透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

2003UB313

2006-08-17 | A あれこれ

 

 SFの世界では宇宙の果てまでいとも簡単にすっ飛んでいくことが出来てしまう。だがこの『火星縦断』ジェフリー・A・ランディス/ハヤカワ文庫を読むと(これもSFだが)、火星に行ってくることすら大変なことなんだということを知ることになる。文庫本の帯で分かるが作者はNASAの現役研究者だ。

2028年、六人の第三次火星探検隊が火星に着陸するところから、このSFは始まる。着陸早々、帰還船で事故が発生してしまう。どうやって地球に帰還するのか・・・。手段は一つ、第一次探検隊が残した帰還船を利用すること。

第一次探検隊が事故で死亡したために彼らの帰還船が残されているのだが、その場所は(火星の)北極点。第三次観測隊が着陸したのは赤道よりまだ南。北極点をめざして6000キロの火星縦断の旅が始まる。ちょっと冗長ではあるが(550ページの長編)なかなか面白かった。

前ふりが長くなってしまった。今朝の新聞の一面に「太陽系惑星3個増え12」という記事が載っていた。現在プラハで開催中の国際天文学連合の総会で議論されているとのことだ。

「セレス」「カロン」という名前はいいとしても「2003UB313」って何だ? 調べてみるとどうやら仮符合ということだ。なんだか製造番号みたいだな。早く名前をつけてもらわないと覚えられない・・・。

カロンは今までは冥王星の衛星だとされていたそうだが、ワルツを踊るようにお互い回りながら(我ながらオシャレな喩えを思いついたものだ)太陽の周りを回っているとのことだ。双子惑星ということか。このふたつの天体を惑星とすることには異論もあるようだ。雑誌「ニュートン」の付録の太陽系の天体を紹介するポスターを見ているが(写真参照)冥王星もカロンも月より小さい。

「2003UB313」が発見されたカイパーベルトという領域にはまだまだ惑星候補がたくさん存在するといわれているらしい。結果的に20個とか30個とかになったらもう覚えられないだろう。

ところで地球の衛星は月が一つだけだが、他の惑星のようにいくつもあったら生活習慣などが全く違っていただろうな、と思う。月見うどんのタマゴの数だって・・・。  

 


しをん的日常

2006-08-17 | A あれこれ



アルコールな夏休み。

|三浦しをんさんて和服の似合う人だっけ?
三浦しをんの『まほろ駅前多田便利軒』を紹介してくれた知人に、先日こんな返事を出してしまった。たぶん相手は??だったに違いない。
しをんさん、なんだか外見とイメージ違うな~、と思いながらこの本を読み始めていた。

私は気がついた。和服の似合う人は歌人の水原紫苑(しおん)さんだったことに。彼女はときどき「週刊ブックレビュー」に登場する。
二人の名前、なんだか似ている。「ンナ、全然違うジャン」と突っ込まれそうだが。

ではいったい、しをんさんはどんな人?
なぜか文庫のカバーの折り返しに写真が載ってない。
ネットで検索してみた、ヒット、ヒット!って高校野球の実況みたいにヒットした。 ハ~ン、なんだかイメージが合ってきた。

しをんさんは『しをんのしおり』のタイトルは、本当ならば「人生劇場」になるはずだった、と書いている。ところが編集部の偉い人、エルメスのネクタイをした加藤氏の横槍が入って『しをんのしおり』に決まったとある。

『人生場』今回のエッセイ集のタイトルは彼女のこだわりなのかもしれない。でも劇場ではなくて激情、おっと激場に何故したのかは不明。

週刊新潮に連載したものをまとめたということだがそのタイトルが「人生激場」なのかな。それにしてもオモシロイ。
ライバル誌、週刊文春の室井さんのエッセイ「すっぴん魂」といい勝負だな、これは。 しをんさんの作品、全部読もう・・・。

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