映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

アジョシ  ウォンビン

2012-03-05 20:30:14 | 映画(韓国映画)
ウォンビン主演「アジョシ」を見ました。
主演ウォンビンの活躍にはビックリ、素晴らしい作品でした。
「母なる証明」で久々の登場を果たしたウォンビンが高いレベルの演技を見せる。「冬の小鳥」の少女キムセロンも出演して、韓国版「レオン」の匂いもさせるがウォンビンのワンマンショーともいえる映画だ


ソウルの片隅で主人公テシク(ウォンビン)は質屋を営む。家族も無く、隣の部屋に住む少女ソミ(キム・セロン)が訪ねてくるだけだった。ソミはテシクを“アジョシ(おじさん)”と呼び慕っていた。少女の母親はクラブダンサーで自分の暮らしで手いっぱいだった。少女の母親は麻薬中毒になっていた。彼女は組織の麻薬取引の場所になっていたクラブで麻薬を盗んでいた。
ある日主人公は、通りの真ん中でカバンを盗んだと警察に突き出されていた少女と出くわす。とっさに少女は、主人公をパパだと指差す。しかし主人公は、黙ってその場を立ち去る。その夜、主人公は少女から、それでもおじさんを嫌いにならないと言われ、言葉を失う。

質屋のあるビルに見知らぬ男たちが来た。少女の母親が質に入れていたカバンに、組織から盗んだ麻薬が隠されていたのだ。母親を問い詰め麻薬が質屋にあると知ってきたのだ。主人公は少女と母親が拉致されていることを知りカバンを組織の男に渡す。麻薬は確かに入っていた。しかし、そのまま二人を拉致したまま車は立ち去った。
組織を仕切るマンソク兄弟(キム・ヒウォン、キム・ソンオ)は少女と母親を引き換えに、主人公に麻薬の運び屋を引き受けさせる。その麻薬取引の現場を通報し、主人公と麻薬取引相手を警察に引き渡すという筋書きをマンソク兄弟が考えていた。主人公は取引相手との現場に行く。取引相手に麻薬を渡すと同時に少女たちを返せというが、取引相手はその事情は知らない。マンソク兄弟にだまされた主人公は驚く。現場が複雑にとりこんでいく中、警察も来てしまうが。。。。


この映画にはいくつかのポイントがある。臓器売買、子供を使った麻薬の移送、殺し屋と少女の友情である。身寄りのない子供たちを集めてむちゃくちゃなことをさせる組織の話はいくつかある。「闇の子供たち」は臓器売買にかかわる。しかも、拉致した子供たちに身体を売らせるようなこともさせる。「まほろ駅前多田便利軒」に少年による麻薬の移送の話が出てくる。こういうことってあるのかと驚いた。そして殺し屋と少女の友情を描くのは何と言っても少女時代のナタリーポートマンとジャンレノによる傑作「レオン」であろう。それらのエッセンスを見事に一つのストーリーにまとめている。バランスもいい。



何と言っても、ここではウォンビンのカッコよさに尽きる。男から見ても今回のウォンビンはぞくぞくするようなカッコよさである。「007」やミッションインポッシブルの「イーサンハント」よりもマットデイモン演じる「ボーン」シリーズのジェイソンボーンが一番近い気がする。なにしろ不死身だ。強い。究極に鍛えた体を見せられるとぞくぞくする。
それに加えて、悪役たちの顔つきがいかにも狂気に迫るもので、えげつない。バットマンのジョーカーを思わせる性格異常者の顔だ。そこはいかにも韓国映画らしいえげつなさ。暴力描写も単純に銃を使うだけでなく、身体に切り裂いたりスプラッシュに近い要素を持っているのが韓国映画らしい。目をそむけてしまうシーンも二度三度と出てくる。

「冬の小鳥」は評論家の評価は割といいが、個人的には思ったほどではなかった。あの映画の主人公キム・セロンがウォンビンの相手役となるが、別に特筆すべきところはない。普通かな。「レオン」で見せる少女時代のナタリーポートマンに比べるのはちょっと酷かもしれない。

韓国映画のアクションサスペンスが全部いいかと言われるとそうでもない。評判いい「生き残るための三つの取引」は大したことなかったので、ブログにもアップしなかった。
でもこの映画の出来はいいと思う。相変わらずサスペンスアクションでこの映画と同レベルの日本映画って年に一本あるかないかの水準だ。韓国映画のレベルは高い。
コメント
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