鎌田浩毅著「日本の地下で何が起きているのか」
( 岩波科学ライブラリー・2017年 )をひらいてみる。
鎌田氏の文は切れ味よく、飲みこめるのですが、いけません。
「首都圏周辺の活断層・・」(p54)という図があります。
関東の茨城・埼玉・東京・神奈川・静岡・千葉のはいる地図が
そこにあるのですが、何とまあ、千葉県の下、安房の箇所が
その地図から見事にカットされております。
うん。私は「安房郡の関東大震災」と題して語る予定なのに、
その安房郡が千葉県もはいっている地図からカットされている。
はい。新しく出た本ではどうかとめくってみると、
鎌田浩毅著「揺れる大地を賢く生きる」(角川新書・2022年10月10日発行)
にも、ほぼ同じ図がある(p43)。その図に題された言葉は
「関東南部の活断層と過去に起きた大地震の震源。」として
M7以上を中心に記されておりました。
はい。私がこれから話そうとする安房郡は、
蚊帳の外ならぬ、関東の地図の圏外でした。
はい。それだからなのでしょうね。今まで、
「安房郡の関東大震災」というテーマで語る方を知らなかった。
まあ、それはそうとして、
鎌田浩毅著「日本の地下で何が起きているのか」から
気持ちいいフレーズを引用しておきます。
「特に、震度7がどういう状況をもたらすかが
あまり知られていないのは、非常に危険である。
震度の階級では7が最大であるが、
その揺れは震度6強とは大きく異なる。
震度6強では固定していない家具が転倒するが、
震度7ではピアノやテレビが空中を飛んで壁に激突する。
人は震度7の中ではまったく動くこともできず、
ただうずくまっているだけである。 」(p55)