田舎にある水仙は、喇叭水仙、鈴蘭水仙、口紅水仙もあるけれど、子どもの頃いちばん多かったのが水仙らしからぬ山吹のような乱れ咲きのこれ。
名前があるのかどうか、端正、可憐、清楚、妖艶、美麗といった言葉とは無縁に野暮ったい。
邪魔な庭石を転がしたり移動させたりしたときに、でてきた球根がどの花を咲かせるのか分からないままに持ってきたもの。
根付いて分球もしてからでないと花茎は立ち上がらないのか、一応のひとむらが出来上がってようやく花を咲かせたのがこれだ。
この頃どこで見る水仙も端正な姿だけれど、無いよりはまし、うちはこれでいい。
八重咲きの水仙で調べてみたら、『八重咲き水仙』という名で、日本に入ってきた頃の原種らしい。
違う色の入ったツートンカラー八重咲きもあるのに、うちの単色八重咲きは原種のままの希少種かもしれない。