飛騨高山の民家(070928)
■ 高山の民家を再び載せる。これぞ繰り返しの美学!
高山地方は雪が多い。屋根の構造は積雪荷重に耐えられるように出し桁造りになっている。因みに垂木だけで軒先を構成するのが一般的な方法。
出し桁造りとは腕木(持ち出し梁)によって外壁面より外に出した桁(出し桁)に垂木を架ける構造のこと。おそらくこの地方独自の名前が付けられていると思う。調べてみたい。
小口を白く塗った腕木、その等間隔の繰り返しがリズミカルで実に美しい。同様のデザインが1階の庇にも採られている。
腕木の下に添えられた補強材の先端には独特の意匠が施されている。以前も書いたが、これは大工さんの「サイン」。それぞれ独自の形を持っているとのこと。このサインを見れば誰が施工したのか分かる、という訳だ。
下の写真は同じく高山市内で撮ったもの。この交流宿泊施設の軒に注目。上の民家と同様に桁を持ち出して、垂木を架けている。この施設はRC造だからこのようにしなくても構造的にはもちろん成立するが、設計者は敢えてこの地方の伝統的な民家のデザインに倣ったのだろう。
その地方独特のデザインを現代建築に採り入れること、デザインの継承をもっと積極的にしてもいいのではないか、と思う。別に直喩的な採り込みである必要はないけれど・・・。