透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

連想ゲーム

2006-08-12 | A あれこれ

 
銀座ミキモト(060408)

 建築構造家の佐々木睦朗氏は「せんだいメディアテーク」で伊東豊雄氏のピュアなコンセプトを卓越した構造センスで見事に具現化して見せた。ふたりのコラボはその後「まつもと市民芸術館」を経てこの「銀座ミキモト」(写真)へと続く。

昨年末、この商業ビルが東京銀座に竣工した。今春、このビルの外観だけ見る機会があった。

鋼板コンクリート構造。2枚の鋼板の間にコンクリートを充填して、約14×17mの外形を形成している。この作品を紹介している雑誌の佐々木氏の解説文によると、伊東氏は単なる表層的な装飾ではなく、構造と一体化した象徴的なファサードをイメージしていたそうだ。

厚さがわずか20cmの壁で高さ50m近い高層ビルが実現した(このビルには鉄骨の柱が無い)。面的な構造システムであるためにいくつもの応力伝達経路を内在していて、リダンダンシーが高いという。

Redundancy 冗長性とは狭義には建造物や機械類・システムの設計における余裕を指し、その対象物に想定される負荷、および、要求される性能に対し、それより多め、大きめに設計された「余裕」や「余地」を指す。

子どもの感性は時として大人が予期しないような見方を提示する。

A:「このピンク、かわいい!」
M:「でも、なんだか虫に喰われたキャベツの葉っぱみたい」

設計者の手を離れた建築作品は、いかなる感想も受容しなくてはならない存在となる。


 

 


三浦しをんを読もう!

2006-08-12 | A 読書日記

 

『**久々に本屋へ行き、直木賞受賞のまほろ駅前 多田便利軒』/ 三浦しをんを買いました。カバーの写真が面白かったので。(中略) 結局、即日読破の1冊でした。** 知人からメールで紹介された三浦しをん。

先日書店に出かけたが、『ざらざら』に遭遇してカワカミワールドに浸ってしまった(Kさんごめん)。でも三浦しをん、気になって『しをんのしおり』新潮文庫を昨日購入した。オモシロイ! カバーには笑い出したら止まらない、抱腹微苦笑ミラクルエッセイとある。

**最近、少々おむずかりのご様子のマイ・マックちゃん。突然電源を落としたりしちゃうんだ。ンもう! (中略) 急に「フシュー」とか言って電源をおとすというのは何事か。君は蒸気機関車かね?(中略)「今度やったら本当にブン殴るんだから!あんたの青い顔をさらに青あざだらけにしてやるんだから!」といいたくなる。**

こんな調子のエッセイのオンパレード。

若い人の元気な文章、暑い夏に読むのにはいい。夏休みは三浦しをんに決めた!『まほろ駅前 多田便利軒』を読もう。確か角川文庫にもあったな。新潮文庫にもまだあるな。


 

 


開智学校のエンジェル

2006-08-12 | A あれこれ


開智学校 (060811)

 開智学校を見学してきました。外観の写真、何とかオリジナルなポイントを探そうとしたんですが、結局このアングルなんですよね。

開智学校って日本の教育史にも登場するし、近代建築史にもまず例外なく登場します、それも写真付きで。受付で受け取ったパンフレットによると建設費の約7割が地元松本の住民の寄付で賄われたそうです。設計と施工は同一人物で、立石清重という大工棟梁ということも紹介されています。東京方面へ出掛けて西洋館の勉強をしてきたとか。明治になったから、寺子屋みたいなイメージではダメっていう空気だったんでしょうね、きっと。

建設当時は正面やや右側に立派な門があってそこから敷地内に入り正面玄関にアプローチするようになっていたことがパンフレットの写真で分かります。やはり当時のアプローチがベストだと思います。現在そのようになっていないのは残念です。

ところで正面のバルコニーの屋根の下でエンジェルが「開智學校」という横断幕を掲げています。以前このエンジェルが男の子だと何かで読んだ記憶があって、その確認に行ってきたんです。あそこが凹か凸かどっちなんだ。

分かりました、男の子。でもどうして? そもそもエンジェルって女の子じゃなかったかな。違う? はっきり男の子って分かるように、わざわざ凸をくっつけたのにはきっと理由があるはず。それは何故?

それにしてもこんなに凝った学校を造ったなんて・・・。当時の人たちの教育に寄せる関心、期待の大きさが窺えます。