■ 人工素材で造った住まいで人がぜんそくやアレルギー症状を呈するシックハウス症候群が社会問題となりました。その反省から出来るだけ天然素材で住まいを造りたいと希望する人が増えてきたと聞きます。
前稿では触れませんでしたが北京オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」の工事の様子を追ったドキュメンタリーで「鳥の巣」に鳥が巣をつくったことを紹介していました。
鳥の巣だから天然素材で出来ていると思いきや、番組で紹介された巣には小枝の替わりに工事現場の針金などが使われていました。鳥は営巣地で簡単に入手できる材料を使って巣づくりをします。どうやらこの工事現場は鳥たちが簡単に巣の材料を見つけることができる環境だったようです。
番組は国営のCCTV(中国中央電視台)で制作されたのですが、「鳥の巣」の印象について「ただのガラクタに見える」というお年寄りのコメントも放送されました。よくカットしなかったと思います。
設計者は番組の中で**文化が凝縮されて建築の中に表現されている**と語っていました。確かに、東京オリンピックの会場の代々木体育館には日本の美、日本の文化を感じます。
「鳥の巣」は今の中国を象徴しているのでしょうか・・・。仮にそうだとしても「鳥の巣」から読み取る中国の今は人によって異なるでしょうね。