百醜千拙草

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ウクライナ侵攻と世界大戦

2022-02-22 | Weblog
近頃、あまり明るい話題がみあたりませんな。ここしばらく関心の的になっているのが、ロシアのウクライナ侵攻の可能性。NATOに対するロシアの対抗策ということです。当初は2月16日、それから冬季オリンピックの終了時に侵攻すると予想されておりました。とりあえず、それは回避されたようですが、現在もロシアはロシアとベラルースで軍事演習を継続。8年前のウクライナのクリミア半島のロシア併合のことも念頭にあるでしょう、バイデン政権は警戒をとかず、強い口調でロシアを牽制しつづけています。クリミアはロシア軍事的重要拠点ではありましたが、その併合はむしろ多数派のロシア系住民が望んだという事情もあります。それで、今回もロシアはウクライナのロシア系住民の保護を口実に侵攻するとアメリカは考えているようです。事実、クリミアほどではないにせよ、ウクライナの東南部はロシア系が多く、ロシア語が主に話されている一方、北西部はウクライナ人が主です。

クリミアは黒海を渡りイスタンブールを経由して水路で地中海にアクセスするために便利な軍事拠点であり、8年前のクリミア併合と今回のウクライナ侵攻は戦略的に繋がっていると思われます。

ニュースによると、今回のロシアの軍事演習では「艦艇から巡航ミサイルや極超音速巡航ミサイルなどを発射する演習を実施し、東へ数千キロ離れたカムチャッカ半島の目標を狙い、ロシア北西部とバレンツ海の潜水艦から弾道ミサイルを1発ずつ発射した」そうです。また、ロシアのラブロフ外相は「この地域におけるロシアの主権を無視すれば、欧州大陸だけでなく、世界の安定に逆の効果をもたらす」と語った、とのことです。記事では深く解説されていませんが、この演習内容や外相の言葉が、私には、かなり不吉に聞こえます。

ウクライナ周辺地域のロシアの権利の保護が目的ならば、なぜ、ロシアは長距離ミサイル、しかも潜水艦や艦艇からの発射演習をしたのでしょうか。ロシアが船を使って長距離ミサイルを打ち込むとしたら、相手は当然、アメリカを想定しているはずです。加えて、ラブロフ外相の言葉は、より直接的に世界大戦の可能性を述べたものです。つまり、今回のロシアの軍事行動は対アメリカがその線上にあり、アメリカ側も当然ながらロシアとの武力衝突をリアルな可能性として感じているということだと思われます。

戦争というのは為政者にとっては何かと都合のよいもので、国内の不満を逸らせ、非常事態を口実に、火事場泥棒的に国民の権利や財産を取り上げ、国債を踏み倒し、ナショナリズムを煽って、権力の拡大を図ることが同時にできます。日本では、アベ一味らが、怪しい口実を並べては、内閣の独裁権力の獲得を目指して、緊急事態条項を手始めに着々と歩をすすめ、露骨に最終段階の憲法にまで手をつけて、自由に戦争ができる形を作ろうとしています。彼らにとって戦争はただの口実ですから、いざ世界大戦が始まった時にバスに乗り遅れて、その機会を逃さないようにしたいのでしょう。

ロシアにおいては、特に「強いロシア」をスローガンにナショナリズムを煽るプーチンにとって、複数の意味でウクライナ侵攻は魅力的なのではないでしょうか。近年はアフガニスタン、イラク、かつてはベトナムに朝鮮戦争などなど、第三国への軍事介入では、アメリカは第二次世界大戦以後、ずっと失敗の連続で、国外への軍事介入を縮小させているアメリカは、今回のロシアのウクライナ侵攻に対しても直接の軍事介入はするつもりはないし、ドイツはそもそもウクライナを通じて供給されるロシアの天然ガスにエネルギーを依存しているので、ウクライナを戦場にしたくないというわけで、アメリカ、NATOは動かず、ロシアが侵攻すればほぼ瞬時にウクライナはロシア支配になると思われます。侵攻のタイミングを伺っているのは、ウクライナ制圧後のことを考えているからででしょう。アメリカは軍事介入はしなくても経済制裁は課してくるので、その問題を現政権が処理できるかどうか、そういったことのシミュレーションをやっているのではないでしょうか。

さて、ロシアがウクライナを押さえ、西側からのNATOとアメリカに対して軍事的緩衝を得た場合に、将来的に何が起こり得るのか、ちょっと妄想してみました。

最近は、話をあまり聞きませんが、数年前の一時期、イランの核開発の動きに対して、アメリカがイランに経済制裁を課したり、ネタニヤフ政権のイスラエルがかなり強硬な態度に出ていました。無論、イランの核開発は表向きはエネルギー対策ということですけど、核兵器が目的なのは間違いないでしょう。イランが核兵器を保有したい理由も核保有国であるイスラエルとの力関係の平衡をとるのが主目的の一つではないかと想像します。このイスラエル対イランの対立はネタニヤフの昨年の退陣を受けてやや緩和したように思われますが、ネタニヤフは復活を目指しているという話ですから、数年後にイスラエルの対イラン姿勢がどう変化するかはまだまだわかりません。イスラムとユダヤとキリスト教徒の共通の聖地であるエルサレムがバレスティナにある以上、イスラエルとイスラム系国家との間に宗教的摩擦は無くなることはなく、イスラエルもイランやその周囲のイスラム世界も、いわば一触即発の状態で睨み合っている状態と思われます。

この地は、聖書のもとになった歴史的出来事がおきた場所であります。聖書を予言の書として解釈する人々によりますと、Ezekiel書は次の世界大戦のことを述べていて、それはイスラエルとイラン間の緊張から引き起こされると解釈できるそうです。その解釈によると、イスラエルとイラン間で戦争が起きた後、ロシアはイランを支援することになります。結果、イランに加勢するロシア軍がその他東欧国およびエチオピアからなる連合軍を率いて中東に侵攻します。アメリカもイスラエルをイスラムとロシアに明け渡すのを許しませんから、イスラエル側に立って参戦、結果、イスラエル-アメリカ 対 ロシア連合軍による世界規模の核戦争になると解釈できるそうです。その時点でロシアはアメリカ本土を潜水艦からの核弾頭ミサイルを使って攻撃することになります。そう考えると、今回のロシアの軍事演習での潜水艦からの中長距離ミサイル発射は、来たる世界大戦で、地中海からのイスラエルへの攻撃および、太平洋、大西洋の潜水艦からの長距離ミサイルでのアメリカ本土都市への攻撃を想定してのことなのかも知れません。

この話が本当におこるとすると、素人考えでは、ロシアの中東へ侵攻には、まずウクライナをロシア側につけて、西からのNATOの動きを止めた上で、クリミアから黒海を通って地中海側に海軍を送る一方で、陸路ではコーカサスを通って南下し、聖地からユダヤを追い出すという名目で、イラン、イラク、シリアのイスラム圏を巻き込んで東側からイスラエルに迫り、東西から挟み撃ちにするのではないだろうかと想像します。

とすると、ウクライナをロシア側につけることはロシア連合軍の中東侵攻への第一歩であり、今回のウクライナ侵攻は来たる第三次世界大戦の序章なのかもしれません。
(という妄想でした。お付き合いありがとうございました)
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