昨年(2012年)末、旧知の藤野千代さん(奈良女子大学社会連携センター特任教授)から、「公開講座で何か講話をしてもらえませんか」というお話しをいただいた。1年に1回で5年間連続、ということだったので「年に1度なら何とかなるかな」と、軽い気持ちでお引き受けした。全5回共通のタイトルは「奈良にまつわるエトセトラ」とし、1回めは6月22(土)に設定した。
※写真は、すべて藤野特任教授の撮影。とても上手にお撮りいただいた
「初回のテーマは何にされますか?」と聞かれたので「“天誅組入門”で行きます」とお答えした。今年(2013年)が「天誅組挙兵150年」の年だったので、すでに勉強を始めていたのである。半年あれば何とかなるだろう、と考えた。
昨年の6月には仲間うちで五條市で天誅組の史跡を訪ねる(第10回古社寺を歩こう会)というウォーキングツアーを実施した(64人参加)。天誅組研究家の舟久保藍さん(「維新の魁・天誅組」保存伝承・顕彰推進協特別理事)の90分の講話も3回、お聞きした。関連本も何冊か読んだ。今月(6月)には天誅組終焉の地・東吉野村を巡る(第12回古社寺を歩こう会)というバスツアーも実施した(39人参加)。
今年の3月、舟久保さんは『実録 天誅組の変』(淡交社刊 2,300円)というご著書を刊行された。これは天誅組研究書の決定版ともいうべき労作で、隅から隅まで、熟読させていただいた。そのあと4月頃からPower Pointで資料を作り始めたが、これがなかなか進まない。
いきなり天誅組の話に入ると聞く人は戸惑うだろうから、やはり「アヘン戦争」とか「ペリー来航」など、当時の時代背景から入らなければならない。「尊皇攘夷」と「公武合体」の違いなども説明しないといけないし、「和宮降嫁」や「生麦事件」にも触れなければならない。講演場所が奈良女子大(奈良奉行所跡)なので、名奉行として知られる「川路聖謨(かわじ・としあきら)」にも触れなければならない…。と、天誅組の話に入る前に、13枚ものスライドを作ることになってしまった。
14枚めから天誅組の話に入り「十津川郷士」とか「鷲家のおかつ」の話も入れて18枚。結局、合計32枚ものスライドを作ってしまった(配付資料は1ページにスライド4画面を載せるので、スライド枚数は4の倍数にしなければならない)。4月から作り始め、途中、NPO法人の発会式とかツアーガイドとか神社検定の受験とかに阻まれながら、何とか講話の4日前にスライドを完成させてCDに納め、五條市や東吉野村からいただいたパンフレットとともに、無事、藤野さんに手渡すことができた。
藤野さんからは「写真で見る奈良の四季」のようなスライドも準備してほしい、とのリクエストもいただいたので、こちらも矢田寺や喜光寺の花の写真ばかりを10枚(印刷なし)。過去に撮影した写真から簡単に作って、電子メールで送信した。
私はこれまで、「奈良にうまいものあり!」「奈良検定2級必勝講座」「観光立県・奈良の課題」「観光まちづくりの事例研究」「90分でわかる古事記」「広報入門」「人脈の作り方」など、いろんなテーマの講話をお引き受けし、すべてPower Pointで資料を作ってきたが、こんなに時間をかけたのは初めてである。幕末の時代背景から入らなければならなかったので、幕末本を読み返したことに加え、資料によって微妙に記述が違う(集結した十津川郷士の人数とか、諸藩の兵力数など)ので、これらを最も信頼できる『実録 天誅組の変』に基づいて、再チェックしなければならなかったからである。
講話では、主催者がアンケートを取っておられたので、あとでお聞きすると、概ね好評だったとのことで、安心した。「入門編」なので、天誅組に詳しい方には退屈だっただろうが、予備知識のない方には、ちょうど良いレベルだったことだろう。なかには「連続シリーズとして(頻繁に)開催してほしい」という声もあったそうだ。「天誅組入門」は、年内にあと2回、それぞれ別の場所でお話しする予定が入っている。Power Point資料にはどんどん手を入れて、磨き上げていくつもりである。
奈良女子大学社会連携センター「地域公開講座」にお越しいただいた70人の皆さん、ご清聴有難うございました。藤野さん、細部にまでお気遣いいただき、またきれいな写真をたくさんお撮りいただき、有難うございました!
天誅組についてご教示いただきました舟久保藍さん、東吉野村教育委員会教育長の阪本基義さん、天誅組150年顕彰記念実行委員会事務局の上辻元治さん、お世話をおかけいたしました。おかげさまで無事、講話を終えることができました。天誅組150年の今年、五條市や東吉野村にたくさんの人が訪れ、天誅組の熱い「志」に思いを致されますよう、心よりお祈りいたします。
※写真は、すべて藤野特任教授の撮影。とても上手にお撮りいただいた
「初回のテーマは何にされますか?」と聞かれたので「“天誅組入門”で行きます」とお答えした。今年(2013年)が「天誅組挙兵150年」の年だったので、すでに勉強を始めていたのである。半年あれば何とかなるだろう、と考えた。
昨年の6月には仲間うちで五條市で天誅組の史跡を訪ねる(第10回古社寺を歩こう会)というウォーキングツアーを実施した(64人参加)。天誅組研究家の舟久保藍さん(「維新の魁・天誅組」保存伝承・顕彰推進協特別理事)の90分の講話も3回、お聞きした。関連本も何冊か読んだ。今月(6月)には天誅組終焉の地・東吉野村を巡る(第12回古社寺を歩こう会)というバスツアーも実施した(39人参加)。
実録 天誅組の変 | |
舟久保 藍 | |
淡交社 |
今年の3月、舟久保さんは『実録 天誅組の変』(淡交社刊 2,300円)というご著書を刊行された。これは天誅組研究書の決定版ともいうべき労作で、隅から隅まで、熟読させていただいた。そのあと4月頃からPower Pointで資料を作り始めたが、これがなかなか進まない。
いきなり天誅組の話に入ると聞く人は戸惑うだろうから、やはり「アヘン戦争」とか「ペリー来航」など、当時の時代背景から入らなければならない。「尊皇攘夷」と「公武合体」の違いなども説明しないといけないし、「和宮降嫁」や「生麦事件」にも触れなければならない。講演場所が奈良女子大(奈良奉行所跡)なので、名奉行として知られる「川路聖謨(かわじ・としあきら)」にも触れなければならない…。と、天誅組の話に入る前に、13枚ものスライドを作ることになってしまった。
14枚めから天誅組の話に入り「十津川郷士」とか「鷲家のおかつ」の話も入れて18枚。結局、合計32枚ものスライドを作ってしまった(配付資料は1ページにスライド4画面を載せるので、スライド枚数は4の倍数にしなければならない)。4月から作り始め、途中、NPO法人の発会式とかツアーガイドとか神社検定の受験とかに阻まれながら、何とか講話の4日前にスライドを完成させてCDに納め、五條市や東吉野村からいただいたパンフレットとともに、無事、藤野さんに手渡すことができた。
藤野さんからは「写真で見る奈良の四季」のようなスライドも準備してほしい、とのリクエストもいただいたので、こちらも矢田寺や喜光寺の花の写真ばかりを10枚(印刷なし)。過去に撮影した写真から簡単に作って、電子メールで送信した。
私はこれまで、「奈良にうまいものあり!」「奈良検定2級必勝講座」「観光立県・奈良の課題」「観光まちづくりの事例研究」「90分でわかる古事記」「広報入門」「人脈の作り方」など、いろんなテーマの講話をお引き受けし、すべてPower Pointで資料を作ってきたが、こんなに時間をかけたのは初めてである。幕末の時代背景から入らなければならなかったので、幕末本を読み返したことに加え、資料によって微妙に記述が違う(集結した十津川郷士の人数とか、諸藩の兵力数など)ので、これらを最も信頼できる『実録 天誅組の変』に基づいて、再チェックしなければならなかったからである。
講話では、主催者がアンケートを取っておられたので、あとでお聞きすると、概ね好評だったとのことで、安心した。「入門編」なので、天誅組に詳しい方には退屈だっただろうが、予備知識のない方には、ちょうど良いレベルだったことだろう。なかには「連続シリーズとして(頻繁に)開催してほしい」という声もあったそうだ。「天誅組入門」は、年内にあと2回、それぞれ別の場所でお話しする予定が入っている。Power Point資料にはどんどん手を入れて、磨き上げていくつもりである。
奈良女子大学社会連携センター「地域公開講座」にお越しいただいた70人の皆さん、ご清聴有難うございました。藤野さん、細部にまでお気遣いいただき、またきれいな写真をたくさんお撮りいただき、有難うございました!
天誅組についてご教示いただきました舟久保藍さん、東吉野村教育委員会教育長の阪本基義さん、天誅組150年顕彰記念実行委員会事務局の上辻元治さん、お世話をおかけいたしました。おかげさまで無事、講話を終えることができました。天誅組150年の今年、五條市や東吉野村にたくさんの人が訪れ、天誅組の熱い「志」に思いを致されますよう、心よりお祈りいたします。