信州スカイパークにて 撮影日2022.11.07
晩秋彩々
気象庁のホームぺージから
■ 朝の情報番組の天気予報を見ていて、ふと思った。群馬県と栃木県、どちらが広いんだろう・・・。天気予報で示されるのはこのような地図だが、群馬県の方が広いような気もするし、栃木県の方が広いような気もする・・・。
調べてみた。群馬県は6362平方キロメートル、栃木県は6408平方キロメートルで栃木県の方が広い。栃木県を1とすると群馬県は0.9928で、面積の差は1パーセントない。ざっくり捉えれば両県の面積はほぼ等しいということになる。
脳は面積比率をかなり正確に捉えているものだ。
①
北安曇郡白馬村神城 2022.11.11
■ 向かって右側に立つ男神は盃を手に持ち、左側に立つ女神は酒器を手に持つ酒器像(祝言像)。お互い内側の腕を相手の肩に回している。紙垂で隠されることなく、相手の肩に掛けた手が写っている写真が1枚あった。写真は常に複数枚撮らなくては。
注連縄に玉串。神事が行われた直後だったのかもしれない。像が鮮明だ。新たに祀られた道祖神だろうか、礎石まわりの掘削土の埋め戻しがまだ終わっていないような様子だった。
②
■ 以下追記 この双体道祖神について、平安貴族の衣装を身にまとう道祖神などと安易に書いたところ茲愉有人さんから**「平安貴族の衣装」とはちょっと違う印象を抱きました。**というコメントをいただいた。なるほど、確かに女神の服装を見れば一目瞭然ではないか。**双体道祖神の造形は多様ですね。興味がつきません。**とコメントを結んでいただいているが、これは私への優しい配慮というべきであろう。
③
服装の知識もなく、安易に記事にしてしまったことを反省しなくては。下に追加した写真④は安曇野市内に祀られている道祖神。やはり盃と酒器を手に持っていて両者は同じ型に入る。見比べると、顔の表情も違うし、女神の服装も明らかに違う。④の男神は垂纓冠(すいえいかん)をつけ、冠のひもをあごの下で結んでいる。①の写真で男神の頭上に纓(えい)を見て、平安貴族と早合点してしまった。いや、これは纓ではないのかな・・・。そもそも纓はいつ頃から?
茲愉有人さんのコメントには日本の服装を扱っているサイトのアドレスが添付されている。服装史も広く深い世界だ。
今後、道祖神の服装に言及する場合にはじっくり調べることにしたい。加筆・訂正前の記事から冒頭の平安貴族の衣装を身にまとう道祖神という記述を削除した。
ブログでは十を知って一を書くくらいでなくてはだめ、と反省。茲愉有人さんに感謝します。
④
安曇野の道祖神 2013年2月撮影
■ 「週末には映画を観よう」というカテゴリーをつくっておきながら、このところ観た映画の掲載をサボっていた。
「3022」「惑星戦記 ジーロック」しばらく前にSFを2作観た。★☆☆☆☆ どちらも評価はこんな感じだった。で、SFではなく別のジャンルの作品を観ようとDVDコーナーで探した。手に取ったのが「キューティ・ブロンド」(2002年に日本で公開されたアメリカ映画)。主演女優がかわいいからではなく(まぁ、少しは選んだ理由にはなっているけれど)、コメディだったから。
この作品はコメディにしてサクセスムービー。
今夜は彼氏のワーナーがプロポーズしてくれるかも、と期待して出かけたデートで切り出された別れ話。 ワーナーがハーバード大学のロースクールに入学したと知るや、主人公のエルは猛勉強してハーバード大学に入学する。ワーナーを追いかけて入った大学で再会したワーナーには婚約者がいた・・・。
派手派手ファッションのエルはキャンパスで目立つ、目立つ。周りの学生たちが地味な格好をしているので余計に。エルは厳しい授業にも耐えて、やがてある殺人事件の弁護をすることに・・・。なにせサクセスストーリーだから上手く展開していく。こんな映画は観ていて楽しいし、気分がいい。つねにポジティブシンキングなエルは「他人(ひと)に優しく、自分に正直に」というポリシー。自分もそうありたいものだ。
■ 上下ふたつに分けられている本のタイトルカードを組み合わせて「バカ受けタイトル」をつくるというゲーム。塩尻のえんぱーくでやっていた。
『アンドロイドは愛をさけぶ』『世界の中心で料理店』 う~ん、どうかな・・・。
1402 松本市梓川梓 4柱無4型 正面梯子背面・側面ブレース囲い 撮影日2022.11.12
■ このところやぐら友だちがSNSに載せている火の見櫓の追っかけをしている。この火の見櫓も、それから火の見梯子Aもそうだし、里山辺の木製の火の見柱もそう。
この火の見櫓の前を通過してしまった。どうもセンサーの調子がよくなかったようだ。場所が違うようだと、引き返してきて気が付いた。「あった、これだ!」。火の見櫓が電柱や住宅の外壁の色と同じような色なので分かりにくかったのだと思う(などと言い訳をする)。
火の見櫓に使われる鋼材は等辺山形鋼が多い。この火の見櫓も等辺山形鋼で組んであり、高さはおよそ4m。平面は1辺がおよそ60cmの正方形で正面を梯子にして残りの3面は斜材で構成している。
正面から見ると、思いのほか端正だ。柱に取っ手を取り付けて昇り降りに配慮している。半鐘の小屋根と木槌、それから消防信号も無いのはちょっと寂しい。
見張り台の床の様子。山形鋼が使われている。厚めの平鋼でも問題ないと思うけれど。
■ 大相撲九州場所は今日、13日が初日。関脇に転落した御嶽海が10勝以上を挙げて大関復帰成るか、長野県民として気になる。昨日(12日)の信濃毎日新聞のスポーツ欄に上掲した見出しの記事が掲載されていた。「一日1勝、それだけ」という漢数字と洋数字の見出しにあれ? 御嶽海の勝敗に一喜一憂とか、一期一会というような熟語と同じ扱いで「一日一勝」とはしないのだろうか・・・。同じ記事の別の見出しは「1場所で復帰7例」となっている。
手元にある『記者ハンドブック 用字用語の正しい知識』共同通信社(1956年初版第1刷、1994年第7版第1刷)で調べた。なぜ一日一勝ではなく一日1勝なのか。
目次に「数字の書き方」とある。**記事には数字が非常に多く出る。数字の間違いは言い訳のきかないものである。** はじめの一文にこのように書かれている。**記事中の数字には漢数字を使う。必要に応じて、洋数字を使う。**とある。必要に応じてって、具体的にどんなときなんだろう。
洋数字を使う場合がいくつか示されているが、その中に「運動記事の中のスコア、記録」がある。そうか、これだ。他には「震度、マグニチュード」「日程表の中の日時など」「台風の号数」「横書きのとき」などが示されている。一日1勝という表記の理由は分かった。でも、見た目は一日一勝のほうがいいんだけどなぁ・・・。
と、ここまで書いてきて・・・、火の見ヤグラーな私のことを紹介した記事ではこの資格の表記がどうなっていたのか気になって確認してみた。
市民タイムス、MGプレス、日本経済新聞は「1級建築士」、中日新聞は「一級建築士」となっていた。ぼくは資格名も固有名詞に準ずると思うので新聞記事でも「一級建築士」ではないかと思うけれど、判断は新聞社によって違うのだろう・・・。
漢数字と洋数字、注意して新聞記事を読もう。
(再) 松本市里山辺 大嵩崎集落 火の見柱 木製 撮影日2022.11.12
■ 山の連なりが松本平を縁取っている。その辺縁の山の麓には古くからある集落が点在している。里山辺の大嵩崎もそのような集落のひとつで斜面に民家が点在している。ここに今では珍しい木製の火の見柱があることを知り、出かけて見てきた。現場からは松本の市街地が望遠できた(写真)。
火の見と消火ホース格納箱、防火水槽が一か所に整備されていた。
柱のステップの間隔などを測り、高さは4m半くらいだと分かった。
柱を挟むように2本の腕木を出してボルト留めしている。切妻の小屋根の下地は厚い板、仕上げ材は薄い鋼板。腕木は腐朽が進んでいる。
木柱の表示プレート。大栄産業と加圧式という文字がある。防腐材の加圧注入により木材を防腐処理したものと思われる。プレートには数字も表示されているが意味は分からない。寸法や仕様の表示だろうか。大栄産業をネットで調べると、やはり木材の防腐処もする会社だった。この柱は電柱用で、転用したのかもしれない。山あいの集落によく似あう木製火の見柱、いつまでも集落を見守り続けて欲しい。
1401 松本市梓川梓 梓川中学校の近く 火の見梯子変形型 撮影日2022.11.11
■ 松本市梓川、旧梓川村にはこのような変形タイプがあることは以前から知っていたが、実際に見たのは最近のこと。まだこのタイプが残っていてよかった。アルファベットのAのような形をしているが支柱が2本で、踏桟を架けてあるから梯子。
正面から見て左側の支柱に手すりが付けてあるが形が実に好い。下端も上端のような形にするのが一般的だと思うが、そうしないで、支柱に沿わせて下に伸ばしてある。
半鐘まで錆びてしまっている。縞鋼板(チェッカープレート)をへの字形に曲げて半鐘の屋根にしている。縞鋼板の縞々は滑り止めのために表面につけた凹凸。側溝などの蓋として使われる。半鐘用の小屋根があるとうれしい。
1402 北安曇郡白馬村神坂(内山地区)4柱切妻4型BC(ブレース囲い) 撮影日2022.11.11
■ 布絵作家・坂井真知子さんからこの火の見櫓を教えてもらった。今日(11日)出かけて、見てきた。なかなかのロケーション。切妻屋根の火の見櫓は珍しい。
後方は2014年(平成26年)4月まで民宿だった茅葺の民家。
波トタンで葺いた屋根。懐かしいデザインの街灯とスピーカー付き
等辺山形鋼の交叉ブレース
1400 安曇野市明科(JR明科駅の近く)タイプ分けは検討中 撮影日2022.11.11
■ 梯子の構成部材の柱2本と後ろの柱とでは、機能的にも構造的にも異なる。3本の柱は横架材で接合されているので立体的な構造と言えなくもないが、前述のような理由から火の見梯子控え柱付きとタイプ分けしたい。
火の見の脚元に防火水槽があり、コンクリート製の四角い蓋が設置されている。隣りの建物は消防倉庫ではなく、ゴミステーション。
480
「撮りますよ。ハイ やぐら」 3人でやぐらポーズ
■ 群馬の火の見ヤグラー・長井さん(過去ログ)と安曇野市豊科のカフェ、ベルウッドコーヒーラボでひのみやぐらくらぶのオフ会をした。私とやぐら女子のひのみちゃんと長井さんとで延々と火の見櫓談義。やはり趣味が同じ人との語らいは楽しい。
photo by hinomi-chan
カフェトークの後、近くの火の見櫓(*1)を観察した。この後、長井さんは同行の弟さんと東信方面の火の見櫓を観察しながら、無事帰宅されたとのこと。同夜、観察した火の見櫓の写真を添付したメッセージが届いた。またオフ会をしたい。
インスタグラムに#ひのみくらぶを付けて火の見櫓の写真を投稿してくださる方がもう何人も。 うれしい。寄せられる火の見写真に魅せられ、現地で直接見たくなる。火の見櫓めぐりは続く・・・。
*1 中信地域(松本・安曇野)に多い3脚型の火の見櫓 ― 3柱6〇型、アーチ状補強部材中間留(SAと略記)
1399 諏訪郡原村大久保(大久保公民館)4脚44型貫通脚 2022.11.08
■ 道路山水的構図ではないけれど、スケッチしたいような風景。でも、まとめるのは難しそう。
真正面から撮ると火の見櫓の立体的な姿・形は分からないけれど、櫓の逓減の様子は把握しやすい。この櫓は上方へなだらかなカーブを描きながら逓減している。屋根と見張り台の大きさのバランスも両者の離れ方も好い。サイレンやスピーカーが設置されていないのも好ましい。
屋根の軒先四隅の飾りは蕨手ではない。寺社建築の同部位に付けられている隅角(すみづの)と同形であることから、火の見櫓の屋根のこの飾りも隅角と呼ぶことにしたい。屋根上部のキューブ状の蓋にも名前が付いていると思うが、分からない。調べなければ。これが団子のような丸い形の場合には灯台では冠蓋と呼ばれている。火の見櫓もそれに倣っている。
脚が倉庫の屋根の軒を貫通していて外壁の外側に見えているような場合は「プチ貫通」と呼ぶ。このようなネーミングのセンスはない。やぐらくらぶのひのみちゃんによる命名。
この写真のように屋根を貫通して脚が倉庫内にある場合、「ガッツリ貫通」と呼びたい。それにしてもなぜ貫通させたのだろう? 地上からの外付け梯子も破風を貫通している。こうなると、とにかく「貫通させる」という製作者の意思すら感じる。
1398 諏訪郡原村大久保 火の見梯子控え柱付き 2022.11.08
■ 諏訪地方、中でも茅野市は火の見櫓が多いが(*1)、このような簡易な火の見梯子も多い、という印象だ。しばらく前、インスタに原村の貫通やぐらが載っていた。是非見たいと思って昨日(8日)出かけてきた。目指す貫通やぐらは大久保公民館の隣に立っている。その手前でこの火の見梯子と出合った。集落内の生活道路沿いに立っていて隣には消火ホース格納箱も設置されている(この組み合わせは多い)。梯子の後ろには控え柱(つっかい棒)がある。簡易な基礎だとこのような控え柱を設置することが望ましい。
別方向から見る。
細い鋼管で構成されている梯子。小屋根付きの腕木に半鐘を吊り下げてある。木槌もある。木槌が掛けてあるのを見るとうれしくなる。半鐘に木槌は欠かせない。
*1 堀川雅敏さん作成の「長野県市町村別火の見櫓分布図」(『松本の本 第2号』2020年度版(想雲堂発行)による)
■ 長野県朝日村の朝日美術館で今月(11月)27日までの会期で開催されている「加藤邦彦・温子展 ― 自然と共に生きる―」を鑑賞した。幸運にもお二人とも在廊中で、展示作品のモチーフのこと、ドイツの芸術事情などについてじっくりお話を伺うことができた。
お二人は約40年間のドイツでの創作活動を経て、現在は伊那市美篶(みすず)で創作活動中とのこと。
展示会場には鑑賞者に太古に誕生した生命体を想起させるような邦彦さんの不思議な造形の彫刻と、温子さんのイチョウをモチーフとした具象と抽象のどちらともとれるような表現の油彩画や石版画がおよそ120点展示されている。私が魅せられたのは温子さんの上掲作品(写真撮影・掲載の許可をご本人からいただいています)。
緑の風景を5つの層によって表現している。層の幅を次第に小さくし、また層の色相・明度を変えることによって遠近感を表現している。そうか、層か・・・(って駄洒落ではない)。
風景構成要素を再構成して作品にするのだが、作品を観ると、作者が風景をどのように捉えているのか、どのような風景に魅せられているのかが分かる。同じ風景を見てもその捉え方は人それぞれ。ぼくは今まで風景を層の重なりとして捉えて風景スケッチをしたことはなかった。この作品を観て、層の重なりとして捉えた風景の魅力に気づかされた。
安曇野市堀金にて 撮影日2022.11.06
今までは塊状のもの(住宅群の個々の住宅の塊、その後ろの屋敷林(たぶん)の塊、山々の塊)から成ると見ていた風景を、上記のような奥行き方向の厚さのない層の重なりから成る風景として魅力的に見えるようになった。
今までに描いたスケッチでこのような風景を描いたものを挙げるとすれば本の表紙に使った作品かな。でもこのスケッチを描いたときは層から成る風景の美ということは意識していなかった。
拙著『あ、火の見櫓!』の表紙にしたスケッチ 安曇野市三郷にて 描画2019.05.06