百醜千拙草

何とかやっています

レースの筋書き

2016-01-22 | Weblog
政治はプロレスみたいなもので、筋書きがないという建前のショーです。大統領選挙もだいたい筋書きがあり、次期はクリントンという線が描かれているようです。それでも時折起きるハプニングがそれなりに面白く、以前は、赤勝て、青勝て、と紅白歌合戦(紅白ではなく紅青ですね)さながらの娯楽としての大統領選は、それなりに楽しんでフォローしていました。オバマの一期目は、そういう意味で面白かったです。オバマ自身がハプニング(?)でしたし。

しかし、今回の大統領選レース、あまり興味が湧きません。共和党はトランプがトップを走っているそうで、これまでの差別的発言や成金的行動に嫌気がさして、最近はあのカツラ頭をみるだけで気持ちが悪くなります。

米大統領選、ペイリン氏がトランプ氏への熱烈な支持表明というニュースも聞きました。日本の自民党の劣化も激しいですが、アメリカ共和党も相当キテいるような気がします。8年前の大統領選であれだけボコボコにされたサラ ペイリンを出してくること自体、自爆行為ではないかと思うのですが、こうした「右翼的」なものを好む共和党支持者が増えてきたというのは、危険な感じがします。日本でも、カルト集団「日本会議」に属するアベ氏自民党は、すっかり「右翼」政党となりはてていると思います。自民党は共和党と同じく、かつて「保守」政党でした。「保守とは、立ち止まること、立ち止まって考えることだ」と言った宮沢喜一が、今のアベ政権を見たらどう思うだろうかと想像してしまいました。アベ政権ほど「立ち止まって、考える」という人間独特の行いができない政権はかつてありませんでした。人の話が聞けない、聞かれたことに答えない、知力がない、ナイナイづくしのアベすぎる自民党が、「この道しかない」と反省も思慮もなく突っ走って止まらない、山本リンダじゃあるまいし。視野や思考が狭窄しているのは自民党だけではありません。与党を操る官僚組織そのものが硬化して、対米従属、格差拡大、国民搾取、最後は戦争でチャラ、「この道しかない」と思っているらしいところが問題です。テストで点を取るのは得意な人々のはずですがね。実地、応用問題には弱いのでしょうか。

さて、大統領選は、結局はカネです。選挙資金で決まります。一般人からの小口の浄財だけでは勝てません。つまり、アメリカを牛耳る金融、戦争産業、大企業からの選挙資金が回ってくるところ、すなわち国民のためではなく企業のために働く人間が最終的に勝つことになります。ゆえに、民主主義の精神に則って最もまともなことを言う人は、最終的に残れません。民主党に関しては、ハプニングがない限り、クリントンが候補となる予定です。一方、他の候補者、サンダースらは、アメリカ経済が悪く、国民生活が苦しいのは金融業界が国民の金を使って博打をして儲けているからだ、他国に余計な軍事介入をして無駄遣いをするからだ、と結構、露骨に金融業界、戦争業界の批判をしていますす。かつて、アメリカンドリームというものを信じて、人々が富と幸福を求めることが自由にできる国と多数の国民が思っていた時代と異なり、今や、一部の金持ちが大多数の持たざる国民を実質的にコントロールしている状態になってしまった現在、すなわち、資本主義という制度が明らかにアメリカの民主主義が求めるものとコンフリクトを起こしている現状で、アメリカ資本主義の元凶である金融業界を批判するのは、当然のことです。しかし、結局、選挙は金であり、まともな意見を支持する一般国民は票は持っていても金は持っていないわけですから、金融業界、戦争産業を正面切って批判すれば、選挙では苦しいでしょう。しかし、その辺は、最終的に誰を応援するのが最も得になるのか、というそろばん勘定が働きますから、今後、クリントンが支持を失っていって、本選で勝てないと見限ったなら、乗り換えるということも起こり得るでしょう。

いくら民主主義といったところで、金が政治を決めているというのは、いずこも同じです。しかし、休みのたびに経団連会長と堂々とゴルフをするような非常識を絵に描いたようなのが首相ズラして傍若無人に振舞う国もありますから、アメリカはまだ随分マシな方なのかもしれません。
コメント
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