百醜千拙草

何とかやっています

シェルブールの雨傘

2022-04-15 | Weblog
どうでもいい話。
戦争と別れの歌の流れで、昔のフランスのミュージカル、「シェルブールの雨傘」を思い出しました。フランス語のトレーニングの一環で最近また観たのです。
ちょうど、ボブ ディランの「風に吹かれて」がヒットした60年代半ばの作で、主演の初々しかったカトリーヌ ドヌーブは今や78歳ですがまだ現役。
このミュージカルでのミッシェル ルグラン作曲の有名な主題歌、「Je ne prouprais jamais vivre sans toi (あなたなしで生きていけない)」は、兵役召集令状によって若い二人の別離が確定的になる場面と駅での別れの場面で歌われます。ちなみに、この雨傘屋の店は、グーグルマップでみると、現在は「シェルブールの雨傘」という店名の雑貨屋になっているようです。通りの様子は60年前とほぼ変わっていません。

この曲の歌詞を見てみると、ヴァースでは、シェルブールの雨傘屋の娘、ジュヌヴィエーヴと自動車修理工、ギイとの交際と結婚を、母に反対されているという状況の中で、ギイがアルジェリアへの二年の兵役に召集されるという事情が歌われます。そして、テーマでは、二年の離れ離れの時間に圧倒される気持ちが歌われ、「あなたなしで生きていけない、離れたら死んでしまう、行かないで」と涙ながらに熱い思いが歌われるわけです。(歌詞とあらすじのリンクがこの方のサイトにあります)

その後、二人は一夜をともに過ごしジュヌヴィエーヴは妊娠に至るのですが、そのあと、ジュヌヴィエーヴはギイの兵役中に金持ちでハンサムな宝石商に見そめられて、身籠ったまま結婚してパリへと行ってしまうのです。

ここのところで、私は呆気にとられました。ちょっと前に「あなたなしでは生きていけない、ずっと待っているわ」って泣いてたのに、半年もたたない間に、しかもその男の子供を妊娠中なのに、他の男と結婚しますかね、ふつう? ま、別の男の子供を妊娠している人と結婚する男も男です。ヨーロッパではよくある話なのかも知れませんけど)

この曲のカバーで良かったものをリンクします。私、日本語以外にはフランス語とロシア語で歌われる曲の音の感じが好きです。(しかし、これは、歌手と曲に依存しますね。それ以外だと、テレサテンの中国語の歌、バルカン半島の民謡の音の響きがいいです)フランス語特有の"R"の音や鼻音は、発音する人によって、美しく聞こえる場合と逆に汚く聞こえる場合があって不思議ですけど、この演奏では、そうした音がとりわけ美しいと思います。

ついでに、透明感のある美声で、日本でも人気があったギリシアの歌手、ナナ ムスクーリが作曲者ルグラン本人と英語でデュエットしたもの (1973)。

当時は欧米の流行歌歌手がアジア市場を積極的に開拓していたじだいでした。これは、ナナ ムスクーリが日本語で歌ったバージョン

ペギー葉山の日本語版

ザ ピーナッツ 英語版。さすがに歌うまいですな。

ザ ピーナッツ 日本語版。16ビートのスペイン風ギターのカッティングの変わったアレンジ。
コメント
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