まんじゅう大好き!―酒饅頭・温泉饅頭・全国饅頭の本 | |
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以前、当ブログで「橿原のみやげもん」募集のことをお知らせした。最終審査会が9/27(火)に行われ、鈴音堂・橿原の里の「酒まんじゅう 出世男」が見事、グランプリに輝いた、おめでとうございます!
奈良新聞(9/28付)に《鈴音堂の酒まんじゅう「出世男」 グランプリ 地酒使い風味豊かに》という見出しで紹介されている。《橿原市が市制55周年記念事業で公募したみやげ物発掘プロジェクトの最終審査会が27日、同市小房町のかしはら万葉ホールで行われ、同市兵部町の和菓子店「鈴音堂・橿原の里」の「酒まんじゅう 出世男」がグランプリに輝いた。橿原市にふさわしい食品や工芸品を市内外から公募。県内を中心に千葉県や京阪神から190点の応募があり、60点が1次審査を通過した》。
《グランプリの「出世男」は、同市今井町の地酒を使って風味豊かに仕上げられており、鈴音堂・橿原の里の山本高之・小綱店長(43)が昨年12月に商品化した。準グランプリは同市曽我町の主婦藤井久子さん(73)がたこ焼き器で焼いた「こだい焼き」。クルミ入りのあんを洋風生地で包んだお菓子。入賞10点は推奨シールを付けて市の行事等で販売促進。正副グランプリ2点は市のマスコットキャラクターが印刷された包装紙を使うことができる。森下豊市長は「皆さんが心を込めて作った作品と一緒に、橿原市を盛り上げていきたい」とヒットを願った》。なお、このニュースは朝日新聞奈良版にも掲載されている。
「出世男」の醸造元である河合酒造(同市今井町)は江戸時代から続く蔵元で、建物は国の重要文化財に指定されている。09年からは、今井町出身の茶人・今井宗久(いまい・そうきゅう)にちなみ「宗久」というお酒も販売されている。なお今井宗久は、千利休、津田宗及とともに茶の湯の「天下三宗匠」と称せられたほどの堂々たる茶人である。
以前、私は今井町で鈴音堂の「宗久」という薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう=上用饅頭)をいただいたことがあり、これはとても美味しかった。「酒まんじゅう 出世男」も、ぜひいただきたいものである。ただし、橿原市のみやげ物として売り出すには、もうひとひねり「アピール方法」を考えなければならない。
酒饅頭は《酒母(酒種、麹に酵母を繁殖させたもの)を使って小麦粉の生地を発酵させ、中に餡を入れた饅頭》(Wikipedia)であり、一般的なものである。白い饅頭に「出世男」の焼き印を押し、「地酒の酒母を使っています」というだけでは、インパクトに乏しい。せっかく世界遺産をめざす今井町の地酒を使っているのだから、パッケージやストーリー性を含め、何か観光客を引きつける「演出」がほしいのある。グランプリを受賞したから自然に売れていく、というものではない。市のマスコットキャラクターの包装紙に包まれた「酒まんじゅう 出世男」が、今後どのように販売され、どのように受け入れられていくか、行方を注視したい。
山本さん、これからが勝負です。名実ともに橿原市を代表する「みやげもん」となれるよう、ぜひ頑張ってください!