百醜千拙草

何とかやっています

検察のけもの道

2010-01-26 | Weblog
小沢氏、検察の事情聴取を受けました。検察はあいかわらず汚い手を使い、聴取直前に右翼団体に小沢氏を刑事告発させ、それをもって、小沢氏を「被疑者扱い」とし、黙秘権を与えて、聴取しました。先走った産経新聞は、一時、小沢氏を「小沢容疑者」として記事に発表し、非難を受けて、その記事は削除されました。
 このやりかたは、以前からの国策捜査で、ターゲットを「嵌めていく」やりかたと同じです。ゴミメディアは、この被疑者扱いでの事情聴取をもって、今度は、「政治責任、政治責任」とまた意味も知らない言葉を連呼してました。しかし、週明けの今日、メディアの調子は低調なようです。この事情聴取も国民が冷静で思ったほど効果がなく、ヘタに煽ると却って反発を買うとでも判断したのでしょうか。
  事情聴取のあと、小沢氏は早速会見を開き、事情聴取の内容を明らかにし、あらためて事件性のないことを述べました。この会見が広く報道されたのは良かったと思います。このことによって、多少は検察のでっちあげのリーク情報にブレーキがかかるでしょう。
  さて検察、次はどうするのでしょうか。負けを認めて、正々堂々と自己批判できるような連中ではないでしょう。追いつめられて、またやみくもに刃物を振り回すのでしょうか?どうしてもこの件で起訴困難となれば、おそらく、小沢氏の後をまた付け回して、また秘書や関係の人の別件逮捕を繰り返そうとするのかも知れません。

ところで、官僚組織という序列式の組織では、トップが腐れば、組織そのものが腐ってしまうようです。
  最近、複数のサイトが、検察の組織的な裏金作りを告発したために不当逮捕、有罪とされた元検事の三井環氏が2006年に行った講演について取り上げています。そのソースはこれのようですが、この話によると、現在の検察と自民党との腐った関係は、この三井氏の検察の告発に端を発しているようです。検察が民主党よりももっと悪質かつ高額の自民党議員の不正献金には一切、手を出さず、なぜ、民主党ばかりを標的にしているのかわかります。これが今の国策捜査の動機であるとすると、検察というのはどうしようもないゴミです。そう言えば、去年の西松事件の時も、西松から多額の献金を受けていた自民党議員は大勢いたのに、前内閣の漆間官房副長官が「自民党には捜査は及ばない」とうっかり口を滑らせて騒ぎになったことがありました。なるほどと腑に落ちました。
  小沢氏に対する国策捜査とゴミメディアを使った情報操作は民主主義の冒涜であり、国家権力を使って国民をコントロールし、私欲を追求しようとする腐った官吏の暴力です。検察は暴力団の親玉と言われていますが、やっていることはまさに暴力団そのものです。これは民主党と自民党という政治の対立ではなく、特定政党と結びついて民主主義を破壊しようとする官と一般国民の戦いであると解釈されなければなりません。検察、警察は、彼らの気に入らない人間は誰でも暴力によって弾圧できるということです。事実、数多くの警察、検察側の意図的な冤罪事件(つい最近では高知の白バイ事件で警察に濡れ衣を着せられ、実刑判決となった事件が思い出されます)が後を絶ちません。裁判所もどうもグルのようです。
  日本が、こんな不条理が通ってしまうような前近代の国であっては、少なくとも先進国からは相手にするに値しない野蛮な国だと思われることでしょう。

 その三井氏の講演内容ですが、引用元が長いので、一部だけを、転載したいと思います。

(転載)
話は戻りますが、3月末にそういうかたちで(注:検察の裏金作りについて)刑事告発しました。そして、その3月末頃の情報では、当時大阪地検の検事正だった加納駿亮氏が高松高検検事長になるということが事実上内定していたんです。
 検事長人事というのは内閣の承認がいります。法務当局はどうしたのかと言いますと、当時は高村法務大臣ですが、高村法務大臣にはこの告発の事実を隠していたんです。隠したまま、「加納氏を高松高検検事長に」という上申を高村法務大臣にしたんです。そして、4月23日がその内示予定だったんです。
 その直前に川上氏が高村法務大臣の秘書官に告発状を全部持って、会いに行ったんです。そこで初めて、この事実が高村法務大臣の知れるところとなった。そのために、加納氏の人事は先送りです。
  この時期、4月28日の政変で森総理から小泉総理に代わりました。法務大臣は森山真弓に代わりました。それでもまだこの人事をあきらめきれずに、法務当局は交渉した。しかし、連休明けの5月7日、結論は先送りになったんです。加納氏の1期下の宗像(むなかた)氏が高松高検検事長になった。これが5月の人事です。ここまではいいんです。
  次に、その年の11月15日に福岡高検検事長が定年で辞めることになったんです。この時も、やはり森山法務大臣です。今度は、法務省は福岡高検検事長に加納氏を上申したんです。しかし、(大臣は)なかなか難色を示して、どうにもならなかったんです。そこでどうしたのかと言いますと、検察・法務当局は困ったんでしょう。いわゆる「けもの道」を通ったんです。
  「けもの道」というのは私が付けた名前ですけれども、当時の原田明夫検事総長、事務次官の松尾邦弘、刑事局長の古田佑紀、古田は後藤田正晴氏が法務大臣だったときの秘書官だった人間です。その3人がそろって、10月26日だったと思いますが、東京・麹町の後藤田事務所を尋ねました。そこには後藤田元法務大臣と秘書官がいました。
  それで、彼らは「加納の検事長人事を内閣で承認してくれないと検察が潰れます」と泣きを入れたんです。潰れるというのは、検察の裏金問題が表ざたになるという意味だと思います。当時は、週刊文春とか週刊朝日がすでに裏金問題を報じていました。そして、(後藤田氏は)小泉の秘書官の飯島に電話連絡しました。そして、その日の会談はそれで終わって、翌日、小泉に原田検事総長が直談判をした。そこで事実上、加納の検事長人事が承認されました。正式な閣議は11月13日なんです。そこで正式に承認されました。
  こんなことをしたらどうなりますか。「検察が内閣に借りを作る」という一番やってはならないことをやったんです。内閣の助けを求めた。こんなことをしてしまったら、内閣を構成している大臣クラスを事件にはできません。ここまでやるんです。
  「国策捜査」は昔からありましたが、私は、ここが最近の国策捜査の原点だと思っています。例えば、内閣の誰かを逮捕できるような事件があったとします。そしたら、小泉が「裏金どうするの?」と言う、それだけでいいんです。事件にできません。できるはずがないんです。後藤田さんはもう亡くなりましたけれども、この事実は彼の秘書から聞いた話なんです。
  本来、検察というところは真実を明らかにするところなんです。加納の事件は、この直後に「嫌疑なし」になりました。「真っクロ」なのを「真っシロ」にしてしまったのです。内閣にとってみたら、加納の刑事告発が残ったままでは承認できません。それでは内閣の責任になります。「真っシロ」なんだという判断が下っていれば、内閣の責任ではないんです。
  刑事告発事件で「真っクロ」であるものを「真っシロ」にしてしまった、これは検察の原点の崩壊です。これが1点。もう1点は、最もしてはいけないことをしてしまった。内閣を利用してしまった。その2点なんです、私が義憤を感じたのは。それから先は義憤だけです。加納のことは頭にありませんでした。
  そして、この問題を追及するために私が協力を求めたところは、やはりマスコミと政治家です。それからは、マスコミにずっと会ってきました。政治家では、民主党の管直人。彼には大阪の財界人を通して3回ほど会ってもらって「了解」を得ました。「了解」というのは法務委員会でこの問題を追及するということです。
  新聞では朝日新聞東京本社の落合博実さん。最終的には4月18日に心斎橋の日航ホテルで会って最終了解を得た。その内容は、5月の連休明けに朝日新聞東京本社が裏金問題を1面トップで報道する。社会面では、私が実名のまま1問1答形式で答える。そういう方法です。そして、NHKとか他の新聞社は、「朝日が書くのなら後追いします」ということを言った。
  そして、管直人氏の方は朝日新聞の記事を持って法務委員会で追及する。そして、その過程で私を参考人招致して、私が証言する。そして、私が国会で記者会見して、検事のバッチを外して辞める。そういう段取りが全部できあがっていたんです。それが4月18日です。  そして、4月22日に何があったのかと言いますと、その日の昼から「ザ・スクープ」の鳥越俊太郎さんが大阪に来て、裏金問題についての取材・収録の予定だったんです。あとは、4月24日に大阪の毎日テレビの取材・収録の予定がありました。 4月22日。昼に「ザ・スクープ」の取材・収録をするその日の朝、私は8時半頃任意同行をされて、何の弁解も聞いてもらえずに逮捕された。これが第1次逮捕なんです。
  これがもし、私を逮捕していなかったらどうなっていたと思いますか?その予定通り進みますと、朝日新聞東京本社が報道する、管直人氏が法務委員会で追及する、私が証人として出廷し証言してバッチを外す。これは、外務省の機密費どころの話じゃないんです。
  まず、当時の現職検事70名が辞めなければいけない。検事総長ももちろん、森山法務大臣も辞めなければならない。それだけではありません。引退したOB連中、何人生きているか知りませんけれども、1000人くらいはいるでしょう。その人たちもみんな勲章を剥奪(はくだつ)されます。使った金を返さなければいけません。当然、国民から刑事告発を受けます。そうなれば、一時検察機能が麻ひします。私を逮捕しなかったらそうなっていたんです。だから相手も必死だったんです。
  その辺のことを考えてもらえば分かると思います。検察の置かれた立場、検察の組織的な裏金作り、これは事実です。それを隠蔽(いんぺい)するということです。仮に、私がもう少し早く公表しておればこの逮捕はなかったんです。逮捕できません。5月の連休を挟むと報道が途切れるから公表を連休明けにしたんです。それをもっと前にすれば、私の逮捕はなかった。
  裏金というのは、国民の血税なんです。にもかかわらず、こんなことまでするんです、検察は。確かに、検察はちゃんとしたこともやってきました。国会議員を逮捕したりして、ある程度は国民の期待に応えてきました。しかし、自らが犯罪者になるとこんなことまでやるんです。これが許せますか?  最近の国策捜査の原点はその「けもの道」なんです。10月の末に裏金問題で内閣を利用したことです。それから何がありましたか。  鈴木宗男の逮捕がありました。昔は、贈賄者が時効になった事件では逮捕しなかったんです。時効になればいくらでも自由に話ができるじゃないですか。しかし、鈴木宗男の事件では、本来目的としていた事件では逮捕できずに、昔の事件についてのみで逮捕起訴した。捜査の失敗です。
  それから、社民党の辻元議員の問題もありました。あれは衆議院総選挙前にやられたんです。その2年くらい前に彼女の議員秘書の問題は発覚していたんです。全部、弁償しました。なのにそれを総選挙前にやられて、社民党はどうなったと思いますか。事実上崩壊したじゃないですか。これが、内閣(自民党)指導による国策捜査なんです
  最近は、ホリエモン(堀江貴文・前ライブドア社長)とか、経済犯罪の方に特捜部は向かっておりますけれど、そうやっている限りは10月末のその問題、「けもの道」は問題になりません。  私の予測では、小泉が辞めても自民党内閣が続く限りは自民党の大臣クラスは事件にできないでしょう。「けもの道」が平成13年の10月の末でしょう。そこから現在までの5年間で東京地検特捜部がやった事件を見てもらったら分かります。誰もやっていません。できないのです。
 (中略)
そして、問題は裁判所なんです。最近の裁判所というのは、逮捕状でも勾留状でも〝自動販売機〟なんです。チェックしないんです。そして、裁判そのものが最近おかしいです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする