アメリカ株式市場の大暴落、強烈ですな。今回、二度目のcircuit breakerが発動しました。この調子だとまだまだ下がりそうです。一旦、株価が下がり始めるとパニック売りをする人が増えるのか、雪崩をうつというのはこのことですね。過去二年分の株価上昇分が一気に消えました。
これまでのアメリカ株式市場が異常に好調だったので暴落は予想されたものですが、暴落のスピードはリーマンショック以来。リーマンの時は一年かけて底に達し、株価は半減、それが回復するのに三年かかりました。大恐慌時は何十年単位で回復していますから、今回の暴落がどこまでいくか分かりませんし、回復に何年かかるかも分かりません。1930年の大恐慌でもそのトリガーはよくわからなかったわけで、複雑系は読めないですね。ただし、コロナウイルス、低調な経済、少子老齢化、原発事故、無能な政府と、不安を煽る要素には事欠かない日本ですから、かなり酷い状態まで行って簡単には回復しないような気がします。ま、未来が読めたら、プロが最速コンピューターを使って超高速で株取引して素人がカモられることもないわけですが。
いずれにせよ、誰かの損は誰かの得、ゼロサムゲームの株式博打、こうして市場の波で金がどこかからどこかに移動する時は、大抵、熱力学の法則とは逆に移動するもので、貧乏人ほど失うものが多いのが常です。アベノミクスの失敗を糊塗するために日銀や年金運用機構に大量の株買いをさせて株価を支えさせたツケがドーンと来そうです。大体、国民の生活に直結する年金や引退資金を株式バクチに頼るということ自体が間違いだと私は思いますし、株を買い支えて見た目の景気を演出するためだけに、中央銀行にガンガンと円を刷らせた挙句に株で大失敗する、などもってのほかです。ここにきて、アベの悪行三昧のツケが一気に噴出しつつありますが、結局、そのツケを払うのは国民。ま、見る目がなく、あんなのに七年も首相をやらせた国民自身の自業自得ですが。