なぜかジグモが睡蓮の葉の上にいた。
決して居るはずのないところ。
庭石なんかの接地面に袋状の巣穴を作って棲んでいるヤツだから。
袋を剥がしながら、そっと持ち上げ、よく捕まえたものだった。
ズダボロの袋から出てくるのが、ピカピカの黒とこげ茶のコイツで、いつもワクワクした。
二匹捕まえて手のひらの上で戦わせたりしたが、決してヒトを噛んだりしない。
なぜコイツが葉の上に・・・草刈機のナイロン糸で弾き飛ばされ、ここに着地というか乗ってしまったのかもしれない。
見ていたら身じろぎして水面に落ち、沈み始めた。
こういう持ち重りする体型だから浮くことはできないのか・・。
思わずすくいあげて、観察した後で地面に逃がした。
今まで見たうちの最大級だったけれど、こいつにとっては初めてのとんでもない体験だったはず。