。産経は最初から民主党攻撃という目的を持っていますから、産経の屁理屈のおかしい点をあげればきりがないのは当たり前ですけど、世間には、このように程度の低い新聞の低能記事でも、繰り返し聞いていれば、納得してしまう人もいるでしょうから、結構、有害だと思います。
 それにしても中立的立場に立って、物事を伝える報道者としての矜持をもったマスメディアは無いのですかね。検察もかなりおかしいと思いますけど、マスコミもそれに劣らず腐っています。国家権力を嵩にきたならず者が検察だとすると、マスコミはそのならず者の機嫌をとるタイコ持ちでしょう。検察の横暴、暴走は本当に日本の社会の害だと思いますが、そのタイコ持ちのゴミメディアも(多分、自分たちが社会の害だとう自覚はないのでしょうが、それだけに一層)有害だと思います。まもなく、大新聞はビジネスとしては成り立たなくなるでしょうから、これらのゴミメディアは消えて行くことになるでしょうが、去り際ぐらいは奇麗にしてもらいたいものだと思います。
コメント (2)
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