青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

遥か高社を仰ぐ

2017年05月13日 00時10分36秒 | 飯山線

(雷雲抜けて@戸狩野沢温泉~信濃平間)

温泉に入っている間に雷雲は抜けて、夕方の飯山盆地に光が戻って来ました。冬期間は長野~戸狩野沢温泉間の運転のみだった快速「おいこっと」も、春シーズンからは十日町まで足を延ばします。古民家の簾を思わせる格子柄のデザイン、乗客にはお茶と野沢菜の振る舞いなんかもあるそうで…快速として運行されていますが、基本的には観光列車なので普通列車と同じくらいのスジで走ります。


信濃平から見る高社山。紫煙をたなびかせて「おいこっと」が行く。いつも上条とか夜間瀬で見ている高社山とは反対側になりますか。中腹に見える木島平スキー場はかれこれ20年以上も前、友人たちと初めてスキーデビューした思い出の場所でもあります(笑)。新宿から4列シートの夜行バスにすし詰めになって乗ってったっけねえ。横川のおぎのやドライブインが、真夜中にもかかわらず同じような若者向けのスキーツアーで大盛況だったのを覚えている。
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お国言葉に包まれて

2017年05月12日 00時00分00秒 | 飯山線

(地元民の憩いの場@百合居温泉)

飯山色は長野方面に去り、雨が強くなって正直撮るのもおっくう。ちょうどその頃横倉付近を走っていたので、思わずハンドルを百合居温泉に向けてしまった。横倉の百合居橋を渡って、栄村農協の裏手にあるプレハブ小屋が百合居温泉。無人で、外来の利用者は料金箱にお金を200円入れて利用するスタイル。軽く石油のような揮発性のアブラ臭のするお湯で、すべすべとします。


たぶん10年前くらいに一度来たっきりだが、プレハブはプレハブなんだけど中身が新しくなっていた。昔はホント簡素で、飯場の休憩所みたいな雑然とした感じがあったんだけどね。こんな早い時間に誰もいないだろうなんてタカをくくっていたら、雨が降って農作業を早々と引き上げて来た地元民が多い。地元言葉で農作業の進捗状況の報告が交わされる浴場は入れ代わり立ち代わりの盛況でした。


森宮野原。135D・186Dの交換風景。もう1台の飯山色は結局朝に戸狩から長野に向かったっきり運用に入る事はありませんでした。残り桜と北信妻有のブナ林を背景に、いつものルーティーンが繰り返されます。昔はこれがキハ28とかキハ52で行われていたのでしょうねえ。今思えば贅沢ですが、その当時は特に見向きもされない風景だったはずです。いつもの日常ほど当たり前でなくなる日が来る訳で、このキハ110系列の交換風景も大事に撮っておきたいですね。


信濃白鳥から西大滝の間の藤沢の集落。ひっそりとした山里、暗くなった空にひときわ目立つコブシの花が。その純白の花の色が、満開になるとハッとさせられる花。雨に濡れたレールを光らせて、139Dが坂道を上がって行きます。
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桜吹雪の坂道を

2017年05月11日 05時16分20秒 | 飯山線

(桜吹雪の参道で@桑名川~上桑名川間)

にわかに風雲急を告げる空模様、遠くで鳴り出した雷が聞こえて、谷に吹く風も強まって来ました。桑名川の集落の鎮守様に続く参道に咲いていた桜が、春にさよならを告げるように強い風に舞います。前が見えなくなるような桜吹雪はドラマティックではありますが、この中を列車が来るかと期待するほどウブじゃないですね(笑)。桜吹雪は列車の通過時は吹かない。撮り鉄あるある。


参道の灯篭と、桜吹雪のアスファルト。踏切の警報機が鳴り、ゆっくりと136Dが通過して行きます。どのみち車両全部入らないですからね、連結部で色合いの違いを強調した構図にしてみましたよ。ここで一枚カットを稼いだところで、とうとう空からは雨が。まあ長野まで追っ掛けるつもりもないし、次が136Dのラストカットになりそう。


飯山方面へ向かうとともに強くなる雨足。どこで撮るとかもなく信濃平で飯山色を見送り。朝とは全く違う天気となった飯山盆地。時ならぬ驟雨に打たれて、飯山色の車体が艶めいて見えました。カメラが濡れてしまわないように、お腹に抱えて急いで車に戻るのでありました。
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流れゆく飯山ブルー

2017年05月10日 00時00分50秒 | 飯山線

(お堂の桜@足滝~森宮野原間)

森宮野原の手前、寺石の集落へ向かう道すがらに、桜に囲まれたお堂がありました。昼前に十日町を出る136D、この列車は飯山色の位置的に後追いかサイド打ちの構図を考えます。この1本後の186Dだと単機になるらしいですが、文句は言えませんね。ちなみに186Dに入るとなると、午前中に163Dのスジに乗ってないといけない感じ。昼前から曇って来ましたが、この136Dの通過までは薄日が差してくれました。集落を結ぶ道すがらのお堂と地蔵さま、そして先祖代々のお墓。里の斜面に未だ残雪が見える、妻有の春です。


本来であればこの返しも桜の西大滝で、となるところですが、午前中の展開から桜は期待薄。そしてR117を流していると森宮の先、横倉のトンネルを超えたあたりから長野県内に入って余計に雲が厚くなって参りまして露出も苦しい…。信濃白鳥の付近で、廃屋となったドライブインの前にある大きな桜が花持ちが良いので、この木を使って一枚。サイド打ちだから画角の中で被写体が動く距離が大きいだろうと考えて、どうせ露出ないから逆手に取ってスローシャッターにしてしまった。

きれいな飯山色のブルーラインが、桜の下で流れました。
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TOKYO=OYKOT

2017年05月09日 06時19分48秒 | 飯山線

(中子の桜@新潟県中魚沼郡津南町)

前の投稿で「北信妻有はフォトジェニック」みたいな話をしましたけど、津南町の河岸段丘上にある農業用のため池には「中子の桜」と呼ばれる桜があって、ここもこの季節残雪の中で咲く桜が静かな湖面に映る姿が人気のネイチャー系のフォトスポット。ここは作例を見ると夜明け前の朝もや立ち込める中を幻想的に撮るのがキモみたいですね。昼間に行ったら明る過ぎるのと湖面が波立っちゃって雰囲気があんまり出なかった。既に残雪も消えかかっているし、かように写真と言うのはタイミングが難しいものである。


昼の136Dを待つ間に、時間があるので森宮野原まで出てみる。「森宮/野原」と分けたくなるところだが、正式には「森/宮野原」。長野県側の栄村森集落と、川を挟んだ反対側にある新潟側の津南町宮野原集落の合成駅名である。島式の交換ホームに、かつての貨物ホーム跡と側線が何本か。夜間には翌朝始発の2列車の滞泊があって、乗務員の詰所もある飯山線の主幹駅。冬季は除雪関連の作業基地にもなっているそうな。


森宮野原と言えば、鉄道の数字的なデータが好きな方なら真っ先に「日本の中で最高積雪深を記録したところでしょう」という答えが返って来るのではないかと思われる。昭和20年2月12日に積雪7.85mの記録。戦時中だけにマユツバじゃねーか説もあるらしいのだが、いずれにしろ温暖化の進む昨今では到底更新出来ない記録であることは間違いなさそうである。ちなみに駅から左に出て坂を下り、県境の宮野原橋を渡って最初の信号を右に折れると手書きの看板が印象的な宮野原温泉と言う温泉があって、黄色いツルツルした実にいい温泉だったのだが、建物は残っていたが廃業していたのが地味にショック。撮影の合間に一浴びさせてもらいたかった。


136Dまでのヒマつぶしに飯山線のリゾート列車「おいこっと」を撮影してみる。まあ言うてもタネ車がキハ110なので見た目でそう変わったところはないのだが、中は「日本の正しい田舎」を思わせる古民家風の懐かしいデザインに改造されているらしい。全車指定席だけど快速扱いなので18きっぱーでも乗車出来ますね。JR東日本的には東京~長野(飯山)~十日町~越後湯沢~東京という回遊ルートの提案だろうか。松之山か野沢温泉あたりで一泊とかすれば、土日きっぷで回るにはちょうどいい距離だしね。


「おいこっと」って何ぞやと思うのですが、「東京と対極にあるような沿線の豊かな田舎感」を表現すべく、「TOKYO」をサカサマに読み替えて「OYKOT」としたらしい。長野新幹線が開通した時はポスターのキャッチコピーで「長野は、東京だ」と言ったり、長野支社は何かと東京を意識したがる傾向があるな(笑)。


森宮野原から足滝に向かっての築堤を行くおいこっと。晴れてりゃ背後の山のブナ林がイイ感じで色を出したと思うんですが、ここに来て空がにわかに掻き曇りだしました。「午後は大気の状態が不安定…」なんて言ってたんだけどクソ気象庁様天気ドンピシャじゃないですか。こんな時だけ当てなくていいんだよ!
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