沖縄県宜野湾市長選、安倍政権が支援する現職の佐喜真再選され、翁長知事が支持した新人志村氏が敗北。
裁判になっている辺野古への違法な移設強行に対して、「オール沖縄で辺野古への米軍基地に反対している」というする翁長知事の主張に水を注す結果となったようで残念です。
最近、朝日新聞は、辺野古問題については、権力側と距離をおいたような主張をするようになっているように感じます。朝日新聞の記事から。
普天間基地の地元、苦渋の選択 宜野湾市長に政権派再選
さらに東京新聞、「普天間か辺野古か「どっちか選べなんて酷だ」 疑問抱えながら宜野湾市民投票」という記事は、現職を選べば、辺野古移設が進み、対立候補を選べば、普天間の引き上げが長引く、どちらをとっても沖縄の苦悩はずっと続くという究極の選択に揺れる有権者の苦悩を報告しています。
同社説、「宜野湾市長選辺野古信任とは言えぬ」では以下のようにあります。
つまり、現職、政府側候補に入れた人々の中にも、究極の選択を迫られて、「あきらめて」現職に入れたという人がいるということです。現職が勝てたのはそんな「あきらめ票」のおかげであろうと思われます。あきらめ票を投じた彼らにとってもベストは、米軍基地の縮小、県外移転、です。しかし沖縄返還から50年たっても、米軍基地のほとんどが沖縄一県に集中し、危険極まりない普天間基地を使用し続けているという現実にさらされ、それに対して政府は何の改善の努力をしないばかりか、対米隷属官僚が主導して意図的に沖縄の米軍基地を恒久化しようとしてきたわけです。対米従属によって利益を得ている日本政府が、沖縄県民のために、アメリカと交渉して沖縄県外、グアム、テニアンへの基地の移設を交渉するなどということはあり得ない、と沖縄県民自身が「あきらめ」かけているのです。辺野古に基地を作らない限り、普天間は使い続けるという政府に対して、憤りを通り越して無力感とあきらめが浸透し始めているのでしょう。どうせ苦しむなら、少しでも苦しみの少ない方を選ぼう、そういう究極の選択に迫られているのだろうと思います。悲しいことです。「辺野古移設の反対ばかりではなく、普天間基地の撤去から進めて欲しい」という意見が、それを示しています。普天間という現在の苦しみは、辺野古へ移設することによって和らぎます。しかし、辺野古へ移設してしまえば、アメリカ軍は沖縄に恒久的に駐在し、それは将来の継続的な苦しみを意味するのです。
苦しんできた沖縄の人に当事者でももない私が「あきらめるな」とはとても言えません。ただ、民主主義がこうして利己的で傲慢な政府に蹂躙され、人々が希望を「あきらめて」いくのを見るのは辛く悲しいです。
振り返れば、鳩山政権がこの戦後から連綿と続いたアメリカの植民地状態から脱する唯一のチャンスでした。その時にもっと小沢氏から知恵を借りて慎重に事をすすめることができていればなあ、と悔やまれます。
裁判になっている辺野古への違法な移設強行に対して、「オール沖縄で辺野古への米軍基地に反対している」というする翁長知事の主張に水を注す結果となったようで残念です。
最近、朝日新聞は、辺野古問題については、権力側と距離をおいたような主張をするようになっているように感じます。朝日新聞の記事から。
普天間基地の地元、苦渋の選択 宜野湾市長に政権派再選
有権者は、どんな思いで票を投じたのだろうか。
「このままでは基地が固定してしまう」。米軍普天間飛行場のそばで生まれ育った無職宮城治隆さん(63)は現職の佐喜真淳氏に投じた。、、、、「辺野古移設への反対ばかりでなく、普天間基地の撤去から始め、前に進めていってほしい」と期待する。
佐喜真氏に投票した有権者の中には、辺野古移設に反対の市民もいた。米軍機の飛行ルート下の地域に住む調理師の男性(60)は、反辺野古の翁長雄志知事を支持してきたが、政府が移設を進める中で、あきらめを覚えるようになったという。「どうせ辺野古になるなら、政府と協調して普天間の跡地利用に取り組める佐喜真氏で。政府はいくら沖縄を犠牲にしても構わないんでしょう」と語った。
佐喜真氏の1期目の取り組みを評価する声もあった。3歳と1歳の子を連れて投票所を訪れた主婦末吉志緒里さん(28)は、医療費無料化や給食費助成などの政策を重視して佐喜真氏に投じた。普天間飛行場については「ずっと県外移設と言っても現実は変わらないだろう」とあきらめ気味だ。、、、、
「このままでは基地が固定してしまう」。米軍普天間飛行場のそばで生まれ育った無職宮城治隆さん(63)は現職の佐喜真淳氏に投じた。、、、、「辺野古移設への反対ばかりでなく、普天間基地の撤去から始め、前に進めていってほしい」と期待する。
佐喜真氏に投票した有権者の中には、辺野古移設に反対の市民もいた。米軍機の飛行ルート下の地域に住む調理師の男性(60)は、反辺野古の翁長雄志知事を支持してきたが、政府が移設を進める中で、あきらめを覚えるようになったという。「どうせ辺野古になるなら、政府と協調して普天間の跡地利用に取り組める佐喜真氏で。政府はいくら沖縄を犠牲にしても構わないんでしょう」と語った。
佐喜真氏の1期目の取り組みを評価する声もあった。3歳と1歳の子を連れて投票所を訪れた主婦末吉志緒里さん(28)は、医療費無料化や給食費助成などの政策を重視して佐喜真氏に投じた。普天間飛行場については「ずっと県外移設と言っても現実は変わらないだろう」とあきらめ気味だ。、、、、
さらに東京新聞、「普天間か辺野古か「どっちか選べなんて酷だ」 疑問抱えながら宜野湾市民投票」という記事は、現職を選べば、辺野古移設が進み、対立候補を選べば、普天間の引き上げが長引く、どちらをとっても沖縄の苦悩はずっと続くという究極の選択に揺れる有権者の苦悩を報告しています。
同社説、「宜野湾市長選辺野古信任とは言えぬ」では以下のようにあります。
辺野古移設が宜野湾市民に「信任」されたと考えるのは早計だ。佐喜真陣営は選挙戦で普天間飛行場の固定化回避には言及したものの、辺野古移設推進を直接訴えたわけではないからだ。今回の結果は、辺野古移設に対する賛意ではなく、生活を脅かす身近な米軍基地を一日でも早く撤去してほしいという切実な気持ちの表れと受け止めるべきだろう。
つまり、現職、政府側候補に入れた人々の中にも、究極の選択を迫られて、「あきらめて」現職に入れたという人がいるということです。現職が勝てたのはそんな「あきらめ票」のおかげであろうと思われます。あきらめ票を投じた彼らにとってもベストは、米軍基地の縮小、県外移転、です。しかし沖縄返還から50年たっても、米軍基地のほとんどが沖縄一県に集中し、危険極まりない普天間基地を使用し続けているという現実にさらされ、それに対して政府は何の改善の努力をしないばかりか、対米隷属官僚が主導して意図的に沖縄の米軍基地を恒久化しようとしてきたわけです。対米従属によって利益を得ている日本政府が、沖縄県民のために、アメリカと交渉して沖縄県外、グアム、テニアンへの基地の移設を交渉するなどということはあり得ない、と沖縄県民自身が「あきらめ」かけているのです。辺野古に基地を作らない限り、普天間は使い続けるという政府に対して、憤りを通り越して無力感とあきらめが浸透し始めているのでしょう。どうせ苦しむなら、少しでも苦しみの少ない方を選ぼう、そういう究極の選択に迫られているのだろうと思います。悲しいことです。「辺野古移設の反対ばかりではなく、普天間基地の撤去から進めて欲しい」という意見が、それを示しています。普天間という現在の苦しみは、辺野古へ移設することによって和らぎます。しかし、辺野古へ移設してしまえば、アメリカ軍は沖縄に恒久的に駐在し、それは将来の継続的な苦しみを意味するのです。
苦しんできた沖縄の人に当事者でももない私が「あきらめるな」とはとても言えません。ただ、民主主義がこうして利己的で傲慢な政府に蹂躙され、人々が希望を「あきらめて」いくのを見るのは辛く悲しいです。
振り返れば、鳩山政権がこの戦後から連綿と続いたアメリカの植民地状態から脱する唯一のチャンスでした。その時にもっと小沢氏から知恵を借りて慎重に事をすすめることができていればなあ、と悔やまれます。