百醜千拙草

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後悔していること

2021-05-25 | Weblog
若い時に実家を遠く離れて20年以上が経ちました。私の父はそれよりさらに10年ちょっと前に亡くなっており、以来、母は、父と建てた家で一人暮らしをしていました。表札には私の子供が生まれた時に、私の家族の名前を書き加えてあって、多分、いつか私も家族も帰ってくるかもしれないと思ってのことだったでしょうけど、その字もすっかり褪せてしまいました。

母も元気なうちは、一人暮らしでもいろいろな活動に参加し、友人との交流もあってそれなりに楽しくやっていたようでしたが、八年ほど前に調子を崩して長期入院して以来、すっかり活動性も落ち、友人との交流もなくなり、その後、車の免許も返上して、自宅から動かなくなりました。以来、毎年、実家で二週間ばかりを一緒にすごすようにしていましたが、年々と少しずつ調子は悪くなってきています。

昨年のコロナ以降、私は単身で実家に帰って一緒に住むことを真剣に考えはじめました。来年の半ばぐらいまでには、こちらのことにカタをつけれるだろうし、さすがにコロナもおさまっているのではないだろうか、と考えていたのです。あいにく、いつもの「やっているふり」の日本のコロナ対策は先進国中最低で、終息するどころか、このままでは原発事故と同じで、半永久的に危険と共存していくことになりそうです。

コロナおかげで、昨年は実家に帰るのを見送り、今年の秋ぐらいにと考えていたのですけど、そうこうしている間に、母が数週間前に自宅で転倒し骨折して入院することになりました。手術して、つい数日前にリハビリ病院に転院となりましたが、もともと活動性が低い状態でこうなっているわけで、どこまで回復するか、そしてまた自宅に帰って一人で生活ができるのかの見通しは微妙です。妹の住む場所から比較的近く、また出入所の自由が利く施設が見つかったので、退院後はとりあえず、そこに移るという話に落ち着きそうな感じですが、その後はどうなるかわかりません。活動性が上がらなければ、そのまま自宅に戻ることは叶わないかもしれません。

もう手遅れですけど、今になって、私の勝手で遠く離れて二十年も一人暮らしをさせてしまったことを後悔しています。同じような理由で、義両親にも随分不孝をしてしまいました。"Hindsight is 20/20" とはいいますけど、振り返れば、人生の色んな局面で、私は、あまり賢くない選択を数多く重ねてしまい、多くの人に迷惑をかけ、悲しませることになってしまったなあ、と思います。

最近は、先のことを思うより昔のことを思い出すことが増えました。一生の中でそういう時期に差し掛かったということなのだろうと思っています。
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