百醜千拙草

何とかやっています

政府の言論弾圧とジャーナリズムの自己規制

2016-03-29 | Weblog
先週末、アベ政権からの圧力で報道番組降板となったとされる3人のベテランアンカーのうちの一人、岸井成格氏を含むジャーナリスト5人が外国特派員協会の主催で記者会見。ゲンダイがレポートしています。

NHKに「情報操作」疑惑…キャスターら抗議会見も取材せず

2016年3月26日 10時26分 日刊ゲンダイ
「何でいないんですかね。こういう所にNHKは来るべきですよ」――ジャーナリストの大御所たちがカンカンだった。

 24日、外国特派員協会の主催で、ジャーナリスト5人が記者会見を行った。登壇したのは岸井成格氏(71)、田原総一朗氏(81)、鳥越俊太郎氏(76)、大谷昭宏氏(70)、青木理氏(50)。青木氏以外は70歳を越えるベテランばかりだ。

 彼らの結束は、高市早苗総務相の「電波停止」発言をはじめ、安倍政権のメディア潰しと、それに萎縮する腑抜けメディアに抗議するため。この日も「(高市発言は)憲法と放送法の精神に真っ向から反する。知らなかったら大臣失格。故意に曲解したなら、言論統制への布石だ。どこまでも責任追及していく」(岸井氏)、、、、、

批判の矛先はNHKの報道姿勢にも向かった。冒頭の発言の主は岸井氏で、怒りのワケは会見の取材にNHKは記者もカメラも誰ひとり、参加しなかったこと。2月末に同じメンバーがそろった高市大臣への抗議会見の取材にも、NHKは来なかった。完全に無視を決め込んでいるのだ。、、、、

 岸井氏が「(NHKは)いつも最後に政府与党の言い分をくっつけることでニュースを完結させようとしている」と指摘すると、大谷氏は「NHK内部の人」から聞いた話として、国会論戦のニュースは「必ず政府側答弁で終わらないといけない」と応じ、制作サイドで義務づけているように語ったのだ。、、、、ニュースの結論を必ず政府の言い分で締めるのは、一種の情報操作、、、、、、、


この政府のメディアに対する圧力を告発する記者会見は外国のメディアでは大きく報道されているのに、日本ではほとんど取り上げられず、大手では毎日新聞と朝日新聞が取り上げたのを見たぐらいです。

ワシントンポストの記事。
Japanese journalists allege government pressure on media

アベ内閣に批判的な報道を抑制するために政府がメディアに圧力をかけていると、日本のジャーナリスト5人が糾弾した。同時に、日本のメディアの「信念を貫く姿勢の欠如」を嘆いた。

、、、アベ内閣はメディアの内容を神経質にチェックしている、なぜならテレビでの評価が支持率に影響するからだ、と元毎日新聞で朝日放送のニュースアンカーの鳥越氏は言う。「今の日本では、メディアが権力を監視するのではなく、政府がメディアを監視しているのです」、、、
政府の圧力よりもメディアの劣化が問題だ、と政治家に厳しい質問をすることで有名な田原総一郎氏。 「私から見れば、報道局上層部の自己規制が最も重大な問題だ」


メディアが政府をチェックするのではなく、政府がメディアをチェックしているとは、何とも情けない「民主主義」です。そういえば、民進党の結党大会でシールズの奥田さんが「国民の政治ばなれ」を引き合いに出して、現在の傍若無人なアベ政権や、(あるいは、ドジョウや空きカンの裏切りを指してか)「政治が国民ばなれ」しているのだ、と述べました。まさにその通りです。政治家は選挙のときだけ国民の方を向き、当選してしまえば霞ヶ関の方を向いている。なんともアベコベの多い国です。

それにしても、ネットに工作員は送り込むは、報道に圧力をかけるは、痴漢はでっち上げるはと、姑息なことです。日本もすっかり北朝鮮ですな。外国で、その北朝鮮ぶりを大々的に報道されて、肩身が狭いです。結局、そういう政権を選んだ国民もアベ内閣なみのレベルなのだろうと諸外国からは判断されてしまうワケですしね。

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