透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ざらざら

2006-08-06 | A 読書日記



ばらく藤森さんしている間に書店には川上弘美さんの新刊が平積みされていました。『ざらざら』マガジンハウス。
雑誌「クウネル」連載の20篇他を集めた短篇集。色んな恋愛模様。

「クウネル」に川上さんの短編が載ってますよ、知人からそう教えてもらって、ときどき書店で立ち読みをしていました。の雑誌は女性誌、ちょっとためらいながらも。

カバーの薄いクリーム色はこの作家のイメージカラーだと、勝手に決めています。『夜の公園』は、やはり夜をイメージしたのでしょうか、他の本の装丁とは雰囲気が違います。装丁だけではなくて作品の雰囲気もこれまでとは違う、と話題になりました。あの独特の「ふわふわ」感が薄らいで、なまなましいと。

『ざらざら』に収録されている「ときどき、きらいで」にははだかエプロンなどという、オジサン達(ここは断然複数!ミヤサカさんだけじゃない)憧れのシーンが登場しますが、なぜかなまなましくないのに・・・。

て、13日の「週刊ブックレビュー」には久しぶりに川上さんが登場してこの二作品について語ってくれると、番組のHPに出ています。これは注目。

ウネル21号の「海石」は久しぶりにカワカミワールドどまん中な作品。
カワカミワールドは広い世界なのだと理解すれば『夜の公園』だって頷けます。

注)ミヤサカさん:ラジオ番組「小沢昭一的こころ」に登場するオジサン

 


これで おしまい

2006-08-06 | A あれこれ

 ○1 神長官守矢史料館 ○2 同館 外壁 ○3 妻垂れ

今回で藤森さんのファンサイトはおしまい。

最後はやはりこの作品、デビュー作の神長官守矢史料館。
伝統的な民家には見られない不思議な形だが、何故か懐かしいと感じる。

妻垂れ(3)は諏訪地方の民家に見ることが出来る、妻壁を雨から保護する垂れ壁。藤森さんはこの妻垂れで史料館の外壁を覆った。サワラの手割の板を使っている。屋根は地元産の鉄平石を葺いた。写真では分からないが破風板の止め方はこの地方の古い民家のそれに倣っている。

「懐かしさ」の理由はこの辺にありそうだ。
藤森さんの作品は全てこの路線。
やはりデビュー作にはその後の作品の全てが詰まっている。

展示について(しおりから)
**神長官守矢が司る諏訪大社上社の祭祀のうちもっとも大がかりでかつ神秘的なのは御頭祭である。ここでは長期にわたるこの祭のピークをなす前宮十間廊で行われる「神と人との饗宴」の供物の一部を復元し展示している**
のだそうだ。

○4 内部展示の様子