和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

電車。

2008-11-25 | 安房
私は、千葉県の南房総で生まれ、暮らしております。
町には、JRの和田浦駅があります。
ということで、房総に関連する、文には興味があります。
先ごろ、角川の「短歌」11月号を、ある方から頂戴しました。
そこには、クリシュナ智子さんの短歌が載っておりました。
クリシュナさんは同じ町内の出身です。

ということで、クリシュナさんの短歌。

  安房郡は南房総市となりてインド姓もつ吾のごと故郷

  せつなきは第二言語で過ぎる冬life goes on and on,and so on

  平成を知らざるわれは国鉄にゆられ海みる夢をまたみる


短歌を読んでから、新美南吉の詩を文庫で読んだのです。
たまたま、そこに電車が出てきました。並べてみたくなりました。


     春の電車    新美南吉

  わが村を通り
  みなみにゆく電車は
  菜種ばたけや
  麦の丘をうちすぎ
  みぎにひだりにかたぶき
  とくさのふしのごとき
  小さなる駅々にとまり
  風呂敷包み持てる女をおろし
  また杖つける老人をのせ
  或る村には子供等輪がねをまわし
  或る村には祭の笛流れ
  ついに半島のさきなる終点に
  つくなるべし
  そこには春の海の
  うれしき色にたたへたらむ
  そこにはいつも
  わがかつて愛したりしをみなをりて
  おろかに心うるはしく われを
  待つならむ
  物よみ 草むしり
  小さき眼を黒くみはりて
  待ちてあらむ
  われ けふも みなみにゆく電車に
  わが おもひのせてやりつれど
  その おもひ とどきたりや
  葉書のごとくとどきたりや

  

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