tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

ミシュランガイドから、奈良のお店の傾向を探る

2011年10月23日 | 日々是雑感
おかげさまで、『ミシュランガイド 京都・大阪・神戸・奈良 2012』の発表(10/18)直前から、当ブログへのアクセス数が急増している。ノーマルの状態では、アクセス人数(IP数)が1,600人、ページビュー(各記事の閲覧数)が5,000件、という数字だった。それが、17日は2,010人(5,702件)、18日は 5,066人(14,485件)、19日は3,654人(10,319件)、20日は2,564人(7,957件)、21日は3,103人(10,540件)、22日は2,420人(7,585件)、という状況で、これは大変有り難いことである。
※トップ写真は「小粋料理 万惣」(ミシュラン奈良一つ星)

なお、ミシュランに掲載された奈良の店舗名は
 【☆☆☆】
和 やまむら(日本料理、奈良市)
 【☆☆】
温石(同、奈良市)▽花墻(同、奈良市)▽夢窓庵(同、奈良市)
 【☆】
味の風にしむら(同、桜井市)▽味の旅人 浪漫(同、奈良市)▽田舎茶屋 千恵(同、桜井市)▽イ・ルンガ(イタリア料理、奈良市)▽尾川(日本料理、大和郡山市)▽かこむら(同、奈良市)▽割烹 きた田(同、奈良市)▽川波(同、奈良市)▽清澄の里 粟(同、奈良市)▽玄(そば、奈良市)▽神戸亭(串揚げ、奈良市)▽お料理 枯淡(日本料理、奈良市)▽食の円居 なず菜(新日本料理、奈良市)▽ステーキ関(鉄板焼き、奈良市)▽蕎麦きり 彦衛門(そば、奈良市)▽蕎麦 菜食 一如庵(同、宇陀市)▽MASUDA(串揚げ、奈良市)▽万惣(日本料理、奈良市)▽ゆう座(寿司、奈良市)▽ラ・カシェット(フランス料理、奈良市)▽ル・ベンケイ(同、大和郡山市)

さて、今回もミシュラン奈良に関係した話題をお届けする。今日のテーマは、ミシュラン奈良の「傾向」である。日本ミシュランタイヤのニュースリリース(10/18付)によると《星の評価の基準は、京都、大阪、神戸、そして奈良においてもミシュランガイドの対象国である他の22カ国と同じです。同一の基準で判断することにより、ミシュランの星は、世界中どこでも同じ価値を持つのです。奈良の一つ星レストランは、ニューヨークまたはパリの一つ星と同じ価値を持つのです。その同一の基準とは、素材の質、調理技術の高さと味付けの完成度、料理の独創性、コストパフォーマンス、そして常に安定した料理全体の一貫性の5つです。これらの基準は、日本料理をはじめとする、あらゆる種類の料理に適用することができます》。

また10/20の奈良新聞で、森田哲史氏(日本ミシュランタイヤ広報部長)は、こう答えていた。なお( )は私の注書きである。《(記者)奈良での評価ポイントはどこか。(森田)調査員チームではないので詳細なコメントはできないが『奈良だから特別どう』ということはない。我々が星をつける基準に合致したということだ。良い例は奈良で選ばれたイタリア料理店(リストランテ・イ・ルンガ)だ。オーナーシェフ(堀江純一郎氏) はイタリア版で星を獲得しており、今回奈良でも選ばれた。世界と全く同じ選び方だったと言える》。

ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良 2012(AMAZON)
  ミシュラン編
  日本ミシュランタイヤ

いずれも「ミシュランの星は、世界中どこでも同じ」で「『奈良だから特別どう』ということはない」と答えている。しかし私の見る限り、自ずと「奈良ならでは」の特徴が浮かび上がっているように思う。それはミシュランの「選び方」かも知れないし、奈良の「土地柄(料理柄)」なのかも知れない。ポイントを列挙してみる。店名はミシュランの掲載順、カッコ内はミシュランの掲載ページである。

●野菜を重視した料理店が評価
「田舎料理 千恵」(P466)、「川波」(P472)、「清澄の里 粟」(P473)、「食の円居(まど)なず菜」(P477)、「蕎麦 菜食 一如庵(いちにょあん)」(P480)と、野菜にこだわったお店が星を獲得した。「大和野菜」の例を引くまでもなく、奈良県の野菜は美味しい。縄文時代、大和盆地は湖だったそうで「だから土地が肥えている」といわれる。また山間部でも、気候的特徴を活かし、通も唸る高原野菜が作られている。

例えば「清澄の里 粟」は、ミシュランでは《山羊の鳴き声が聞こえる小高い丘の上。素材の特徴を生かし、風味をそこなわないように丁寧に味付けをした野菜中心の創作料理が楽しめる。奈良の伝統野菜、エアルーム野菜などの新鮮な素材がコースの中に50種以上も含まれるのは驚きだ》と評価されている。なおエアルーム野菜とは、在来の固定種の野菜のことである。

●カウンター割烹に注目
日本料理店の中でも、いわゆるカウンター割烹がメインのお店がたくさん入っている。「味の風 にしむら」(P464)、「味の旅人 浪漫」(P465)、「かこむら」(P470)、「川波」(P472)、「枯淡」(P476)、「万惣」(P483=トップ写真)など。和牛ステーキ・鉄板焼の「関」(P478)をこのジャンルに含めてもいいかも知れない。桜井市の「味の風 にしむら」などは《奈良のカウンター割烹で10年間修業を積んだ主が住宅街の一角で営む店》(ミシュラン)と紹介されている。


和牛ステーキ関(10/7撮影)。カウンター10席のみ

朝日新聞奈良版(10/19付)に、こんなコメントが出ていた。《選ばれなかった奈良市の老舗料理旅館は選考について「これまで京都や大阪で選ばれた店をみると、1人で料理を作るような小さな店が多いように思う。そういう店の方が、お客さんに行き届いたサービスができるのかも知れない。大きな店で完璧なサービスをしていくのは大変なことです」と話す》とある。

この老舗料理旅館とは、おそらく「菊水楼」のことであろう。何しろABCテレビなどはミシュラン発表日の10/18、夕方のニュース番組「キャスト」で、このお店をご主人のインタビューつきで放送していたのだ。番組のサイトには《うまいものなしと言われた奈良県がミシュランガイドに加わることとなった。奈良を愛した作家も食い物はうまいものがない所と言われていたが、ミシュランガイドに今回奈良県が登場した。ミシュラン入りを果たすのは明治22年開業の「菊水楼」で、料理人・料理関係者も期待していると話している》とあった。

私も「菊水楼」のミシュラン入りを予想していたが、それは見事に外れ、「快適な旅館」の部に四つ星(四黒パビリオン)として掲載されるにとどまった。しかし、菊水楼の「出身者」が営む「和 やまむら」(P488)は三つ星、「枯淡」(P476)は一つ星を獲得した。「味付けの完成度、料理の独創性、コストパフォーマンス」、そして「お店の快適度」を問うミシュランの評価は、「1人で料理を作るような小さな店」に有利に働くのだろうか。


手打ちそば雄町(7/29撮影)

●そば屋、串揚げ屋に星
いわゆる「ごちそう」とは少し違う、そば屋と串揚げ屋に星がついた。そば屋では「玄」(P474)、「蕎麦きり 彦衛門」(P479)、「蕎麦 菜食 一如庵」(P480)、串揚げ屋では「神戸亭」(P475)、「マスダ」(P482)。私はこれまで、「奈良にはうまいそば屋が多い」と喧伝してきた。「手打ちそば雄町」 「かえる庵」 「そば処和」 「蕎麦処 はやし」などがその代表格だが、それには「玄」や「蕎麦きり 彦衛門」の影響があると見ている。串揚げでは東向商店街に、「串カツ たりつ」という手軽で美味しい店がある。多くの観光客が行き交う奈良では、そば屋や串揚げ屋のような気軽なお店に対するニーズが高く、切磋琢磨してレベルの高い店が産まれているのだろう。

以上が、ミシュラン奈良を読んだ私の感想である。奈良県下で最強のグルメサイト「奈良グルメ図鑑」を運営されるnaranaraさんは、ご自身のブログに「ミシュラン2012 ~予想と結果を考察する~ 」という記事を書いておられる。抜粋すると

私は、三つ星1店,二つ星4店,一つ星13店,と予想していたが、結果は三つ星1店,二つ星3店,一つ星21店と 一つ星の数については予想を大きく上回った。

そば に注目してみる。そば は京都から6店 (うちNEW1店)、大阪から10店 (うちNEW5店) 兵庫から7店 (うちNEW2店)となっているが、大阪の伸びをからもわかるように、ミシュラン、けっこう そば好きである。とすれば、私は予想で、そばは 「玄」 1店としたが、3店ぐらい入れてもよかったことになる。

ちなみにこれは串カツでも言えることで、私は1店と予想し 「マスダ」 を推したが、2店とわかっていれば、「神戸亭」 も有力候補であった。外したことの言い訳をするつもりはないが、一つ星が21店も選ばれたことは、驚きである。

ミシュランの三つ星は そのために旅行する価値がある卓越した料理 となっている。ということは、このガイドブックを持ったフランス人、あるいは遠くからやってくる観光客が、飛行機や新幹線を使って、わざわざ新大宮へやってくるということであり、何だかえらいことになりそうである。

また、二つ星は 遠回りをしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理 ということだが、京都を訪れた観光客が関空に直接戻らずに奈良に立ち寄り、高畑や学園前や法蓮を訪れるということである。ちなみに 「夢窓庵」 は我が家から徒歩5分のところにある。 ぜひ我が家にも立ち寄って下さい。

今回、ミシュランに奈良が追加されたことは、奈良にとっては喜ばしいことである。ただ、店の選ばれ方にについては、これで完璧だとは思わない。この店が入っていて、あの店が入っていないのか、という気持ちもないではない。例えば、富雄の 「アコルドゥ」 などは私の感覚では必ず入ると思っていた。ミシュランガイドは毎年 調査をし直して改訂するという。この一回で終わりでないところが何とも楽しみである。これから、行ってない店に少しずつでも行って、微力ながら奈良の食を応援していきたいと思っている。これからもよろしくお願いします。


菊水楼、つる由アコルドゥなど、前評判の高い店が入らなかったことは意外であるし、またそこがミシュランの独自路線なのかも知れない。いずれにしても「野菜」「カウンター割烹」「そば、串揚げ」という「奈良の食」のキーワードが抽出できたことは、ミシュラン奈良の大きな成果である。奈良にうまいものあり。皆さんも、ぜひ奈良のお店をお訪ねください!
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ミシュラン奈良 ホテル・旅館の快適度(2011Topic)

2011年10月22日 | お知らせ
昨日(10/21)、『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012』2,520円(税込)が発売された。朝の出勤時に啓林堂書店奈良店の前を通ると、お店が時間を繰り上げて開店していて、店先にテーブルを置いて本を販売されていた。これは力が入っている。産経新聞奈良版(10/22付)によると、《ミシュランガイド発売 「ミシュランマン」と「せんとくん」PR 奈良》《レストランなどを星の数で格付けする「ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012」が21日、発売された。新たに掲載されたレストランが周辺にある奈良市内の書店では、発行元のキャラクター「ミシュランマン」と県のマスコット「せんとくん」がタッグを組んで発売をPRした》。
※トップ写真は、啓林堂書店奈良店前で(小西さくら通り)

《今回のミシュランガイドには奈良も加わり、県内の計25店舗が三つ星1、二つ星3、一つ星21を獲得した。同市西御門町の「啓林堂書店奈良店」は、18日の記者発表直後から発売日の問い合わせや予約が相次ぎ、200冊を入荷。同店は「『ハリーポッター』シリーズ以来の入荷数。定価(2400円)は割高だが内容は充実している」と話し、売れ行きに期待を寄せた》。

《この日は、ミシュランマンとせんとくんが同店の店頭に登場し、買い物客や観光客と握手や写真撮影しながら、宣伝していた。ミシュランガイドを購入した同市法蓮町の主婦、出口真知子さん(43)は「奈良においしいものはないといわれるが、行ったことのある店も掲載されていてうれしい。幼稚園のママ友との食事会で利用したい」と話していた》。

読売新聞奈良版(10/22付)も、《奈良加わったミシュラン せんとくんらもPR》の見出しで報じている。《出勤前に購入した大和郡山市の会社員上村睦司さん(51)は「いままでは『奈良にうまいものなし』と言われたが、これで友人が来たら、胸をはって掲載店に連れて行ける」と喜んでいた》。「奈良にうまいものなし」という誤解は、これほど県民のトラウマになっていたのだ。誤った先入観から解放され、これからは自信を持って「奈良にうまいものあり」をPRしていただきたいものだ。

ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良 2012(AMAZON)
  ミシュラン編
  日本ミシュランタイヤ
さて、ミシュランガイドにホテル・旅館の「快適度」が表示されていることはあまり知られていない。それどころか、14軒の「快適なホテル・旅館」がリストアップされていることも、知っている人は少ない。ホテル・旅館の快適度は、建物(パビリオン)の数と色(黒または赤)で示されている。建物の数は1~5の5段階で、黒より赤の方が評価が高い。で、以下にそのリストを紹介することにしたい。話をシンプルにするため、建物の数は数字で、赤は+表示する。詳しいコメントなどは、『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012』をぜひお買い求めいただきたい。

●快適なホテル(5軒)
アジール(2)、奈良(3)、日航(2)、登大路(4+)、フジタ(1)

●快適な旅館(9軒)
飛鳥荘(3)、春日(3+)、観鹿荘(3)、菊水楼(4)、四季亭(4+)、月日亭(3)、平城(3+)、三笠(3+)、よしだや(3)


奈良で最高ランクは、登大路ホテルと四季亭の「4+」(4赤パビリオン)となった。「4+」とは、ものすごい高評価である。なにしろ京都のオークラ、ハイアットリージェンシー、キザシ ザ スイートが「4+」なのだ(グランヴィアは「4」)。なお大阪のリッツカールトンは「5」、帝国ホテルは「4」である。

この結果を受け、登大路ホテルは、すでに東急系のトップツアー株式会社が、シッカリとニュースリリースを出していた(10/21付)。見出しは《奈良【登大路ホテル】 ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012で4赤パビリオンを獲得》だ。《登大路ホテル(奈良県奈良市登大路町40-1、総支配人:田口 憲〔たぐち けん〕)は、ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012で、宿泊施設の格付けにおいて4赤パビリオンを獲得いたしました》。 

《ミシュランガイドは、レストランだけではなく、快適さやサービスなどで宿泊施設も格付けしています。その分類は1つから5つまでのパビリオンとそのパビリオンの色が赤・黒(赤はより快適であること)で表示されていますが、今回、登大路ホテルは、このうち4赤パビリオンという高い評価を獲得いたしました。これはホテルの内装や外観、そしておもてなしやサービスなどが『最上級でより快適』であると評価されたものです》《当ホテルでは客室限定ながら会員以外のお客様もご利用いただけますので、ぜひこの機会に【登大路ホテル】がご提供させていただく、思い出に残るパーソナルなサービスと優雅な施設をご体験ください》。

宿泊施設の数が少ない奈良県にも、こんなに快適な施設があることは、誇りに思う。皆さん、ぜひ奈良にお泊まりください!
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スーパーニュースアンカー(関西テレビ)に、奈良が登場!(2011Topic)

2011年10月21日 | お知らせ
関西テレビのワイドニュース番組「スーパーニュースアンカー」(16:48~19:00)で、奈良が特集されます! 17時台に20分ほどの奈良特集枠が設けられ、私も4分ほど登場する予定です。キャスターはおなじみ、奈良市在住の山本浩之さんです。

奈良は本格的な秋の観光シーズンを迎え、正倉院展も目前。『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良 2012』は、本日発売です。そんな話題満載の奈良の最新の動きがレポートされる予定です。もちろんミシュラン発表会の様子も紹介されます。

17時台の奈良特集、ぜひ皆さんご覧ください!
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ミシュラン奈良 本日発売!(2011Topic)

2011年10月21日 | お知らせ
《聞こえただろうか? あれは日本が新たな世界の食の中心地に躍り出た音だろうか。現在のところ、少なくともミシュランガイドはそう指摘している》。ウォール・ストリート・ジャーナル(10/19付)は、そう報じた。続きには《厳選したレストランとホテルを紹介する「ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012」のセレクションが18日、発表された。日本語版と英語版で10月21日から発売されるこのミシュランガイドによると、日本は3つ星獲得軒数でフランスを追い越した。昨年はフランス勢と接戦だったが、今回発売されるミシュランガイドによると、日本が大きく引き離している。日本全国では3つ星獲得店は29軒と、フランスを4軒上回った》。その29軒のうちの1軒が、奈良の「和 やまむら」だったのだ。
※トップ写真は、小西さくら通りの啓林堂奈良店前で(10/22追加)

ミシュランガイドの発売日は今日(10/21)のはずだが、昨日、会社帰りにTSUTAYA学園前店を通りかかると、すでにたくさん平積みされていたので、早速1冊買い求めた。星(☆)ではなくアスタリスク(*)で表示されていたことに、初めて気づいた。ぱらぱらとめくると、京都の瓢亭(***)、要庵 西富家(**)、菊乃井露庵(**)、浜作(**)、魚三楼(*)、たん熊北店本店(*)など、私の好きな名店と同じガイド本に奈良の25か店が名前を連ねているのを眺めるのは、壮快な気分であった。

なおミシュランに掲載された奈良の店舗は、
 【☆☆☆】
和 やまむら(日本料理、奈良市)
 【☆☆】
温石(同、奈良市)▽花墻(同、奈良市)▽夢窓庵(同、奈良市)
 【☆】
味の風にしむら(同、桜井市)▽味の旅人 浪漫(同、奈良市)▽田舎茶屋 千恵(同、桜井市)▽イ・ルンガ(イタリア料理、奈良市)▽尾川(日本料理、大和郡山市)▽かこむら(同、奈良市)▽割烹 きた田(同、奈良市)▽川波(同、奈良市)▽清澄の里 粟(同、奈良市)▽玄(そば、奈良市)▽神戸亭(串揚げ、奈良市)▽お料理 枯淡(日本料理、奈良市)▽食の円居 なず菜(新日本料理、奈良市)▽ステーキ関(鉄板焼き、奈良市)▽蕎麦きり 彦衛門(そば、奈良市)▽蕎麦 菜食 一如庵(同、宇陀市)▽MASUDA(串揚げ、奈良市)▽万惣(日本料理、奈良市)▽ゆう座(寿司、奈良市)▽ラ・カシェット(フランス料理、奈良市)▽ル・ベンケイ(同、大和郡山市)


ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良 2012(AMAZON)
  ミシュラン編
  日本ミシュランタイヤ
昨日の奈良新聞(10/20付)に、日本ミシュランタイヤの広報部長(兼社長室長)森田哲史氏へのインタビュー記事が出ていた。見出しは「奈良にうまいものあり 外国人誘客に活用を」。聞き手は同紙経済担当記者の三浦孝仁さんである。かいつまんで内容を紹介する(小見出しは私がつけた)。

●車でゆったり奈良・大和路を
奈良の魅力は歴史・文化と豊富な自然にある。ヨーロッパ人はそんなゆったりとした環境を好む。ミシュランの本業はタイヤなので、ガイド本は車を持つ人の旅行を促す目的で発行している。奈良は観光地の間隔が空いており、素晴らしい顧客もいる。

●奈良に「おいしいものがないわけがない」
奈良の人から「奈良にうまいものなし」と言われ心配したが、これほど歴史・文化・自然が豊かな場所においしいものがないわけがない。実際、三つ星、二つ星を含め25軒に星がついた。「奈良にうまいものあり」の証だ。

良い例は奈良で選ばれたイタリア料理店(注:リストランテ・イ・ルンガ)だ。オーナーシェフ(注:堀江純一郎氏) はイタリア版で星を獲得しており、今回奈良でも選ばれた。世界と全く同じ選び方だったと言える。

ヨーロッパではガイドへの掲載の有無で店の売り上げが相当左右されるようだ。

●外国人客・欧米の日本駐在員の旅行に好影響
ミシュランガイドは英語版もある。近隣府県を周遊していた外国人観光客の中から、奈良に滞在する人が増えるとうれしい。

既存の観光地とは違うところに行きたいという人は多い。奈良の歴史・文化・自然に「食」が加われば効果は出るはずだ。アジアにも欧米の駐在員がたくさんおり、ガイドを誘客のツールとして利用してほしい。


以前、当ブログ記事「ミシュランガイド奈良のお店を勝手に予想!」に、接待人さんから、こんなコメントをいただいた。タイトルは「美味しい料理を」だった。言挙げするのではなく、「食通」の代表的な意見として、ここに紹介させていただく。

《初めて投稿させていただきます。よく接待や大事なお客様で美味しいお店を、奈良、大阪、神戸、京都と食べ歩いています。tetsudaさんには悪いのですが、安くて美味しい料理は、正直今までお目にかかった事がありません。すみません。正直、ミシュランの的確な調査方法、評価は間違いありません。私の予想は奈良は5~7星があればいいでしょう。星に選ばれたお店は、私的に間違いないと思います、10月が楽しみですね》。なお「5~7星」というのは、私が21か店の予想リストを載せたことに対する意見である。

接待人さんに限らず、これが「社用族」といわれる方の大勢意見だったと思う。このような意見は、おそらくひと昔以上前の実体験を踏まえたものだろうし、「接待に使える店」の絶対数が奈良には少なかったので、サンプル数も限られていた。しかし経験談だけに、なかなか反論しづらいところがあった。

それがミシュランのおかげで、決定的に流れが変わった。昨日も紹介したが、門上武司氏(「あまから手帖」編集顧問、フードコラムニスト)などは《「あまから手帖」が初めて奈良の店を特集したのは10年ほど前。それまであまり知られていなかったが、掘り下げてみたら非常にレベルが高くおいしい所があった。さらにこの10年で、奈良のシェフが大阪や神戸、海外のシェフと交流する機会が増え、作る人、食べる人とも飛躍的に進化した。食のイメージがなかったところにミシュランが注目した影響は大きい。まだまだ未開拓の部分もある。今後が楽しみだ》(朝日新聞10/19付)とコメントされていた。

門上氏が指摘されるように、最近は「食べる人」が進化している。単に「ごちそう」を食べるのではなく、料理の演出、地産地消や環境保護、健康への配慮、お店の雰囲気や料理人の人柄にまで、細やかに目配りがされている。作り手と食べ手が切磋琢磨して奈良の「食」のレベルが向上しているのである。

本体価格2,400円の値打ちは十分にある。あまり報道されないが、レストランだけでなく、お薦めの旅館・ホテルも掲載されている。皆さん、ぜひ『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012』をお買い求めください!
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ミシュラン奈良 識者コメントから「奈良の食」を展望する

2011年10月20日 | 日々是雑感
ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良 2012(AMAZON)
  ミシュラン編
  日本ミシュランタイヤ

10/18(火)、『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良 2012』の掲載店が発表され、初登場となる奈良では、25か店が掲載されることになった(掲載店のリストはこちら。最終頁に奈良のお店が紹介されている)。唯一の三つ星店は、新大宮の「和 やまむら」(奈良市芝辻町2丁目)で、奈良新聞(10/20付)によると《三つ星料理「食べたい」 ミシュラン最高評価の「和 やまむら」 お祝い、予約電話鳴り止まず》《19日は昼、夜とも満席。10月中はほぼいっぱいで、11月の予約も約6割ほど埋まったという》《店主の山村信晴さん(58)は「電話が鳴りっぱなしで、それに手をとられている。うれしい反面、常連客に迷惑をかけないか心配」と対応に追われていた》とある。

奈良のお店が掲載されたことに関し、恥ずかしながら私のコメントが読売新聞奈良版(10/19付)に掲載されている。《「正倉院展の帰りに奈良の食を楽しんでもらえるのでは」と相乗公開を期待する》《飲食店を紹介する人気ブロガーの1人で、今回掲載されなかったお気に入りの店も「ネクスト ミシュラン」として発信していくつもりだ》。私はさておくとして、10/19付の新聞各紙には、星を獲得したお店のシェフや地元の識者などが様々にコメントされている。ここから「奈良の食」の現状と方向性が読み取れると思うので、目に止まったものを以下に紹介しておく。

●観光に欠けていた「ピース」を埋めた
1つ星を獲得したイ・ルンガのオーナーシェフ・堀江純一郎氏(40)は《「奈良に来る外国人観光客は多いが、食事などの情報発信が弱かった。ミシュランガイドは奈良観光に欠けていたピースを埋めた」と話し、星を獲得することの意義を語った》(産経新聞奈良版)。

《奈良市観光協会の中村憲児会長は「奈良にうまいものありを発信できることに感謝したい」と強調。「評価に恥じないよう奈良の食文化を醸成させてほしい」と期待を述べた。ホテル経営者で、県中小企業家同友会の八坂豊代表理事は「ミシュランガイドへの掲載は宿泊を含む観光の需要喚起につながる。特に近隣からの来訪に期待したい」と話した》(奈良新聞)。

●「奈良の食文化」を発信
《そば店「玄」(奈良市福智院町)のオーナーシェフ、島崎宏之さん(58)は「奈良にもこういった食文化があることを全国に発信する機会を持てた」と期待を込める》(毎日新聞奈良版)。

《日本料理「お料理 枯淡(こたん)」店主の水川正則さん(45)は老舗料亭「菊水楼」で13年間働き、1999年に独立。関東から来た客の中には「奈良にうまいものを出す店なんかあるのかよ」と冗談を言う人もいた。しかし、帰る時に「おいしかったよ」と言ってくれ、再度、来店してくれる人もいるという。「ミシュランをきっかけに奈良においしい店があるということが広まれば、奈良で夕食を食べる観光客も増える」と期待する》(朝日新聞奈良版)。

日本ミシュランタイヤのベルナール・デルマス社長は《25店の星つきレストランが誕生した奈良についても、「京都や大阪との食文化の交流によって、多彩で魅力的な料理を生み出している。まさに『奈良にうまいものあり』です」と話した》(産経新聞大阪本社版)。


「小粋料理 万惣」の長田耕爾さん

●料理人を育てるのは地元民
日本料理「万惣」(同市鶴舞東2)のオーナーシェフも、長田耕爾さん(56)も「料理人を育てるのは地元の常連さんたちでもある。そういった意味では、奈良のお店がミシュランの星を受けるのは、奈良の食の世界にとても意義があることだ」と語った》(毎日新聞奈良版)。

すし店「ゆう座」の《店主の長門裕二さん(40)は「この10年、いい店が増えた。かつての新住民が年齢を重ね、暮らしに余裕が出てきたのでは」。奈良市の串カツ店「MASUDA」の増田達哉さん(47)は「バブルの頃の社用族が減り、奈良県民が『地元で食べてみるか』となつたこともあるのでは」と地元志向を指摘する》(朝日新聞大阪本社版)。

《ミシュランが出て、これで奈良も元気が出ればいいですね。もちろん、日本国内のあちらこちらから奈良に来ておいしいと言っていただける方が増えるのは結構なことだし、これで、世界からも今まで以上に奈良の食には距離が縮まったかもしれない。ただ、地元の方に地元のお店をもっと知ってもらいたい、もっと愛してもらいたい、とそんな風に思います》(当ブログ記事「ミシュラン奈良に25か店!」に寄せられたKHさんのコメント)

●奈良の食文化が注目されるきっかけに
《奈良の食文化に詳しいNPO法人「奈良の食文化研究会」瀧川潔理事長 古都・奈良は世界から入ってきた食材や文化も日本に合うよう造り変えて取り入れた歴史があるが、当時の食事は庶民レベルでほとんど定着しなかった。だから今、「奈良の食事」といっても、イメージがわかない。ミシュランに載れば、奈良の食が注目されるきっかけになる。歴史や文化、雰囲気など、食べ物にまつわるすべてを味わってほしい》(毎日新聞大阪本社版)。

「味の風にしむら」店主の西村宜久(のりひさ)さん(37)は《「近所の不通の豆腐やさんが実はめちゃめちゃおいしかったりする。でも、ひけらかさない。それも奈良らしさなんでしょうね」》(朝日新聞奈良版)。

●新進気鋭の店が増え、平城遷都1300年祭で盛り上がり
《関西の食雑誌「あまから手帖」中本由美子編集長 奈良では近年、新進気鋭の店が出て来るなど店の層が厚くなっていた。また、昨年の平城遷都1300年祭で食関係も活気づき、さらには「ミシュランが来る」と盛り上がっていた。町においしい店が増えたとの認識が広がると思う》(毎日新聞大阪本社版)。

「和 やまむら」店主の山村信晴さんは《奈良の旧市街地が観光客に注目され、「県外客が増え、おいしい店も増えてきた」と言う》《「大阪や京都とすみ分けしながら、奈良の良さも伝えられたら」》(朝日新聞大阪本社版)。

●ここ10年間で、作り手、食べ手が飛躍的に進化
《雑誌「あまから手帖」編集顧問でフードコラムニストの門上武司さんの話 「あまから手帖」が初めて奈良の店を特集したのは10年ほど前。それまであまり知られていなかったが、掘り下げてみたら非常にレベルが高くおいしい所があった。さらにこの10年で、奈良のシェフが大阪や神戸、海外のシェフと交流する機会が増え、作る人、食べる人とも飛躍的に進化した。食のイメージがなかったところにミシュランが注目した影響は大きい。まだまだ未開拓の部分もある。今後が楽しみだ》(朝日新聞大阪本社版)。

●ホスピタリティを磨け
最後に、辛口のコメントを紹介する。《元リーガロイヤルホテル営業部支配人で、3月まで県新公会堂館長を務めた安村英明さん(65)は「奈良にも一流どころがあるという宣伝にはなるが、観光客が激増するほど簡単ではない」と指摘する。「観光に携わる人が強い歓迎の気持ちを持ち、言葉遣いや身だしなみから正さなければ」》(朝日新聞奈良版)。

いずれも含蓄のあるコメントで、これらを取材して回った記者諸氏には、厚く御礼申し上げる。とりわけ朝日新聞は1面、社会面、奈良版と、3ページにわたる力の入れようで、これは有り難いことである。これからは、決して「奈良にうまいものなし」などとは言わせまい。さて、私は「ネクスト(次の)ミシュラン」「カジュアル(お手軽)ミシュラン」を準備しなければ…。
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