和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

四条通りの八坂神社。

2019-11-29 | 京都
京都にいったとき、
円山公園から八坂神社をとおり、
四条通りへと、はじめて降りました。
道路へと石段をおりながら、
お上りさんであるわたしは、
へ~。こんなところがあるんだと
思っておりました(笑)。

さてっと、京都関連の古本の積読のなかに、
内藤益一著『京都再見』(発売・丸善)がある。
とっつきにくそうなので、そのままでしたが、
なにげなく、ひらくと、そのはじまりの京都は、
「祇園界隈」とあり、八坂神社の山門を
道路側からとった写真がありました。
うん。はじまりを引用。

「京のまんなかを東西に走る四条通りを
東山に突き当たったところに八坂神社がある。
京では祇園さんで通っている。
東山の緑をバックに朱塗りの山門と玉垣とが
小高い石段の上から京の街を見下している。
幕の開いたばかりの舞台のようにあざやかである。

目の下の四条通りの両側の裏通りが祇園町である。
八坂神社の裏が円山公園であり、その北隣が知恩院である。
南隣が真葛ヶ原(まくずがはら)と呼ぶ。高台寺、清水に続く。
・・・・」(p11)

うん。「幕の開いたばかりの舞台のようにあざやか」
なその山門の石段をおりてきたのでした。
もっとも、私の場合は、石段をおりたそこには
中国人の団体さんらしい混雑がまっており、
ごったがえして横断歩道をわたりました(笑)。

このあとに、平清盛がこの場所でくりひろげた
エピソードが語られていて、はじめて読むその話に
わたしはといえば、ワクワクします。

うん。それを引用している場合じゃない(笑)。
硬いけど、味わいのあるスルメみたいな一冊。
はい。古本で安くなければ買わなかった一冊。
そうして、手にしてよかったと思える一冊です。
「まえがき」に

「生まれ育った京の町に強い愛着があって、
当てもなく、街の隅々を歩く癖があった。
・・・・齢を重ね・・・・・・・歴史のエピソードの
舞台をもう一度訪れて見たいと思うようになった。」

とあります。著者は明治40年生まれ。
とりあえず。つぎにパラリとひらけば、
「四条大橋界隈」のこの箇所でした。

「四条河原が芸能との関係で史上に現れる最初の
事件は貞和5年(1349)のことではないかと思う。
楠木正行(まさつら)戦死の翌年である。
四条河原に橋を架けるための資金を募る勧進田楽で、
足利尊氏も見物していたとき、突然249間の桟敷が
崩潰したのである。

当時川幅は今よりずっと広く、四条辺りでは、
西は富小路、東は宮川町筋に及び、今の先斗町も
河原町も寺町も御旅町も河原であったらしい。

河原の芸能は時代と共に多様になる。
女曲舞(おんなくせまい)、女房猿楽(にょうぼうさるがく)、
辻能、操(あやつ)り、浄瑠璃、祭文(さいもん)、放下(ほうげ)、
蜘蛛舞などから諸種の見世物が軒を並べる。

出雲のお国とその芸団によって
『歌舞伎舞』が興行されたのは
慶長8年(1603)、関ヶ原の戦後3年である。
女が切髪に鉢巻き締め、
金襴の衣裳に細見の大小を落とし差しに、
胸に十字架をかけ、腰に瓢箪をぶらさげた
『かぶき者』の服装で茶屋女と戯れる踊りである。
男装の美女の『はしり』である。
・・・・・・」(p127)

うん。こうして綴られていくのです。
各題は、京都の交差点を掲げて○○界隈としており、
○○界隈、○○界隈と並ぶ目次の圧巻(笑)。
こういう本が、できあがる不思議な京都。
そう思いながら、わたしは、これだけで満腹。
もう読み進めず、本棚に立てかけておきます。





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2 コメント

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八坂さん (きさら)
2019-11-30 08:58:28
私達(関西人)は 八坂さん 知恩院さんと呼んでいます。

私は最近 郷土史に興味を持って
色々な本を読んでいます。
神戸には楠木正成を祀った 湊川神社(楠公さん)がありますが その近場に「多聞通」というのがあって
「多聞」というのは 正成の幼名だったと知りました。 へえ~~~と気づくことがいっぱいです。今は西国街道に興味があります。出発地は京都だと思います。
神戸にゆかりのある 清盛についても
興味を持ち始めました。。。


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さんづけ。 (和田浦海岸)
2019-11-30 10:39:14
きさらさん。こんにちは。
京都の古本を、ポツポツと
集めていると、どうしても、
近江とかの、周辺地域へと
触手が伸びやすく、そういうときは
ガマンするようにしております(笑)。

関西人の八坂さん、知恩院さん
というのは、親しみがありますね。

うん。親戚が遠くにいる際には、
姓で呼ばずに、よく地域名で呼ぶことが
あります。「四谷では、どうしているか」
なんてね。うん。そういうときは
「さん」はつけない。

こちらでは、神社仏閣に「さん」は
つけないですね。
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