透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

雨が小粒の真珠なら

2007-09-30 | A あれこれ

 アルコールなブログだと断ってから書かないと・・・。

どこか落ち着くところに出かけよう、と今朝思ったが適当なところが思い浮かばなかった。A+!は紅茶専門、コーヒーが飲めない。で、終日自宅で過ごした。

 雑誌 yom yom 、まず川上弘美を読んだ。「濡れたおんなの慕情」ってアダルトビデオのタイトルだった。

**衿子の手が、おれの手を握った。おれはしびれたようになった。身を引こうとしたけれど、うまくできなかった。いつか坂田の部屋で見た「濡れたおんなの慕情」の一場面を、おれはありありと思い出した。義理の母親が、高校生の息子の手を握り、自分の胸に持っていく場面だった。**

意図的にごく一部、こんなところだけ引用すると、とんでもない印象を与えてしまう・・・。これは低俗なポルノ小説じゃないか、というような。

衿子は十二歳違いのおれの義理の母親、でも川上弘美の小説ではその先は **むろん衿子はぜんぜん「濡れた」方面には、おれをみちびこうとしなかった。** となる。神崎京介じゃないぞ。

川上弘美はこういう小説も書く。厳しく評して★☆☆☆☆(★ひとつ)

今回、この雑誌に収録されている作品(大半が短篇)は総じて「軽い」。日常的な出来事を綴っているだけで「人生」を描いていない・・・。もちろん短篇だって人生は描ける。例えば『山月記』、中島敦はたった9頁(新潮文庫)で孤独な人生を描き切っている。

なんだか厳しいじゃないか。アルコール効果か?
「濡れたおんなの慕情」を★★★★☆位に評価するような気持ちでないと。
 
「ソリチュード」山本文緒、これは100頁位の中篇。
読んだ中では一番良くて★★★☆☆。

田舎に帰ったおれは昔の恋人美緒と再会。美緒は既に別の男と結婚していた・・・。美緒の娘の一花(いっか)とおれとの心の交流。

本文とは全く関係のない今回のタイトル 

♪「雨の中の二人」

雨が小粒の真珠なら 恋はピンクのバラの花・・・

 


雨の休日

2007-09-30 | A 読書日記



■ 雨の日曜日、肌寒い朝。先日までの厳しい残暑がうそのよう。

「赤」でデビューした雑誌yomyom、今回は「紫」。写真の色の再現性がよくない、実際はもっと赤味がかった色。

川上弘美の短篇だけで680円払ってもいい。山本文緒、角田光代、阿川佐和子、恩田陸、金原ひとみ、島本理生、森まゆみ、松本侑子、三浦しをん・・・、敢えて女性作家だけ挙げたが豪華。この雑誌はお買い得だと思う。広告がほとんど無くてスッキリしているところもいい。

今日は雨降り、特に予定なし。ならば読むしかない。『彼岸過迄』とこの雑誌を持ってどこか落ち着くところに出かけよう。コーヒー飲みながら小さな幸せに浸ろう・・・。

ところで川上さん「濡れたおんなの慕情」って、今回は一体何を書いたの?