アメリカではテッドケネディーの死去に伴う、マサチューセッツ州の代議士補充選挙がこの火曜日に行われました。
この選挙がなぜ重要であったかといういうと、テッドケネディーの悲願であり、現在オバマ政権がhigh priorityとして取り組んでいるヘルスケア改革法案が無事実現するかどうかきわどい所だからです。この件に関しては、民主党と共和党は全く意見を異にしており、民主党は先進国で唯一国家的健康保険制度のないアメリカの医療制度を改善したいという点で一致している一方、共和党は全員一致で、この案が金がかかりすぎるという理由で反対しています。ここで、もしも民主党議員であったテッドケネディの後任が共和党員となった場合、この法案の採決が通らなくなる可能性がでてくるというわけです。歴史的に民主党の強いマサチューセッツで、州の司法長官のMartha Coakleyが早々と民主党候補として名乗りを上げました。一方、共和党からは無名に近いScott Brownが立候補。数ヶ月前の調査では二桁の差をあけてCoakleyがリードしていましたが、直前には、浮動票がBrown側に流れ、僅差となりました。火曜日の投票では、結局、5%以上の差でScott Brownが逆転勝ち、Coakleyと民主党にとっては痛恨の敗退となりました。
この構図は、先のアメリカ大統領選の民主党の予備選でのオバマとクリントンによく似ています。やり手の女性候補で知名度の高いCoakleyは、民主党の州であるマサチューセッツで、まさか無名のBrownに負けるなどとは思ってもいなかったでしょう。 一つの理由は、投票の前のしつこいぐらいのCoakleyのBrownに対するnegative campaignが、私は裏目に出たのではないのか、と思います。Coakleyは司法長官のエリート、パワーウーマンであり、官吏です。既にCoakleyの上から目線を感じていた州民は、非官吏で一般人代表のBrownに対するCoakleyのくどいnegative adを見て、嫌気を感じたのではないかと思います。即ち、民衆はこの選挙を、民主党と共和党の戦いと見ず、官と民の戦いと見てしまったのではないかと思うのです。それで浮動票が民の代表と見たBrownに流れたのではないかと想像します。
とすると、これはCoakley側の選挙戦略担当者の大失敗でしょう。Coakley側は、なぜここで民主党員であるCoakleyが選ばれることが、マサチューセッツの州民にとって大切かをもっとアピールするべきでした。特に終盤、「Brownは共和党だからダメだ」というような意味の無い攻撃キャンペーンに終始したのは愚かでした。
ヘルスケア改革は、もし実現すれば、アメリカの歴史で奴隷解放に匹敵する歴史的出来事であると、私は思います。その成立が危ぶまれています。いずれ、ヘルスケア改革はなされることになると思いますが、その実現へ向けての民主党政権の一つの挫折であることには違いありません。
翻って、日本では、小沢氏、検察の事情聴取に応じる意向とのニュース。
本当でしょうか?本当だとしたら不可解です。小沢氏の作戦は何なのでしょうか?
検察がしつこく事情聴取を要請し、マスコミや自民党議員らがXXの一つ覚えのように、説明責任、説明責任と連呼してきたのは、「小沢氏が事情聴取を受けた」という事実を作るということそのものが目的でした。 角栄、金丸と自分の師の検察による失脚劇を間近に経験している小沢氏に検察の目的が読めない筈がありません。「事情聴取を受けた」という事実を宣伝するだけで、小沢氏への一般国民への疑惑を増幅できます。鈴木宗男氏の場合も形だけの事情聴取を受けた後に、マスコミを使って民意誘導し、そして逮捕まで突き進みました。つまり「事情聴取」というのは、その事実を、マスコミを使って針小棒大に宣伝し、あたかも有罪の線が強いような印象を国民に与え、その上で小沢氏の逮捕もやむを得ないのではないか、というような雰囲気の世論につくり出し、無理筋にでも、小沢氏失脚を狙いたい検察の見え見えの布石なわけです。そもそも、このような犯罪性すら明らかでない疑惑で、国会中に与党の最高実力者の現職議員をそう簡単に逮捕できる訳がありません。多分、ここでも「逮捕状が出せそうだ」という状況さえつくり出せればよいと考えているわけで、実際に逮捕したり起訴して有罪判決へもっていくことが目的ではなくでしょう。あくまで、小沢氏の政治家としての失脚が達成できればよい、そう考えているから検察は、マスコミを利用し、姑息で卑怯な手段を用いるのをためらわないのです。この時点における「事情聴取」というのはそういう一連の姑息な陰謀の一手なわけで、それに、ホイホイと小沢氏が乗るワケがないと思うのです。
一方、検察の方もここまでやるということは、かなり追いつめられているのは間違いないでしょう。おそらく、検察は、前回の西松事件が空振りになりそうだという焦りに焼け付く思いであろうと思います。今回の石川議員の逮捕は、多分、「毒を喰らわば皿まで」の心境で、やったに違いありません。いわば、自爆テロを行うと同様で、半ばやぶれかぶれで闇雲に刃物を振り回しているようにも見えます。
検察はもう既にキチガイの閾に達しつつあると思います。死にものぐるいの狂気でしょうか。検察は「やらねば、やられる」と思っているのではないでしょうか。それでは、もしこの小沢氏失脚計画が失敗した場合、一体、検察は誰を恐れているのでしょう?ネットの情報を総合してみると、小沢氏失脚に失敗した場合、検察が恐れているのは小沢氏や民主党ではなく、むしろ検察の裏にいる連中のようです。 この点で、検察の歴史的な設立経緯とアメリカとの繋がりを以て、小沢氏がなぜ検察に狙われるのかを考察している記事は興味深いです。一読をおすすめしたいと思います。
この記事の示唆するところが真であるとすると、どうして鳩山氏や小沢氏がこれほどの検察の露骨な攻撃にあっていながら、与党となってからは、その検察批判をむしろ和らげて来ているのかが見えてくるような気がします。つまり、鳩山氏も小沢氏もおそらく、検察の後ろにいる連中の思惑は十分に知っていて、検察が利用されているだけであると見ているのでしょう。だから、おそらく、検察批判をして、検察の連中を追い込むことを避けている、そのように見えます。検察のみを断じて、その背後の巨悪を手つかずで逃すわけにはいかないと考えているのではないでしょうか。
それでは、小沢氏の検察事情聴取を受諾の意図は何でしょう。あるいは、このニュースそのものが、例によって「関係者」がでっち上げた、単に小沢氏の挑発目的のガセネタである可能性もありそうです。ネットの新聞では、この情報も「関係者によると」という信頼性のない不明ソースから得たような書き方になっています。一体誰ですかね。ニュースソースを明らかにするのは報道の「いろは」でしょうに。
ある人によると新聞に「関係者」としか書いていない場合のニュースソースは検察なのだそうです。「検察関係者」と書くと、検察の守秘義務の違反がバレるので(すでにバレてますけど)立場上、新聞はそう書けないのだそうです。これも、検察が「23日ごろに事情聴取できたらいいな」とか言った勝手な希望をゴミメディアが脚色して、「事情聴取の予定」と書いただけのことなのかも知れません。
しかし、この話が本当で、もし小沢氏が聴取を受ける意向であるならば、どうでしょうか?囲碁が趣味の小沢氏、局面を多角的に分析してかなり深く読んでいるいるのは間違いないし、検察の意図は透け透けに見えているはずです。その検察のワナにわざわざ乗るというならば、あるいは、驚くようなどんでん返しが用意されているのかもしれません。検察を逆にうまく抱き込んで、その背後の陰謀の退治に使おうというような構想でもあるのでしょうか。そうなら、これは肉を切らせて骨を断つ壮大な戦略の一部なのかも知れません。相手を囲ったと思った検察が、実は、小沢氏の構想を読めずに、逆に囲まれていた、そんなことが起こると面白いのですけど。
いずれにせよ、私は、この手の陰謀論や権力争いのレベルで政治が語られるという低レベルの話が嫌いです。床屋政談には面白いかもしれませんけど、そんなレベルで国の政治をやられたのではいつまで経っても日本や世界は良くならんです。
この選挙がなぜ重要であったかといういうと、テッドケネディーの悲願であり、現在オバマ政権がhigh priorityとして取り組んでいるヘルスケア改革法案が無事実現するかどうかきわどい所だからです。この件に関しては、民主党と共和党は全く意見を異にしており、民主党は先進国で唯一国家的健康保険制度のないアメリカの医療制度を改善したいという点で一致している一方、共和党は全員一致で、この案が金がかかりすぎるという理由で反対しています。ここで、もしも民主党議員であったテッドケネディの後任が共和党員となった場合、この法案の採決が通らなくなる可能性がでてくるというわけです。歴史的に民主党の強いマサチューセッツで、州の司法長官のMartha Coakleyが早々と民主党候補として名乗りを上げました。一方、共和党からは無名に近いScott Brownが立候補。数ヶ月前の調査では二桁の差をあけてCoakleyがリードしていましたが、直前には、浮動票がBrown側に流れ、僅差となりました。火曜日の投票では、結局、5%以上の差でScott Brownが逆転勝ち、Coakleyと民主党にとっては痛恨の敗退となりました。
この構図は、先のアメリカ大統領選の民主党の予備選でのオバマとクリントンによく似ています。やり手の女性候補で知名度の高いCoakleyは、民主党の州であるマサチューセッツで、まさか無名のBrownに負けるなどとは思ってもいなかったでしょう。 一つの理由は、投票の前のしつこいぐらいのCoakleyのBrownに対するnegative campaignが、私は裏目に出たのではないのか、と思います。Coakleyは司法長官のエリート、パワーウーマンであり、官吏です。既にCoakleyの上から目線を感じていた州民は、非官吏で一般人代表のBrownに対するCoakleyのくどいnegative adを見て、嫌気を感じたのではないかと思います。即ち、民衆はこの選挙を、民主党と共和党の戦いと見ず、官と民の戦いと見てしまったのではないかと思うのです。それで浮動票が民の代表と見たBrownに流れたのではないかと想像します。
とすると、これはCoakley側の選挙戦略担当者の大失敗でしょう。Coakley側は、なぜここで民主党員であるCoakleyが選ばれることが、マサチューセッツの州民にとって大切かをもっとアピールするべきでした。特に終盤、「Brownは共和党だからダメだ」というような意味の無い攻撃キャンペーンに終始したのは愚かでした。
ヘルスケア改革は、もし実現すれば、アメリカの歴史で奴隷解放に匹敵する歴史的出来事であると、私は思います。その成立が危ぶまれています。いずれ、ヘルスケア改革はなされることになると思いますが、その実現へ向けての民主党政権の一つの挫折であることには違いありません。
翻って、日本では、小沢氏、検察の事情聴取に応じる意向とのニュース。
本当でしょうか?本当だとしたら不可解です。小沢氏の作戦は何なのでしょうか?
検察がしつこく事情聴取を要請し、マスコミや自民党議員らがXXの一つ覚えのように、説明責任、説明責任と連呼してきたのは、「小沢氏が事情聴取を受けた」という事実を作るということそのものが目的でした。 角栄、金丸と自分の師の検察による失脚劇を間近に経験している小沢氏に検察の目的が読めない筈がありません。「事情聴取を受けた」という事実を宣伝するだけで、小沢氏への一般国民への疑惑を増幅できます。鈴木宗男氏の場合も形だけの事情聴取を受けた後に、マスコミを使って民意誘導し、そして逮捕まで突き進みました。つまり「事情聴取」というのは、その事実を、マスコミを使って針小棒大に宣伝し、あたかも有罪の線が強いような印象を国民に与え、その上で小沢氏の逮捕もやむを得ないのではないか、というような雰囲気の世論につくり出し、無理筋にでも、小沢氏失脚を狙いたい検察の見え見えの布石なわけです。そもそも、このような犯罪性すら明らかでない疑惑で、国会中に与党の最高実力者の現職議員をそう簡単に逮捕できる訳がありません。多分、ここでも「逮捕状が出せそうだ」という状況さえつくり出せればよいと考えているわけで、実際に逮捕したり起訴して有罪判決へもっていくことが目的ではなくでしょう。あくまで、小沢氏の政治家としての失脚が達成できればよい、そう考えているから検察は、マスコミを利用し、姑息で卑怯な手段を用いるのをためらわないのです。この時点における「事情聴取」というのはそういう一連の姑息な陰謀の一手なわけで、それに、ホイホイと小沢氏が乗るワケがないと思うのです。
一方、検察の方もここまでやるということは、かなり追いつめられているのは間違いないでしょう。おそらく、検察は、前回の西松事件が空振りになりそうだという焦りに焼け付く思いであろうと思います。今回の石川議員の逮捕は、多分、「毒を喰らわば皿まで」の心境で、やったに違いありません。いわば、自爆テロを行うと同様で、半ばやぶれかぶれで闇雲に刃物を振り回しているようにも見えます。
検察はもう既にキチガイの閾に達しつつあると思います。死にものぐるいの狂気でしょうか。検察は「やらねば、やられる」と思っているのではないでしょうか。それでは、もしこの小沢氏失脚計画が失敗した場合、一体、検察は誰を恐れているのでしょう?ネットの情報を総合してみると、小沢氏失脚に失敗した場合、検察が恐れているのは小沢氏や民主党ではなく、むしろ検察の裏にいる連中のようです。 この点で、検察の歴史的な設立経緯とアメリカとの繋がりを以て、小沢氏がなぜ検察に狙われるのかを考察している記事は興味深いです。一読をおすすめしたいと思います。
この記事の示唆するところが真であるとすると、どうして鳩山氏や小沢氏がこれほどの検察の露骨な攻撃にあっていながら、与党となってからは、その検察批判をむしろ和らげて来ているのかが見えてくるような気がします。つまり、鳩山氏も小沢氏もおそらく、検察の後ろにいる連中の思惑は十分に知っていて、検察が利用されているだけであると見ているのでしょう。だから、おそらく、検察批判をして、検察の連中を追い込むことを避けている、そのように見えます。検察のみを断じて、その背後の巨悪を手つかずで逃すわけにはいかないと考えているのではないでしょうか。
それでは、小沢氏の検察事情聴取を受諾の意図は何でしょう。あるいは、このニュースそのものが、例によって「関係者」がでっち上げた、単に小沢氏の挑発目的のガセネタである可能性もありそうです。ネットの新聞では、この情報も「関係者によると」という信頼性のない不明ソースから得たような書き方になっています。一体誰ですかね。ニュースソースを明らかにするのは報道の「いろは」でしょうに。
ある人によると新聞に「関係者」としか書いていない場合のニュースソースは検察なのだそうです。「検察関係者」と書くと、検察の守秘義務の違反がバレるので(すでにバレてますけど)立場上、新聞はそう書けないのだそうです。これも、検察が「23日ごろに事情聴取できたらいいな」とか言った勝手な希望をゴミメディアが脚色して、「事情聴取の予定」と書いただけのことなのかも知れません。
しかし、この話が本当で、もし小沢氏が聴取を受ける意向であるならば、どうでしょうか?囲碁が趣味の小沢氏、局面を多角的に分析してかなり深く読んでいるいるのは間違いないし、検察の意図は透け透けに見えているはずです。その検察のワナにわざわざ乗るというならば、あるいは、驚くようなどんでん返しが用意されているのかもしれません。検察を逆にうまく抱き込んで、その背後の陰謀の退治に使おうというような構想でもあるのでしょうか。そうなら、これは肉を切らせて骨を断つ壮大な戦略の一部なのかも知れません。相手を囲ったと思った検察が、実は、小沢氏の構想を読めずに、逆に囲まれていた、そんなことが起こると面白いのですけど。
いずれにせよ、私は、この手の陰謀論や権力争いのレベルで政治が語られるという低レベルの話が嫌いです。床屋政談には面白いかもしれませんけど、そんなレベルで国の政治をやられたのではいつまで経っても日本や世界は良くならんです。