





我が田舎には、平家の落人伝説が残っていて民話になっている。
私の記憶している話のさわりを一つ。
源氏方の追っ手が来て追求された村人が『平家は玉一つ、源氏は玉二つ・・・』というようなことを言って、下半身をさらし、難を逃れたとか何とか・・。
そのように山間部が多い地で、こんなところにも人が住んでいるのかと思われるような集落が随所にあって、信濃川流域の比較的平地に住んでいる者は、山間部を少しだけ侮蔑を含んだような憐れみを含んだような優越感を含んだような言い方でヤマチ(山地?)と呼んでいた。
そのヤマチの廃校全体をアート会場にした作品群があった。
土(泥)と草と木を素材にしたアートを、他所からやってきて、この地の歴史を知り、根ざそうとするような思い入れで創られているようにも見えた。
『ふ~ん』『なるほどね』と思いつつ、田舎の言葉で「おもしやんだね(面白いものだね)」と呟くだけにとどめる。