映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

ゾラの生涯

2008-06-08 06:53:16 | 映画(フランス映画 )
昨日は一日会議であった。
そのあと懇親会があったが、帰りに1時間半程度かかることも考えて、仕事があるといって帰った。帰りの電車の中で世界史の問題集をやった。

「ゾラの生涯」をみた。第10回オスカー作品賞である。
「居酒屋」を書いたエミールゾラが、スパイ容疑のドレヒュスの無実を訴えた話は世界史の教科書の中にもある。しかし、深く内容を知ったのは初めてである。

パリの屋根裏部屋で、幼馴染の画家セザンヌと暮らす物書きのゾラは、アパートの家賃も滞納し、買い物しようにもつけがたまって断られるひもじい生活をしている。それを見かねてゾラの家族が、出版社の仕事をもってきた。
その出版社で知り合いの娼婦をモデルに書いた「ナナ」が驚くほど売れてから、ゾラは貧困生活から脱出して次から次に書いていった。

それから20年ほどたって殿堂に入ろうかともいうときに、ドレヒュス事件がおきる。ドイツ大使館の武官に秘密情報を漏らしているのが、ドレヒュスではと軍上層部の推測で決め付けられてしまったのである。彼は有罪となり島流しを受ける。

ドレヒュスの無罪を信じる彼の妻は、ゾラに救済を求めた。最初は面倒に思っていたが、証拠の存在を知り、新聞で軍部を糾弾する。
もともと普仏戦争の出兵の経緯などを疑問視した書物を書いていたゾラは、軍部からにらまれる存在ではあった。軍幹部たちは、真実を知りながら、自分たちの過ちを公表したくないために、ゾラを訴える。

ロケというよりも、映画のセット中心で、画像の美しさを訴える作品ではない。主人公をはじめとして、劇場的な演技の巧みさで勝負する映画である。質は高いと思う。

コメント (2)
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