tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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奈良茶飯(大和の郷土料理)をコンビニ材料で再現!

2013年06月05日 | グルメガイド
奈良茶飯(ならちゃめし)をご存じだろうか。「奈良のうまいもの」郷土料理のHP(県農林部)によると、

米と炒った大豆を茶で炊いたもので、起源は、東大寺と興福寺の寺領から納められる上茶を煎じて、二番茶に塩を加えて米を炊き、一番茶に浸けて食べたと伝えられています。東大寺二月堂の修二会(お水取り)の練行衆の食事に茶がゆとともに献立の中に記録が残されており、僧坊では古くから食されていましたが、江戸時代には庶民の間に広まり、各地に茶飯屋があったということです。また、俳句の句会などでも昔から好んで食されてきました。炒った大豆の他に黒豆、カチグリなどを加えたものもあります。


5/15の勉強会の様子。立っているのは担当の大山理事

食品開発コンサルタントでNPO法人「奈良の食文化研究会」会員の山根清孝さんからは、こんな説明があった。5月15日(水)に開かれた、NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の自主勉強会(奈良の食)の席上で説明していただいたのだ。当日の模様を紹介した第2回「奈良の食」勉強会実施報告によると、

米と炒った大豆を茶で炊いたもので、東大寺や興福寺の僧坊では古くから食されていたが、江戸時代に庶民の間で広まった。江戸時代最大の火事「明暦の大火」の直後、浅草の茶店でこの奈良茶飯にみそ汁や煮豆をそえた「一膳飯」(今の定食の始まり)を提供し評判であった。



また、東海道の川崎宿にあった「万年屋」は、東海道を旅する人や川崎大師に参拝する人の間で、奈良茶飯で有名であった。奈良でも興福寺境内にある「柳茶屋」などで提供されているが、川崎市では平成13年に開催された「大川崎宿祭り」で「万年屋」とともに、「奈良茶飯」が再現された。


山根さんは「大豆を炒るのは、火事で焼けた大豆を使ったことと関係があるのではないか」と推測するが、大豆は炒った方がずっと美味しい。この奈良茶飯、奈良県下の飲食店でお目にかかったことはなくて、私は仕出し割烹井の上さんのお弁当で初めていただいた。炒った大豆が香ばしくて、食が進む。腹もちが良いので、ダイエットにもなる。

いちど自作しようと思いネットで検索すると、レシピはいろんなところに出ていて、例えばかつらぎの味四季めぐりのHP(葛城広域行政事務組合)によると、

■材料(4人分)
米 1・1/2カップ
もち米 1/4カップ
大豆 40g
薄口醤油 小さじ1
塩 小さじ1/2
番茶又はほうじ茶 5g
※節分の炒り豆を利用してもよい。

■作り方
①米ともち米と合わせて洗い、ざるに上げておく。
②大豆は、弱火でよく煎った後、水につけて冷まし皮をむく。
③番茶かほうじ茶を香りよく入れて用意する。
④①の米、②の大豆、薄口醤油、塩と③のお茶を米の1割増しで入れて炊飯する。
⑤蒸らしたら、さっくりと混ぜて茶椀に盛る。好みできざんだ煎茶、栗、あずきなど乗せてもよい。


とあり、案外面倒なのだ。何度も試作したが(もち米は使わずに)、大豆が硬くて食感が悪かったり、お茶が薄くて味がよく出なかったり…。第一、大豆を炒ったり、水に漬けて皮を剥くのは面倒だ(皮を剥いた方が色がきれいになるのだが)。ふと思い出したのが『セイシュンの食卓』という漫画だ。あり合わせの材料やコンビニで手に入る食材を使って手早く美味しい料理を作る、という画期的(?)なレシピ集で、私もよくお世話になった。



堂々たる大和の郷土料理「奈良茶飯」を、『セイシュンの食卓』風にコンビニ材料だけで作れないか、とトライしてみたところ、これが大成功を収めたのだ!

材料は、米、市販の炒り大豆(節分用などで市販されているもの)、ペットボトルほうじ茶。ここに塩と日本酒を少々。炊飯器に研いだ米を入れ、普通の水加減でお茶を入れる。炒り大豆は好みの量、塩と酒はほんの少し(好みで昆布だしの素などを入れても良い)。普通に「炊飯」スイッチを入れて炊くと、あーら不思議、立派な奈良茶飯が出来上がった。炊飯の途中から大豆とほうじ茶の香ばしい匂いが立ちこめて、これはいい。

ペット茶は緑茶(煎茶)でもほうじ茶でも良いが、緑茶ではあまり良い色が出ないし茶の味も薄いので、私はほうじ茶をお薦めする。フジッコの「煎り黒豆」を使えば、また美味しい「黒豆茶飯」になりそうなので、次はこちらにトライすることにしたい。

こんな美味しい「奈良茶飯」は、ぜひユビキタスな郷土料理(奈良のどこの飲食店でも食べられる料理)としていただきたいものだ。その前段として、まずは地元民が『セイシュンの食卓』風奈良茶飯で、美味しさを知っていただきたいと願う。
コメント (2)
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