百醜千拙草

何とかやっています

Jobs氏のこと、胡氏のこと

2011-01-21 | Weblog
アップルのSteve Jobs氏、病気療養のために仕事を離れるというニュースで、アップルの株価がいきなり10%近く落ちたという話。Jobs氏のカリスマですね。確か、膵臓がんで手術を受けたと覚えているのですが、ならばJobs氏はまた戻ってこれるのだろうかと思ったりします。私もずっとアップルですが、私より上の年代の実験生物研究者はきっと皆、そうでしょう。当時はパソコンといえばアップルしかありませんでした。私が自分のclassicを初めて手に入れたころは、DOSマシンではWindows 3.1がありました。私も一台手に入れて、アップルと平行して使っていました。Windows 3.1は、機能的にはなかなか良かったと思いますが、何と言ってもアップルに比べると、洗練されていませんでした。アップルの物まねですからやむを得ません。未だに私はアップルに比べるとWindowsのGUI環境は劣っていると思います。そしてDOSを内蔵したWindows OS, Windows 95になって、見た目はちょっとましになりましたが、3.1よりも重く、実用的でなくなって、私は以来、Windowsマシンを見切ってしまい、Windowsマシンを自分のメインのパソコンとして使ったことはありません。パソコンはワープロ、エクセル、プレゼンテーションと画像処理ができて、インターネットに繋がればよい、というレベルの私のようなユーザーにとっては、多少、処理能力が遅くても実用で困る事はありませんし、多少値段が高くても半年おきに買い替えるようなものでもないので、アップルで十分満足しています。
 フォーレスト ガンプの中で、アップルの株で大もうけしたが、ガンプ自身はコンピューター会社だとは知らず、フルーツ会社に投資していたと思っていた、というような話があったと思います。素人が使える「パソコン」というものを作り上げたアップルの初期の大躍進はそれほど画期的でした。その後、Windowsの台頭とインターネットのためにWindowsに苦戦を強いられた時期がありました。アップルはどうなるのだろう、とアップルユーザーが心配していたころ、iPodで大ブレークして、今日のアップルの繁栄を取り戻しました。聖書のヨブ記では、サタンと取引する神がJobの信仰を試すために様々な理不尽な試練を与えますが、揺るがない信仰によってJobは最後には祝福されることになっています。アップルのJobsも自分の会社の社長を解任されたり、Windowsとinternetの台頭で苦境に立たされたりしましたが、それを耐えて、元祖パソコンメーカーとしてのアップルの現在の繁栄をもたらしました。アップルにとってJobsのカリスマは企業戦略上も極めて重要でした。ここでJobsが病気療養に入り、そのままアップルから去って行くことになった場合、アップルはどうするのでしょうか。第二のJobsを探そうとするのでしょうか、興味深いです。

中国、胡主席、昨夜はホワイトハウスでのディナーで歓待を受けました。ディナーにはジャッキーチェンやミッシェルクワン、ヨーヨーマなど中国系有名人も招かれましたが、中国の経済政策と人権問題を批判する共和党議員は出席を拒否したそうです。オバマは、飛行機や自動車、ソフトウェアなどを(中国に)売りたい、(それで二万以上の職が増える)と対中輸出の増加をアピール。一方、中国には中国の事情があり、その膨大な人口を養っていくために、日本の様にホイホイと何の戦略もないままアメリカの要求を丸呑みするようなことはしません。中国はアメリカのドル安政策に対抗して人民元切り上げに抵抗してきていますが、昔の日本同様、輸出で稼がねばならない中国にとっては当然のことで、アメリカ共和党が批判できるようなことではないでしょう。世界の文字通り二大大国の関係は極めて複雑であり、切羽詰まっているアメリカは利用できるものは何でも利用しようとするでしょう。日本が対中国対策に利用されることになって中国と対立するようになることは避けなければなりません。

ワシントンポストなどのインタビューで、胡主席は、ドルを基軸とした国際通貨体制は見直されるべきだとの見解を改めて表明。中露間の貿易にはドルを使わないという協定は既にしばらく前に発効されたと思います。フランスもドル基軸からの転換を主張、日本同様、アメリカ国債を大量に抱える中国がドル基軸の見直しを公言するということは、中国は今後はアメリカ国債を放出していくつもりなのでしょうか。もしもそうなら、アメリカの属国の日本は、塩漬けになっていて売る事ができないアメリカ国債が紙くずとなっていくのをなす術もなく眺めながら、アメリカと一緒に沈んでいくことになるのでしょう。
 空きカン一味が国民に背を向けて、アメリカと官僚組織の機嫌取りをして、TPPだの増税だの日米同盟だのを無条件で進めて、日本国民を地獄へ叩き落とそうとしています。止めなければなりません。
ところで、TPPについての最近の解説、「TPPはトロイの木馬──関税自主権を失った日本は内側から滅びる」(http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_5.html)が秀逸と思いましたので一読をおすすめします。TPPに関して思うのは、慎重論、反対論者の理屈は論理的で筋が通っているのに、空きカン一味を始めとする賛成論者の理屈は、論理がなく、感情的で説得力が無いということです。空きカンは、TPPは「平成の開国だ」(開国だからよいことだ)という思考停止状態。そもそも明治の開国も、貿易の不平等な押しつけであって、それが是正されるまでどれほどの年月と努力が必要であったか知っているのでしょうか。新聞、マスコミに至っては、TPPに「乗り遅れるな」というレベルの論調。TPPはバスですか?乗り遅れたら何か悪い事でも起こると思っているなら、その理由を論理的に説明するのが筋であって、感情的に国民を愚民と見なして煽動しようとするのは剣呑です。この辺は、小泉氏が、「改革を止めるな」「郵政民営化は改革だ」「改革は善だ」と叫んで、郵政民営化の危険も内容も十分説明もしないまま、このふざけた三段論法で、改悪を行って、日本の社会をズタズタにしたのと同じ手です。空きカン一味とバックのアメリカ-官僚組織は、同じ手がまた通用するとでも思っているのか、バカの一つ覚えのように、ワンフレーズでの国民煽動を行っていて、鼻白みます。「平成の開国」、このキャッチフレーズのバカバカしさと気持ち悪さに鳥肌が立ちます。今度は、国民は同じ手では騙されてはいけません。Fool me once, shame on you; fool me twice, shame on me. 今度も、このドアホの空きカンに小泉と同じ手で騙されるようなことがあれば、今度は、騙された方の責任の方が大きいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする