百醜千拙草

何とかやっています

まともに考えるともう目も当てられないですから、日々をたんたんと過ごすしかない

2013-10-11 | Weblog
学会から帰ってきました。疲れましたが、普段あわない人と会って話したり、業界のトレンドを感じたり、とそれなりに有意義でした。経済不調を受けて、企業からの協賛の低下、参加者の減少、と一時の隆盛を思い出すと、寂しさを感じます。一方、中国からの発表は随分増えてきました。内容は玉石混交です。発表技術に難があることが多いので、折角の研究内容が伝わっていないと思うことが多くありました。一昔前の日本のような感じでしょうか。日本からの演題は、言葉の問題は中国同様ですが、スライドがきれいなので、スライドだけでだいたい分かります。
 また、アメリカ政府の一部閉鎖を受けて、アメリカの政府関係者は学会に参加することができず、多くの演題が取り消されたり、セッションそのものが消滅するという前代未聞の事態にもなりました。少し前にあった別の学会では、アメリカ政府関係者は遠路はるばる学会出席のためにやってきたのに、政府機能閉鎖が確定した途端に出席できなくなり、会場を目の前にして引き返したという話も聞きました。e-mailでさえチェックできないのだそうです。この融通の利かなさというかバカさ加減は日本なみです。

という訳で、世間から離れていたこの一週間でした。世間もいろいろ不安材料が多いです。つい先日、アメリカが新100ドル札の流通を開始しましたが、これをアメリカのデフォルトの計画の一部だと考える人もあります。(私は、多分、無関係だと思います)アメリカのデフォルトの危険というのも相当大きな問題ですが、やはり、フクシマ原発事故ほどではないと思います。下のブログサイトでフクシマ原発作業員の人のインタビューを知りました。大変、興味深いですが、一般日本人はどれぐらい、事の深刻さを知っているのだろうか、と思わずにはおれません。朝鮮日報の「嫌気がさすほどいらだたしい日本人の冷静さ」というコラムでは、これだけの災害を出して収束の見込みもない放射能事故をおこし、世界と国民に被害を与えた国と東電から逮捕者も出ず、責任者もとらない一方で、福島産の海産物を人々が普通に買っていく、という異常な(異常としか言いようがないです)日本について不満が示されています。日本人は全てをわかっていて冷静なのか、あるいは日本の情報隠蔽技術が高くで、国民はこの放射線事故が前人未到の領域に突入しつつあるということを理解していないぐらいなにも分かっていないのか、どちらなのでしょうか。新聞はノーベル賞や芸能ニュースで紙面を埋めているようですが、それを見ていると国民はやはりバカにされているのだなあと思わずにおれません。バカにされてもバカにされていることがわからないのか、あるいは単に大人しいのか、その辺もわかりませんが、いずれにしても現時点では、赤信号をみんなで渡って全滅する方向に向かっているのは間違いなさそうです。

ごく一部を抜粋してみましたが、是非、原文をお読みください。

福島 フクシマ FUKUSHIMA 津波被害と原発震災に立ち向かう人々とともに
汚染水より深刻  使用済み核燃料の取り出し ――収束作業の現場から

汚染水の情報もコントロールされていましたね。

草野:私の見方だけど、東京電力の方は、政府に泣きを入れていたと思うんです。「情報を抑えるのも、汚染水を抑えるのも、これ以上無理」と。でも、政府は「ちょっと待て。選挙控えているんだ。選挙終わったら何とかすっから」と。
 まあ、本当は最初から漏れているんですけどね。だってコンクリートなんかガタガタに亀裂が入っているわけですから。
 だけど、今いちばんの優先事項は、オリンピックのため、アベノミックスのために、安全神話で情報をコントロールすることなんです。人間の命なんか、どうでもいいという考え方があるとしか思えません。
____

草野:ひとつは、今言ったように、原発のことをわかっている人間は入れたくないという感じがかなりあります。
 それから、昔からの原発関係の会社に比べて、ゼネコンの方が請負の単価が安いという事情はあるでしょうね。
 ゼネコンにとってはおいしい仕事です。降りて来た金を黙って自分たちのところで回せばいいわけだから。要するに公共事業ですから。名前は収束作業だとか言っていますが、単なる公共事業だと思っているんですよ、彼らは。

――ゼネコンが主役ということですが、そうすると、東京電力は何を?記者発表をしているのはいつも東京電力ですが。

草野:もともと東京電力には何の技術もありません。東京電力はただの管理会社なんです。書類を見てハンコを押すだけ。

――収束作業の全体の状況を伺います。汚染水対策というのは、前に進むというより、後退を強いられているような事態では?

草野:そうですね、いわば負け戦です。
 
――そうすると、現場は必死という感じですか?

草野:いや、それが、現場は意外と必死ではないんです。まともに考えるともう目も当てられないですから、日々をたんたんと過ごすしかないわけです。

――溶融した核燃料の取り出し開始を前倒しにするという工程表の発表〔今年6月〕もありましたが。

草野:あれは工程表ではなくて、全くの希望ですから。工程表と呼べる代物ではありません。
 収束作業は、実質的には、まだ、始まってないという状況でしょう。燃料が溶けたり、再臨界したりしないように、冷やすしかないわけです。それ以外は何もできない状態です。だから、周りを片づけたり、環境を整える作業をしているしかないのです。 
 ところが、そうしていたら、汚染水が管理できなくなって、水で冷やすというやり方自体が、限界にきていしまったわけです。
 それから、溶けた核燃料を取り出すという話ですが、それ自体、ほとんど無理ではないでしょうか。鉛で固めてしまう方がまだいいのではないかと私は思っています。
 
――展望を描けるような状態ではないと。

草野:厳しいですね。深刻に考えていたら、やっていけないんで、与えられた仕事をこなすしかないですが。
___

――4号機のプールにある使用済み核燃料の取り出しを11月中旬から開始するとしていますが。

草野:これは、リスクのある作業です。汚染水のレベルではないですよ。汚染水はまだ流れているだけですから。それ自身がすぐに何かを起こすわけではない。海に溜まっていくだけです。それはそれでのちのち深刻な問題なのですが。
 だけど4号機プールの使用済み核燃料は、そもそも事故のとき、アメリカをはじめ、全世界が震撼していた問題です。福島だけじゃなくて東京が飛ぶかもしれないと本気で危惧されたものです。
 だから、失敗が許されないのです。

草野:4号機の作業で、タンクのときと同じレベルの人為的なミスや技術上の問題が起こったとき、汚染水のように「漏れてました」という具合では済まされませんね。起こることは、そういう比ではないですから。

――使用済み核燃料の取り出し作業が1~4号機全部で10年ぐらい続くとしていますが。

草野:気の遠くなる作業です。その間、一回の失敗もないなんて、この間起こっていることを見ていたら、難しいでしょう。また、10年の間、地震も津波も竜巻もないという保証もありません。

――作業員の確保の問題もあります。

草野:そうですね。個人的には、これだけのクレーン作業を扱える技術者が集まるだろうかと思っています。
 遠隔操作はできないでしょう。この間のプールのガレキ撤去作業で、1日の被ばくが2ミリシーベルトとかいっていますね。すごい被ばくです。線量の高いところに、クレーンで行かなければなりません。作業時間が限られます。そうすると、ものすごい人数がかかるわけです。しかも技術がないといけません。
 だから、作業員の確保というところで、限界にぶつかるかも知れないと私は思っています。

――深刻な危機と隣り合わせで進むわけですね。

草野:そうですよ。だから、オリンピックだとかと言って、浮かれている場合ではないわけです。4号機で、釣り上げて一本ダメにしたら、もうそれで終わりになってしまう。クレーンの操作に、日本の運命がかかっている。そう言っても過言ではありません。その間に地震が来ないことを神に祈るしかないのです。非科学的ですけど。
コメント
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