(再)撮影日161022
■ 上田市真田町傍陽曲尾で見かけた火の見櫓。先日取り上げているが、再度。
脚が4本、4角形の櫓。末広がりのカーブが絶妙、これ以上カーブがきつくても、なだらかでもダメ、このカーブしかない。この櫓の形は構造力学的な合理性からくる必然であり、東京タワーにも似ている。
踊り場が東信方面では一般的なカンガルーポケット(私が勝手に呼んでいる)だから、柱が脚元から見張り台のところまで途切れることなく見えている。4本の柱をつないでいる水平部材の間隔が上方に行くにしたがって狭くなっているが、この逓減も好い。
屋根も見張り台も形が整っていて美しく、両者の大きさのバランスも良い。スピーカーなど「余分なもの」がついていないのも好ましい。
方形(ほうぎょう:4角錘)屋根の先には蝶の口吻にも、山菜のワラビにも似た飾りがついている。祭り神輿の屋根にもついているこの飾りは蕨手。
円形の見張り台、手すりはシンプルで飾りもない。
消防信号板が見張り台にあるが、消防団員が半鐘を叩くときに参照しやすく、この位置が好ましい。
既に700基を超える火の見櫓を見てきたが、その中で姿・形が整っていて美しいことに関してはベスト3に入るだろう。