鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

絨毯の処遇 その②

2016年07月15日 05時40分30秒 | 仕方


この絨毯の上で鍋をひっくり返したこともないし、タバコの焦げ跡を作ってもいないし、ちゃぶ台返しをしたこともない。
目立った汚れやシミは無いし、摩り切れ部分もない。
いくら臭いからとて、私がこれを捨てるというのはありえない。
なぜ臭くなったのか考察してみるに、一見汚れもなさそうに見えても、人間の体表からこぼれ落ちる新陳代謝物質が奥深くに潜行していたのではないかと思う。
外部から持ち込んだ菌類も、ダニ類にまつわる全ての細菌などもあっただろう。
それらの中には、ある状態がやって来るまで何年でも休眠状態の種のようなものがあったはずだ。
それらが、おそらくはほとんど私の体に起因する潜伏菌が湿りと高温により、一気に萌芽したのではないか。
偏西風に運ばれてきた微粒子が雨に含まれていた可能性も否定できない。
この臭気に似た感じを経験したことがある。
マウスの繁殖施設と、動物実験棟の臭さ。
でもそれに幾つかの悪臭が加味されたとおぼしき強烈さで、絨毯を置いてるあたりばかりか1階のあらゆる場所にニオイが充満して耐えられなくなった。
捨てることなど考えになかった私にして、廃棄を決断させるこの悪臭。
どんなことにも利用できない負の付加が着いてしまっている。
悪臭我慢大会などというイベントがあるなら使ってもらえるかも知れないくらいのもの。
ついに埋め立てゴミの日に出すことにした。
廃棄処分することにはしたものの、後ろ髪引かれるものがあって、口で息をしつつ部分的に撮ってみた。
よく見れば、なんという模様だろう。
偶像崇拝を排したイスラムの幾何学模様は見惚れることがあるくらい好きだ。
そうではないこれは植物由来の唐草もどきだと思われる。
仮面ライダーに出てきそうな悪役顔はなんとしたものだろう。
繊細で目ざとい子供なら、いきなり泣き出してもおかしくないデザイン。
1万円前後だったという記憶しか残ってないほどに、我が家に永く馴染んだ絨毯だったけれど、金曜日に所定の場所に出す。
クリーニングにも出せないし、減価償却を考えても手間暇かける値打ちがないので仕方がない・・MOTTAINAI。
コメント (4)
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