透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― 訳あって復習

2016-11-06 | A 火の見櫓っておもしろい

 FM長野の番組で火の見櫓について語ることになった。10日の収録に備えて火の見櫓観察ポイントの復習。少し手を加えた(改訂161106)。

1 火の見櫓の立地、環境

10 周辺の環境(例:傾斜地、高台、市街地、郊外など)

11 立地(例:公民館の敷地、神社の境内、道路沿い・辻、道路またぎのものもある)
12 観察時の季節や天候、時間帯(例:桜の開花時期、紅葉の季節、降雪時、降雨時など、
   朝焼け時、夕焼け時など)
13 消防詰所(屯所)や消防倉庫の有無、火の見櫓との位置関係やデザイン
14 その他

2 火の見櫓の全体の様子 

20 型:柱型(1本柱)、梯子型(2本柱、控え柱の有無)、
   櫓型(3本柱、4本柱 その他の型)
21 櫓の高さ、脚の長さ、脚間距離
22 プロポーション:上方への絞り方 曲線状(櫓が描く曲線の様子)、直線状
   総高/脚間長さ、逓減率

23 屋根と見張り台の形、大きさ及びバランス(屋根と見張り台の離れ)
24 色 (防錆塗装のシルバー、赤、青、緑、茶、その他の色)
25 損傷の有無 発錆状況など
26 その他

3 火の見櫓を構成する各部分の様子

310 屋根の有無 屋根の形(平面形と立体形)反り・むくりの有無

311 屋根の飾り(避雷針と飾り、蕨手、その他)
320 半鐘の有無 半鐘の設置位置、形(梵鐘形の凹凸、平滑なもの)表面の様子 
    
双盤・ドラ形、板木、その他 
321 半鐘用の小屋根の有無、形(主として踊り場に設置した半鐘について)
322 見張り台の有無 見張り台の形、床の構成、手すりのデザイン
330 踊り場の有無 踊り場の形、床の構成、手すりのデザイン
340 櫓の平面形(3角形、4角形(正方形、台形)、その他
341 櫓の構成部材(鋼材:等辺山形鋼、鋼管、平鋼、丸鋼、木材、石、
    コンクリート、その他、他用途のものの転用)
342 櫓の構成部材の寸法、接合方法(鋼材:リベット、溶接、ボルト)
    ブレース(筋かい)の材料(丸鋼、山形鋼、平鋼、その他)と構成 
343 横架材の間隔  

350 梯子の設置の仕方(櫓の内部、外部、櫓の横架材利用)
    詰所・屯所との間のかけ渡し

351 梯子の構成部材 手すりの有無など
360 脚部のデザイン 単脚、複合脚(トラスの組み方やアーチ材の有無、カーブの様子)
370 基礎:独立基礎、一体型基礎(塊状基礎)、台柱、その他
381 消防信号表示板の有無、材質(鋼板、木板)、色・デザイン 
382 銘板の有無と記載内容(製造所名、消防団名、製造年、寄贈者名など)
383 付加されているもの(スピーカー、モーターサイレン、アンテナ、照明、赤色灯、
    ウィンチ、ソーラーパネル、ホース掛け、火の用心の看板など)の有無 
390   その他

4 その他 

40 観察者の主観的な印象、観察者個人の関心について
41 地元住民の関わり方、建設のエピソードなど
42 その他


更に手を加えてもう少し論理的な根拠に依り体系化したい。


小海町のマンホール蓋

2016-11-06 | B 地面の蓋っておもしろい


火の見櫓(747) 南佐久郡小海町本間にて 撮影日16103

◎ 小海町は南佐久環境衛生組合を構成する町。マンホール蓋のデザインはやはり同組合を構成する旧佐久町と旧八千穂村から成る佐久穂町のものと同じ。

この蓋を見た時、佐久穂町で見たマンホール蓋と同じデザインだったので、一瞬「あれ?」と思った。町の名前が無くて「南佐久公共下水」と記してあったので、「あ、そうか!」と納得。


161103の取材の成果は以上。


715 小海町本間の火の見櫓

2016-11-06 | A 火の見櫓っておもしろい


715 小海町本間  右側は本間公民館

 櫓は曲線的な末広がりではなく、直線的な広がり。



木槌が半鐘と同じところに吊るしてある。風が吹けば半鐘が鳴るかも。



見張り台と同じデザインの踊り場の手すり。避雷針の飾りも似ている。デザインのトータリティという観点からすれば、好ましい。 

対称的な火の見櫓に変化を与える踊り場・カンガルーポケットは中信地方では見かけない。



脚部は4面ともアーチ部材を用いた開放型。


 


佐久穂町のマンホール蓋

2016-11-06 | B 地面の蓋っておもしろい


火の見櫓(746)とマンホール蓋 佐久穂町宿岩 撮影日161103


南佐久環境衛生組合のマンホール蓋

◎ この組合は旧臼田町(現佐久市)、旧佐久町(現佐久穂町)、旧八千穂村(現佐久穂町)、小海町から成る4町村の広域下水道として平成6年に発足した。翌平成7年度から本格的な工事に着手し、平成12年(2000年)4月に供用開始した(長野県のHPによる)。

蓋は縦横に4分割した枠の中に4町村の花をデザインしたもの。

右上から右回りにサラサドウダンツツジ(小海町)、キキョウ(臼田町)、クリンソウ(八千穂村)、キク(佐久町)を配している。四角い枠の中に「南佐久公共下水」と記す。一方向から見るデザイン。





714 佐久穂町宿岩の火の見櫓

2016-11-06 | A 火の見櫓っておもしろい


714 佐久穂町宿岩 撮影日161103

■ 予定していた東御市、小諸市、御代田町、軽井沢町の4市町を巡り終えて、佐久市を抜け、佐久穂町、小海町(アニメ映画「君の名は。」の監督、新海誠さんの出身地)、南牧村を通って帰ってきた。帰路目にした火の見櫓を載せる。この辺りは別の機会に巡るつもり。



3角形の櫓に6角形の屋根を載せている。これはごく一般的な組合せ。屋根の飾りに注目。丸い団子を突き刺したような先端の、いや木琴のバチのような避雷針。

火の見櫓の装飾は限定的で、屋根と見張り台・踊り場の手すりくらいのもの。他の部位にあっても数は少ない。



梯子の上端が見張り台の床で終わっている。これは登り降りするのが怖い。床面の開口がかなり大きいが、手すりを設置するなどの配慮がない(などと批判的に書いてはまずいかな・・・)。下の火の見櫓は梯子を床面より上まで伸ばし、開口上部に落下防止対策としてコの字形の手すりを設置している。

案外気がつかずに安全への配慮が足りない設計をしてしまっているかもしれない。反省。

人の設計見て 我が設計直せ



上田市殿城


 


713 なぜ火の見櫓のある風景は魅力的なのか

2016-11-06 | A 火の見櫓っておもしろい


713 佐久市本新町 撮影日16103

 なぜ火の見櫓のある風景は魅力的なのだろう・・・。

まっすぐ伸びる道が遠近感を強調し、視線を奥へ誘導する。点景としての火の見櫓がその視線を手前に引き戻し、上方へ導く。視線の後方と上方への誘導が空間の広がりと変化を強調する。見る者の美的感性に訴えかける風景。凡庸な風景が美しくなる。


 


712 御代田町の火の見櫓 屋根に注目

2016-11-06 | A 火の見櫓っておもしろい


712 北佐久郡御代田町御代田 撮影日161103



 スレンダーな火の見櫓。櫓はなめらかなカーブを描いて末広がりになっている。 踊り場のカンガルーポケットが4角だとやはり火の見櫓の姿が硬い印象になる。見張り台の手すりに合わせた形の方が好み。



スピーカーは無い方がすっきりしていいのだが・・・。



この火の見櫓の屋根に注目。

屋根の各面に開口を設けている。屋根の中に設置したサイレンの音がこもることなく伝わるように、という意図だろう。塩尻市の奈良井宿にも同様のものがある(過去ログ)。



火の見櫓の屋根面の開口を見ていて、この民家を思い出した。昔、山形県内で見た民家の茅葺き屋根の開口、はっぽう。雨仕舞からくる必然的な形は当然似ている。







脚部の直上の逆U字形のところから櫓の中に入り、櫓内の梯子を登るようにしている。そうしないと水平ブレースがじゃま。

脚部のトラス構成が手前右側の脚だけ違う。何か意図があってのことだろうか・・・。



消防団詰所のシャッターに描かれた絵。火消の法被の衿に「小田井宿」と入れている。ここ御代田に中山道の小田井宿があった。