百醜千拙草

何とかやっています

カシアス クレイの肖像

2016-06-07 | Weblog

東京都知事、サンドバッグになっていますが、「クレヨンしんちゃん」の本を必要経費で買ったなどというみみっちい話がトップ記事のタイトルになるのは、やはり異常だと思います。私、この人も前の不祥事で辞めた都知事もその前の自称文豪の人も、ついでに号泣議員も全員気に入りませんが、どうも後ろ足で砂をかけた自民党にも余り好かれていないこの人が血祭りにあげられているのは理由がありそうです。自民党にとって、突っ込まれると政権運営と次の選挙に影響が出るもっと大きな不祥事への注目を反らせたいからではないでしょうか。
 ど真ん中ストライクの真っ黒の案件で、久々に特捜も汚名挽回のチャンスとなるはずであった元大臣の収賄事件のことです。蓋を開けてみれば「不起訴」の大茶番、呆れ返った人も多かったでしょう。どうも小沢氏の事件の黒幕とも言われた法務省の誰かさんがもみ消したという話。さすがは、官僚と政権与党、越後屋と悪代官、水心あれば魚心。コッチはもみ消し、代わりに東京都知事の事件を煽って、目くらましということですな。東京都知事、目くらましに使われて多少気の毒な気もしないではありませんが、やっぱり自業自得ですね。

さて、話変わって、先週末、モハメド アリが死去とのニュース。
私の子供のころにアリはすでに伝説で、蝶のように舞い、蜂のように刺す、その華麗なる一撃は、榎本美恵子さんにも真似されるほどでした。
アリの全盛期の試合は私はリアルタイムで見ていたわけではありませんが、その活躍ぶりは何度もマンガや映画の題材となっています。
ヘビー級ボクシングで、実際に覚えているのは全盛期のマイク タイソンのブームですね。確かその後ぐらいに、すでに腹が出ていたジョージフォアマンが40過ぎてカムバックし、復帰後いきなり30数連勝を重ねているのをTVでみて、その化け物ぶりに驚いたことを覚えています。タイソンやアリのスピードではなく、フォアマンは重戦車のように相手を薙ぎ倒すスタイルでヘビー級ボクシングならではの醍醐味でした。そのフォアマンに最初に引導を渡したアリの試合を見たくなって、キンシャサの奇跡と呼ばれる伝説の試合を見てみました。重戦車フォアマンのパンチをガードで交わしつつ、相手の体力の消耗を待って、蜂の一刺し。アリの戦略がちですね。

アリは、リング外での活動も注目を浴びました。私は、反戦運動、人種差別撤廃運動、人道主義的活動や、引退後にテレビで見せるユーモアに富んだ話などの方をよく覚えています。ボクシングの後遺症と思われるパーキンソン症を発症したのは不運でした。しかし、パーキンソンのせいか表情を変えずに放つジョークに磨きがかかり、その人間的な魅力は多くの人に愛されました。

調べてみると、アリのプロでの成績は、56勝5敗で、このうち37勝がノックアウト勝ち、一方、フォアマンは、81戦76勝5敗、68ノックアウト勝ち、二人とも化け物ですな。

アリの名言集を見つけました。

チャンピオンはジムで作られるものじゃない。彼らの奥深くにある「何か」で作られるんだ。

肯定の繰り返しが信念につながる。その信念が深い確信になると、物事が実現し始める。

他者に貢献することは、この地球でのあなたの居場所に払う家賃である。

私が心から恐れるのは神の法だけだ。人が作った法はどうでもいいと言うつもりはないが、私は神の法に従う。何の罪も恨みもないべトコンに、銃を向ける理由は私にはない。

私ほど偉大になると、謙虚になることは難しい。

私の一番つらかった戦いは、最初の妻とのものだ。



アリの死に際して、フォアマンは、「大切な一部が逝ってしまった」とコメント。
ちょっと、さびしいですね。
コメント
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