百醜千拙草

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沖縄の将来を左右する北朝鮮

2016-01-08 | Weblog
北朝鮮の水爆実験に関して、
朝日新聞 首相、独自制裁の強化検討 対北朝鮮でオバマ氏と協議
 
北朝鮮の核実験を受け、安倍晋三首相は7日朝、オバマ米大統領と電話で協議した。首相は同日午前の参院本会議での代表質問で、電話協議について「北朝鮮の挑発行動は許容し得ないもので、国連安保理における対応を含め、日米両国が国際社会を主導していくことで一致」したと説明。「米国があらゆる手段を用いて日本を防衛するとの確固たるコミットメントを再確認した」とも述べた。

北朝鮮問題で、オバマから指令が出たわけです。先日の従軍慰安婦問題で、アベ氏は豹変して、従来の政府責任を認めて、韓国との間で「最終合意」がなされたわけですが、このどう見ても不自然で唐突な行動は、アメリカに指示されたものであったであろうと推測されています。しかし、それでは、なぜアメリカが日韓最終合意をこのタイミングで急いだのかが謎でした。

田中宇さんは、それは、オバマがやりたいことができるのがこの一年であり、そしてやりたいことの一つは北調整問題であるからだ、と推測されています。更に、この動きは、日本政府が沖縄県を訴え、法を曲げてでも辺野古の埋め立てを強行しようとしていることとどうも繋がっているようです。
以下、田中さんの記事の一部を転載します。

日韓和解なぜ今?

昨年12月28日、日本と韓国が従軍慰安婦問題で和解した。日韓はなぜこのタイミングで、慰安婦問題を最終的・不可逆的に解決したのか。、、、
 日韓双方の中枢で強い力を持つ「対米従属派」にとって、慰安婦問題を解決せず放置しておくことは、日韓の結束を阻み、日韓が別々に対米従属を続けることを可能にする便利な道具だった。、、、日韓の政府だけの意志で慰安婦問題が解決されることはなく、慰安婦問題の解決は、米国の差し金である可能性が高い。外から日韓に強い圧力をかけられるのは米国だけだ。慰安婦問題がなぜ今解決したのか、という問いは、オバマ政権がなぜ今日韓に和解しろと圧力をかけたのかという問いになる。
 先に私なりの答えを書いておくと、それは「オバマは、任期最後の年である今年、北朝鮮の核開発問題を解決したいのでないか。そのためにまず、米国の力で最も簡単に解決できる日韓の和解を実現したのでないか」ということだ。米大統領が、軍産複合体やイスラエルの政治圧力を気にせず国際戦略を進められるのは、再選されて2期8年やれた場合の、もう先に選挙がない最後の2年間だけだ。、、、残る今年の1年、北朝鮮問題の解決や、中国を強化するかたちで譲歩するニクソン的なやり方を進める可能性がある。、、、
 これらから考えると、昨秋からの流れは、日韓が結束して中国と敵対する動きでなく、中韓が結束して日本を取り込む動きだ。中韓は、日本を取り込んだ後、6カ国協議を再開して北朝鮮問題を解決していこうと考えている。 、、、
 米国の外交戦略立案の奥の院であるシンクタンク外交問題評議会(CFR)は大晦日に、オバマ政権が最後の1年に入る今こそ米朝関係を改善して6カ国協議を再開し、北朝鮮の問題を解決する好機だとする分析を載せている。、、、
 北核問題の解決は、03年に米国主導で6カ国協議の体制が組まれたときから、日韓が対米従属をやめて日中韓が協調を強める「東アジア新秩序」の創設と抱き合わせになっている。日韓、日中の関係を好転させてからでないと、6カ国協議が進まない。、、、、
 6カ国協議は、これまで何度か進展の機会があったが、いずれも北の消極性が最大の原因で、頓挫している。韓国が対米従属なので、北が米国と和解して米朝が対等な友好国になると、北は韓国より上位に立てる。米国は、この展開を嫌い、6カ国協議を中国に主導させ、北が米国と和解すると同時に中国の傘下に入るように仕向け、中国が南北を仲裁する構図の中に北を落とし込もうとしてきた。北がこれを拒否して核実験やミサイル発射を繰り替えし、6カ国協議が頓挫していた。、、、、
 慰安婦問題の解決と並行して、米軍撤退に向かう道の始まりである日韓の安保協定の締結が、すでに現実的な話として交渉されている
米政府は以前から何度か「日本政府が辺野古に基地を作れないなら、海兵隊をグアムに撤退するよ」と言っている。、、、海兵隊の撤退は、日本の対米従属の減退を意味するので、日本の隠然独裁的な官僚機構は、海兵隊に出ていかれる前に、是が非でも、法規をねじ曲げても、急いで辺野古の代替基地を作らねばならないと考えている。 6カ国協議の進展は、海兵隊のグアム撤退を阻止(できるだけ長く先延ばし)したい日本の官僚機構にとって、新たな脅威の出現になる。、、、
 今回、米国からの圧力による慰安婦問題の解決、日韓安保協定の再交渉が始まったことは、11-12年の「米国が出ていく流れ」の再開になるかもしれない。東シナ海紛争、南シナ海紛争への日本の介入、潜水艦受注に始まる日豪同盟の可能性(対米従属から日豪亜同盟への転換)などを含め、今年の展開が注目される。


とすると、今回の北朝鮮の核実験は、日韓合意の背後の意図を感じて「まだまだ6カ国協議には乗りたくない」という北朝鮮の意思表示かも知れません。とすると、それは対米従属官僚にとっては好ましい動きであり、この隙に辺野古の埋め立てをますます強行しようとするでしょう。オバマが、北朝鮮問題、すなわち東アジア安保に関するアメリカの今後の立場の道筋をある程度つけてから辞めたいと思っているのであれば、6カ国協議を軌道に乗せて、その上でアジアから順次撤退を目指した戦略をとろうとするのではないでしょうか。ここで、沖縄の辺野古の新基地が間に合いそうにないとなれば、グアムへ引き上げてくれる可能性もあると思います。ゆえに、在日米軍の恒久化を意味する辺野古の政府による強行埋め立てを阻止し続けることが極めて重要だと思います。
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